2025/07/12 のログ
ネーラ > 店の品揃えは、冒険者が一般的に求めるようなものや。日用品、消耗品の数々。軽い呪具や、変わったところだとネーラが契約している淫魔を、購入者に時限的に貸し出すスクロールなどもある。
まあ、色々棚に並んでいる。

このスクロールの、既存の娼館との兼ね合いとしては「これは魔法具であって人間ではないので消耗品」という理屈で置いている。安い娼館のレギュラーサービスくらいの値段はする。
どうでもいい話だが、スクロールの表面には呼び出せる淫魔の外見のタイプとか年齢がざっくりと書かれている。

ネーラ > 「ふぅ…」パラソル越しでも眩い日差しに目を細める。
昼だというのに娼館で遊ぶか、と持て余しているメンズ冒険者の視線が、トップスの胸元を絵に書いた丘のように盛り上げているバストをガン見しており

「……残念じゃが、私は売り物でなくて店主でな?気になるなら惚れさせてみよ。」
チャキ、とサングラスをおろして睨める。薄く笑うと、悠然と本に視線を戻す。浅はかよのう。

*********

そしてこんな時間でも娼館に入るやつは入る。
自由業な冒険者の利得ではある。

装備の代金を投げるのは勿体無い気もするが。ソレも自由意志による選択というやつ。
魔女が言うことは何もないのであり。

ネーラ > デッキチェアとパラソルをたたみ、店のドアの脇に立てかける。店内に入り、店番を始めた
ご案内:「王都マグメール 平民地区/商業区域」からネーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・冒険者ギルド」にナヤさんが現れました。
ナヤ >  
「オーガ討伐? いいけど、アタシ一人だと時間かかるよ?
 せめて後衛魔法使いの使える子くらいはつけてもらわないと───」

ギルドの窓口。
ギルド職員の女性と問答しているのは、焼けた肌の冒険者。

「ま、アタシよりもうちょっと適任がいるでしょ。
 ほら、昼間から飲んだくれてる大斧使いの、でっかいおにーさんいたじゃない?」

そういうヒト向けでしょ。会話を切って、別の依頼書を手に併設された酒場へと。

「九頭龍山脈付近の仕事は獲物が多彩すぎるのよねぇ…」

無名遺跡に潜るより時間はかからないが、
ゴブリンだオーガだ、果てにはドラゴンだと大騒ぎである。
飽くまで素手を旨とするストライカーの女冒険者としては、ドラゴンなんてやってらんないサイズだ。

酒場の椅子に深く腰掛け、とりあえず一杯、エールを頼めば羊皮紙の束へと視線を落とす。

ナヤ >  
手元の紙束には依頼だけでなく、王国周辺のありとあらゆる事件や風説が纏められている。
勿論中には眉唾ものの噂もあったりはするが…後々そこから大きな仕事が発生することもある。

王族の悪い噂。
新興宗教の怪しい話。
王都近くでの行方不明事件など、内容は様々だ。

「…ん。前に行方がわかなくなってた子達、見つかったんだ…」

その中の一つに目を引かれる。
数週間前、若い冒険者の一団が消息を絶った。
彼らの知り合いを含めた数名が捜索に当たっていた筈だ。

どうもそのうちの一人の女性が発見されたらしい。

「無事に、って書かれてないってことは…そういうコトね」

こんな稼業に身を窶していれば珍しくないことではある。
まだ若いのになあ、なんて思いつつ。エールを傾けながらはらりと次の羊皮紙を捲る。

ナヤ >  
ふと、近くで飲んでいた冒険者の男が声を発する。
その件、残りの行方不明者に懸賞金がかかるらしいぜ、と。

「懸賞金?珍しい…あ、さては…そういうコト」

なんとなく察しがつく。
王族だとか貴族の子息が、道楽でこういった仕事を受けることがある。
大体は二流・三流の貴族で、何かしら、家の名を挙げる武勇伝を得るために行うことだ。

先述の女性が見つかったのは九頭龍山脈近くの街道らしい。
盗賊や山賊なども彷徨いている、正直危険の多い街道だ。

山賊の仕業かねえ、などと酔払った男がのたまう。

「山賊が、わざわざ街道に捕まえた女を放置する意味なくない?」

あの辺りは天然洞窟も多く、様々な魔物が棲まう。
こんなよくわからない真似をするのは決まって、中途半端に狡賢い連中だ。

「額面次第じゃ人あぶれそう。受けるなら今のうちじゃない?」

羊皮紙を手にひらひらとさせてみれば、酔っぱらいは『遠慮しとく』と言わんばかりに肩をすくめ首を横に振った。

ナヤ >  
どの道、やった連中が魔物であれ賊であれ、
その規模がわからなければ討伐隊の組みようもない。
下調べにも似た地道な仕事というのは不人気なものだ。

「(何度か、ギルドで見たことはあったっけな)」

犠牲者となった女冒険者。自分より少し年下だっただろうか。
よく笑う…という程ではなかったが、物静かな子だった印象がある。

「調査・報告、この程度なら仲間をつけてもらう必要もない、か。
 オーガ退治なんかよりは、よっぽど良さそう」

タンブラーの中に残る、少し温くなったエールをくるくると回し、一気に飲み干して。

「受付嬢さーん。36番の仕事に名前入れといて。
 早ければ明日にでも出発するから」

そう、声を張り上げるのだった。

ナヤ >  
にこやかに。
ほんとにオーガ退治じゃなくていいんですか、なんて声が返ってくる。
そりゃあ、そっちのほうが割はいいけど。

「だから、やれるはやれるけど、火力不足なんだってば」

勿論、そういった大きな魔物相手に戦った経験もある。
巨漢とて末端を攻め崩せば然程苦労せずに倒すことは出来るだろう。
ただし効率が悪い。
丁寧に崩している間に一撃でももらえばこちらはゲームオーバーだ。
無論、鈍重なオーガ如きの攻撃に当たるつもりもないが、結局倒すのに時間がかかるのでソロは効率が悪い。

「とりあえずそういうことで。
 一旦は調査と捜索だけだし、他にはつけてもらわなくてもいいよ」

そういった仕事は慣れているし、一人のほうが足回りも軽くて良い。

ナヤ >  
酒場のカウンターにエール一杯分のゴルドを置いて、羊皮紙の束をばさりと受付へと返す。

「残りの連中も見つかるといいけどね」

そう声を掛けると、笑顔を讃えていた受付印の表情が僅かに陰る。

ある意味で、自分達なんかよりも余程に冒険者達の顔を覚えている彼女らだ。
顔なじみの、それも若い少年少女といった一団の消息不明、堪えていないわけがない。

それでも明るく、笑顔で応対してくれるその仕事っぷりには頭が上がらない。

「ま、何かしらの成果は挙げてくるよ。
 勢い余って犯人連中壊滅させちゃったら、報酬に大幅に色つけてもらって」

それじゃね。と手をひらり、振ってギルドを後にするのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区・冒険者ギルド」からナヤさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」にネーラさんが現れました。
ネーラ > 夏の夕暮れ。@冒険者の酒場。壁際すみっこ席。

魔女はご機嫌であった。
「〜〜〜〜♪」
営業終了、今日も元気だエールがうまい。

今日の服装:半袖のバーズアイ入りニットトップスにホットパンツとレザーサンダル。
普通に入って普通に飲食しているのだが遠慮なさすぎるパッツパツぶり

(冒険者の男たちの脳内「痴女か…!?」)

(ねーら「魔女じゃが!?」)

(冒険者の男たち「こいつ…直接脳内に!?」)

なんとなくいついもより人目を惹いている気がする。
肌の色艶もいいし、魔力がいつもよりみなぎっている。

男、最高か…?

(いや、性愛が力になっているのはわかるのじゃが)


実際、卵子一個が人間になる前の段階で魔力に変換される。その効果は絶大なのだ。

「エール、おかわり!」

スッと給仕が運んできたものを椀子そばのようにごっごっぷはーーっ、である。

ネーラ > 一人で機嫌良く酔っている。
絡み酒とかはしない。
安全なものである。

ついでにパンと鳥の腿の焼いたので一食食べてしまう。

いつものことだが、よく飲みよく食べる。

酒場には、依頼が終わって反省会。依頼が終わって上首尾で打ち上げ。
依頼もないし金もないけど借金してでも飲んでるダメパーティ。
そういう人間の業が渦巻いていて、その俗っぽさを魔女は愛している。
社会の上層の悪徳と比べていじましく、正直で好ましい。

食休みが済んで、落ち着いたころ。

……酔いが脳内のどこかのチャンネルを開いた。

なんか、暑い

脱いじゃおっかなー…と小声で呟く。
ケラケラと笑っている魔女自身。

酒によって起動する「オート自分」であった。


耳ざとく聞いた冒険者メンズ数名
(死人が出るぞ…!)
と言いつつ視線が向いてしまう。

魔女、ニンマリと笑う。

ネーラ > 男たちの視線を惹きつけ、できんのか?できんのか?というやらしい期待をギリギリまで惹きつけてからの
「えーい♡」
勢いよくトップスを捲り上げて胸がこぼれた瞬間


<i>ビシュッ</i>(一筋の光がちょうど魔女のバストトップの真上を飛ぶ)
光 修 正 。

冒険者メンズ「なんだよお前!」

冒険者メンズの顔に光 修 正 。
うぉっまぶしっ

冒険者女(ノーシス教徒)、杖を構え聖なる光を放った張本人「えっちなのはいけないとおもいます!」


冒険者メンズ「ここには大人しかいねえんだぞお前!」
冒険者女(ノーシス教徒)「普通の人だって周りに住んでるんです!少しは謹んでください!」


ネーラヾ(ΦωΦ)/

(なんかわちゃわちゃし出したので面白いからニヤニヤ見ている)

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」にクレイプニルスさんが現れました。
クレイプニルス > 夏の夕暮れ。日中の熱気も未だ冷め始めもしない時間帯に、隻眼の冒険者は酒場に入って来た。

この冒険者、クレイプニルス・アークスは今日は上機嫌であった。
冒険者のギルドで指名手配されていた双眼のサイクロプスを討伐し、安くない金額の報奨金を得られたのだ。
もちろん、実家からすれば雀の涙ほどかもしれないが…自分で稼いだ金は、懐にかなり重く感じた。
その後も色々あって、かなり上機嫌で仕事を終えられた。

「ふん、ふん、ふ~ん」

なんて、鼻歌なんて歌って酒場に入れば、まずは席探し。
さてさて、どこで酒を飲もうか……と視線を巡らせれば、冒険者たちの視線のむく方向に、中々に煽情的な服装をした女性が、何やらにんまりと挑発的に笑っていた。
だが、ぎらついた視線を向けるも声をかけようとする猛者は未だいないようだ……

だが、何故冒険者の男女が喧嘩しているんだ……?
痴話げんかか?とも思いつつ。(フラッシュの後に入って来た)

直接彼女に声をかける人がいないなら丁度いい。誰かが手を挙げる前に俺がその猛者になってみようか。と思い。

「こんばんは? かな。相席、しても良いかい?」

なんて、ニマニマ笑っている彼女に声をかけようか。

ネーラ > ネーラ「んふふ、わらしを巡って男たちが争う…おっもしろいのう…♡
がんばれ♡がーんばれ♡」

ウェイター、私にブランデーをな、頼むぞと
甘ったるい声を出してやんややんや煽っている。


「もちろんじゃ。一人で飲むのはおもしろうないのでな…お姉さんと飲むのは嫌か?ん?」
サッと相手の外見を見る、隻眼だがアクの少ない顔立ち。
(なんとなく品があるな…?)

「ご機嫌ではないか、何か良いことがあったのかな〜〜〜〜?」
クレイプニルスの横にぐっと顔を突き出し、上機嫌の原因を探す。

クレイプニルス > 「ああ、ありがとう。じゃ、お言葉に甘えますよ」

そう言って、彼女と同じ机に座る。と、同時に彼女からの視線を感じ、こちらもさっと彼女を見る。

(中々に煽情的な女性だな……でも、なんていうか。余裕しゃくしゃくな感じが魅力を引き立ててるなぁ)

貴族には中々いないタイプだ。なんて、内心考えつつ。

「あはは、わかっちゃいますか?そんな顔に出てたかな……」

なんて、軽く頬をかいて。

「ええ、ちょっと高額の賞金のかかった魔物を倒せて、懐がものすごく潤いましてね」

そして小声で。

「そして、今は貴女と席を共にできますしね。嬉しいことだらけですよ」

なんて笑いながら言おうか。

「給仕さん。俺にはエール、キンキンのを頼むよ」

ネーラ > 「実はな、突然向こうの席で冒険者が喧嘩を始めたのじゃが、原因がさっぱりわからないのじゃ…誰かじゃ方でも使ったのではないかのう…怖いのう…」

誠実そうだから、真顔で他人に責任転嫁した。


と、会話の合間になぜ揉めていたかの補足をする。


なお、とろけた目をしているのはいつものことで、異性とあれば一旦目を合わせて微笑む。誤解されるような所作をスッと繰り出してくる。
「それは…わかっちゃうのじゃ。おねーさんじゃからな。
 …ま、良いことがあって浮き足立たなお人はおらぬし?正直そうな子は好きじゃぞ?かわいくて。」
こちらの姿を視線で見たことも含めて。見ての通りの扇情」的な服装で。

軽い殺し文句が飛んでくる。

「そうか?私も強い男は好きじゃぞ。男前じゃし…」

こちらも同じくらいの褒めを飛ばす。

卓上には数名分の干し肉がある。好きにとるがいい、という空気を彼女は出している。

「それで、高額の魔物とは、どんな依頼じゃった?」

ネーラ > 並行して:
(さっきの光修正騒ぎ:向こうの席の冒険者「あんたのせいだぞ/あなたのせいでしょ!」)

「愚かもの!冒険者が命懸けで戻ってきたのじゃぞ!?ご褒美サービスの少しくらいあって然るべきではないのか?こーーーれじゃから世間知らずは…お前たちに次に依頼を出すときは、報酬を載せてやるゆえ、許せよ?」
けたけた、と笑う。

クレイプニルス > 「へぇ、見た所、喧嘩しているのは女性と男性だし、痴話げんかかな…?」

先程の胸ポロリは見ていないので、何故彼らがけんかしているのかは分からず。
だが、彼女に声をかけられなかった男性たちの軽い妬みの視線が、なんだかくすぐったい。
そして、彼女がケタケタ笑いながらも喧嘩を仲裁する言葉を言っているのを見て。

「へぇ、中々に肝が据わっているんですね、冒険者同士の喧嘩に口出すなんて……」

そう言いながら、机の上の干し肉を一つ、摘む。
うん、塩辛くて酒に合いそうだ。

「そういう快活な女性はとても魅力的ですよ……やっぱり、貴女がおねーさんだから?」

なんて、片目を細めて笑って。
強い男が好き、と言われれば、悪い気はしない。

「ええ。俺も、おねーさんみたいな快活な女性が好きですよ」

そして、依頼について聞かれれば。

「はい。双眼のサイクロプスという賞金首の魔物ですよ。なんても、突然変異の二つ目のサイクロプスで、何人もの冒険者が喰われたと聞きます。」

もちろん、その喰われた。には、食料、性的といろんな意味がこもっているが。流石にそこまでは答えず。

「さて、冒険者の喧嘩を仲裁する勇気あるおねーさんの酒、俺が奢っちゃおうかな?」

幸いお金はいっぱいありますし。なんて笑い。
運ばれてきたエールを、くぃっと傾けようか。

ネーラ > 「うん、私は依頼を出す側じゃからな。仲裁するしかないこともあるのじゃ。その程度のことよ?」
みんな、とひとくせもふたくせもあるからの。言添えて。相手のエールと乾杯した後、ぎゅっと。

「さあどうじゃろうなあ。月が今夜も丸いからか、私が美しいからかのう…」
そこんところどう思う?ときゅっと胸をふくの上から寄せた上で、酒で潤んだ目が訴えている。
尋ねるな自分の美貌を。

依頼の話。
「ほう〜?いつもは一つなのに二つなのか。北方の巨人族(霜の巨人とか炎の巨人とか)でもないようじゃな。」
ネーラ、こう見えて常人を超えた時を生きている。だから、巨人族が人間にどんな欲をぶつけるか、知っていた。
それを倒した、と…一人でやっても、チームでやっても、そう簡単な依頼ではない。
「うん。すると、お前は。よくやったのじゃな!えらいぞ!奢る?お主、今奢ると言ったのか?なんてよくできた子じゃろうなぁ…!」

ほろり。
お姉さんは嬉しいぞ。せっかくの稼ぎを他人に使う。徳を積んでいるなとなり。いい子、いい子と頭を撫でた。

「うん、勇者にはご褒美をやろう。ちょっとこっちにくるのじゃ。そうそう、椅子引いて良いから。もうちょっとこっちに近く。…瞳を閉じよ♡」

クレイプニルス > 「そうですねぇ……おねーさんが、月の神すら堕とせそうな、そんな淫靡な魅力があるから。ですかねぇ」

相手が自分の美貌について問われれば、別段はぐらかす事でもないと、すっと答える。
エールが美味い。キンキンだ。
そして、一緒に淫靡なおねーさんが酒を飲んでいる。これ以上の贅沢はないだろう。

「いや、チーム皆で勝ち取った勝利ですよ」

とはいえ、女性冒険者を囮に使う作戦に反対し、大怪我しながら討伐したことは言わない。
そんな言いひけらかす事でもない。(ただ、ヒーラーの女冒険者とは王都へ帰還中にワンナイトラブしていて、それが上機嫌の一因でもあった)

酒を奢るのだって、クレイプニルスにとっては魅力的な女性に奢るのは当然と考えていた。
なので、彼女のほろりとした感動にはやや戸惑いつつ。

「ふふ。おねーさんにはお酒を奢る。男性冒険者なら……って、そちらに行けばいいんですか?」

片目にはてなマークを浮かべながら、彼女の傍による。もちろん、片目は閉じた。

ネーラ > 「うーん…あ、流石に神をオトしたことはないのう…インキュb…ううん、なんでもない」
なんか言った。

冒険の遂行、といっても当然悪辣な方法を採ってでも成功すべきとするものはいる。
それに反抗するのは。勇気がいること。多分神は祝福したまう。

彼の言葉の行間を感じ取ってみる。さらり、としている。
品のある男だということは、わかって。
「お主、モテるじゃろ。」
今ちょっとくらっとした。


「そうそう、じっとしておるのじゃぞ」

椅子から腰をうかし、彼の両頬に手を添えて、そのふくよかな唇を、そっと触れさせた。

ネーラ > …唇をそっと放し、目を開けて良いぞ、といった
クレイプニルス > 「ふふ、わかっちゃいますか?」

モテるだろ。そんな言葉には、悪戯じみた調子でそう答えて。
実際の所、モテるかどうかなんてわかっていない。
冒険者なんて明日も知れぬ稼業だ。女にもてるモテないも確かに重要だが(クレイプニルスも男の子なのだ)
明日、誰かを守るために剣を持てる方が重要なのだ。

そして、酒でややふわりとし始めた脳にはてなを浮かべながら。目を閉じていれば。
唇に感じたのは、ふわりとした、どこか自分の知らない華じみた香りのする、何か。

彼女から、目を開けても良いぞ。なんて言われて、ハッとして、目を開けた。

「……男冒険者を、からかいすぎですよ、おねーさん」

多分、恐らく、きっと。自分の顔は酒のせいではなく真っ赤なのだろうな。と、クレイプニルスは思った。
別に、女になれていないわけではない。どころか、抱きなれてる方ではある……と思う。だが……
こんなシチュエーションで、こんなキスをされれば。

「そんなことされると、どんな冒険者も簡単に獣になっちゃいますよ?」

嬉しいやら、気恥ずかしいやら、酒が回った脳内に色んな感情が混ざり合い。
やっと吐き出せたのが、こんな言葉であった。

ネーラ > 「年上のお姉さんじゃからな、なんでもわかるのじゃ。羨ましかろう」
少しぬるまったブランデーを、煽って干して。

からかって、と言われると、少し真面目な目をして

「…魔女の祝福は受けるものじゃぞ、少年?」
干し肉のお皿を少しずらし、そこに自分の肘を置いて頬杖をつき。
「この世で一番美しい人はな、正しく生きている者じゃ。だから、つい唇が求めてしまった。
お前の夢が叶うように、勇気が持つように。」

「私はネーラ・サンブーカ…いいや。このブラックオパールからのほんの少しの祝福じゃ。天運が少しは向くようになる。
 …それでお前が生きて帰れるなら、どうぞ獣になっても良いぞ?じゃが、弱いものには獣になるな。そんなことをするなら、私が受けてやる。そして睦言でお前の夢と冒険を聞かせてくれ」

名前だけが一人歩きしている、魔女の名を彼女は口にした。

クレイプニルス > 彼女の様子が変わり。やや真剣なものに変わる。

「魔女の、祝福……」

ぽつり、と呟いて、こちらもすこしぬるまったエールを口に含む。
そして、相手の話に聞き入ってしまって。

「……ありがとうございます」

先ずは。礼の言葉が出た。彼女がどんな存在かなんて、わからないけど。
祝福は、受け取れるだけ受け取ればいい。その果てに、結局は生きられればいいのだ。

「ブラックオパール……ネーラ……さん。」

何処かで聞いたことのあるような、無いような。そんな薄っすらとした記憶だけど。
きっと、魔女としてのその名前は、教えてくれたことに意味がある。そんな気がした。

「勿論、自分より弱い物に獣になる気は……無いですよ。あと、少年はやめてください。俺は、クレイプニルスって名前があるんです」

確かに、空気に飲まれてネーラをおねーさん呼びしているが、少年と呼ばれるほど若くは無いのも自覚している。

「……」

外では、太陽は堕ち、月が上がっていた。まるで、ブラックオパールのように、暗い月が。

「ネーラさん。どうです? 今夜は……二人で、月の神も嫉妬するような。そんな夜を過ごしませんか?」

酒が回って、そんなキザっらしいセリフしか出なかったけど……
クレイプニルスの片目。誠実さの奥には、確かに、獣の光が光っていた。

ネーラ > 「大体みんな少年じゃよ。…人間なんてものはな。
 だが、お主は…そうじゃな。青年でよかろう。」

お姉さん、と呼ばせてしまっているが、実際はもっと、なのである。
今、名前だけは大魔女である、と行っているこの女からのキスが、今後彼の行先にどんな影響を与えるかは、未来次第。
”魔女が祝福した”という簡単な事実で、窮地を乗り切る力が出ることこそが、事実をそう信じさせるという意味において、魔法なのだ。

「………」

グラスを弄び、思案し、彼の目を見ている。
魔女の瞳の奥には、情欲に蕩けた光がよぎったが、すこし、引いてみることにした。

「さあ、月の神に嫉妬されては、魔術師として寄る辺なくなってしまうのう…?」

次の時間が迫っていた。

「お前に魔術を見せてやろう。”法悦”というものをな?」
小さい声で、二人の間でだけ聞こえるように囁いて。
私の心臓の上に手を置いて、心を一瞬で良い、落ち着かせてくれ、といった

クレイプニルス > きっと、彼女は自分が思うより、もっと偉大?な存在なのかもしれない。
だが、ここはまれびとの国。そういう存在が居てもおかしくはないし、気にもしない。
青年か。まあ、少年よりは、いいか。なんて思って。

「……ふふ、確かにそうだ」

月の神が男か女かは分からないが、嫉妬ほど怖い物は無いからな。なんて思いつつ。

「? ああ、わかった。」

法悦。言葉くらいは知っているが、どんな感じか。までは知らぬ言葉。
クレイプニルスは、すぅっと息を吸い、吐く。心を落ち着かせ、簡易魔法を使う時のように。
心を落ち着け、彼女の心臓の上に、剣だこで固くなった掌を、置いた。

ネーラ > 「…意識をすませるのじゃぞ…今からお前の心に触れる」
霊感がないものには、見えない。
飲んで騒いでいる冒険者にも、感じにくい。
まして深夜で、二次会に動きつつあり、客が減っている今。

ネーラ、肉体の瞼を落とし、精神の目を開く。
身のうちのアストラル体を、彼の手を接点にして、彼の霊魂と相対させる。

現実から切り離された、魂と魂が向き合う無限の瞬間が開かれる。
互いに過不足なく理解できる場であり、巡り合いの瞬間である。

戦う意識をそっとどかし、虚勢のヴェールを除け、過去に紐づいた心の傷があろう彼の魂を、ネーラの魂が抱きしめる。
その傷が何であるかまでは見えない。それでも今に連なる大事な根源なのだろうことはわかる。
魔女の魂は、優しく、甘かった。
魔女の魂が彼の魂に向けて口付けをした瞬間、肉体的な快感の全てがいっときに流れ込んでくる。
肉体的な交合ではないのに、全ての快楽がある。それをエクスタシー…即ち法悦という。

「ぁ…」
額に汗を浮かべ、力を使うネーラの口から、喘ぎが溢れた。
(もう少し力を抜いて、私の魂に、触れてみて、直接意識に語りかけている。触れたいと思うだけで触れられるし、一つになりたいと思えば、直ちになれるから、と)

クレイプニルス > (こ、れは……)

クレイプニルスにとって、この感覚は初めての事だった。
自身の肉体ではない、もっと深く、もっと根源的な何かに、彼女が触れてくる。
それは、決していやなものではなく……甘く、優しい。
まるで、本当に居ない筈の、優しい姉に抱かれているかのような。
いや、抱かれているという表現が正しいのかもわからない。
本当に、魂が、クレイプニルスの心が、その初めての快楽に、震え、歓喜していた。

(ああ、わかった)

そう、クレイプニルスの魂が震える。そっと、クレイプニルスの魂。その掌と思える、白い何かが、ネーラの魂に、触れた。そして、この心地よい甘さに、溶けあいたい。そう、心が震えた。
瞬間であった。
確かに、この瞬間。ネーラと、クレイプニルスの魂は……

ネーラ > 人間は、体を繋ぐために、手順を踏む。
信頼を得たり、情欲に訴えたり、購入しようとしたり。
尋常の方法ではかならず、性的接触も含めて、すべてコミュニケーションを経る。

言葉と体を通じて魂に触れる。要するに人間の情交とはそういうもの。
今、起こしているのは、肉体を超えて互いの魂に触れ、さらに繋ぐ、ということ。

要するに、本物の超常現象を、駆使してみせた。

逆説的に、魂が触れるということは、人間が通る手順を全てなしたに等しいことになる。
接触であり、会話であり、愛撫であり挿入であり…人間があらゆる手段で追求しようとする、快感が全て一つであることがわかるような。超越した接合が、現実を超えた次元で、起こされた。

ネーラは、蓄えた魔力のうち、赤子一人分のエネルギーを費やした。
それでも、現実の世界では10分とたっていない。


はるかたかみの次元にいた魔女の魂は、眼下にいる肉体の動きを見た。みせられるもの全てを繋いで、何かを理解した後、喜悦に震える魂を、彼の魂から飛び立たせた。
現世に還る…。
魔女の額に玉の汗が浮かび、瞼を開けたとき、さっきまで尋常だった瞳が、エメラルド色に輝いていた。

…ゆるゆると息を吐き、彼が目覚めるのを、待った。
一糸纏わぬ姿になったのと同じ感触に、魔女の肌が震えていた。

ネーラ > そうして、彼の意識が戻った後、きゅ、と一回彼をハグして、静かに帰った。
(自分の分のお支払いを済ませながら)

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」からネーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」にネーラさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」からネーラさんが去りました。
クレイプニルス > 何度も言うが、これはクレイプニルスにとっては異常で。それていて心地よい時間だった。
だが、何度も体験すれば、「こちら側」にクレイプニルスは戻ってこれなくなるのだろう。

ゆっくりと、クレイプニルスの片目、瞼が上がる。
その時、目の前に、今の超常を見せた彼女がいるか、分からないが……
きっと、魂を震わせた魂の交尾の後の疲れに回らぬ頭で。
支払いを、済ませたとか……

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者の酒場」からクレイプニルスさんが去りました。