2025/06/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にネーラさんが現れました。
■ネーラ > 王都の午後、平民地区の盛場の近辺にある魔女の雑貨屋。日常的なものから性具・避妊具まで色々揃えている。入り口に相対するカウンターの向こうに白いローブを纏う褐色肌の女。爛熟の肢体が窺える形。銀縁のメガネ。片手にハーブ入りのキセル。
「…こら。私は売り物ではないぞ。冷やかしなら帰れ。…帰らん?ふん。好きにせい。」
店内の男客、干し肉のような何かを手に取る。
「…お主、それがなんだかわかっているか?…きょとんとしおって。それは、餓狼のペニスじゃが。そうだな、お主、見たところ異性愛者か。こらこらそんなことで驚いてどうする。」
おかしそうに笑うと、店内の客を眺めながら、路面の向こうも伺っている。
内装は砂漠の国のランプや、古びたタペストリーが彩る。異教の香り。
■ネーラ > 「だから、冷やかしなら帰れ、と言ったのじゃが。」
若いのに耳が遠いか、哀れな、と猫のように目を細め。底意地悪く囁き。
「当店は生活必需品と思われるものを色々と揃えている。ここに来るということは、まあ普通の雑貨目的ではないかと思ってな。」
目的を色々伺うと。
「…まず、思い人に満足して欲しいと。ならば、道具に頼る前にやることがあろう。…1週間ほど我慢するべきじゃな。溜めるものも溜めないで楽しめると思うか?基本が大事じゃぞ。甲斐性を持ってな。」
カウンターの上の扇子をひろげて顔にまとわりつく暑さを煽ぎつつ。
「あぁ?一晩幾らかじゃと?…だから、私は売り物ではないと言っておろうが!相談にはいつでも乗るが。」
さーせん!と軽く謝りながらその客は店を出る。真夏の風がどろりと流れ込む店内である…
■ネーラ > 店の前に荷物が届く。麻布に包まれた小包。中身は魔法薬と魔女の箒に使う乾燥ハーブの類。店主、カウンターから動かず、引き出しの中からワンドを出してタクトのように振る。ふわり、と小包が浮き、カウンターのそばの一隅まで滑るように飛んでくる。
カウンターの上に、小ぶりなクッションに乗った水晶玉もある。折を見て取引先からの連絡を、遠隔通信手段として受けている。互いの動く姿と声を届け合うことができるのだ。
■ネーラ > 来客が冷やかしに来るのは、服装のせいでは?と水晶玉越しの雑談。「魔女として、これくらいのセクシーは必要じゃろう?それに今日も暑い…」
白いローブと、谷間が露出するタイプのトップス。扇子を仰ぐ手に魔力を集めて、微弱な冷風を自力で起こす。
■ネーラ > 店に立つのは素振りのようなもの。営業の感を鈍らせないためには、現場に出るに限るとか。
こんな服装でいるのは、一番安い宣伝だから。来客のフックはないよりあった方がいいであろ?云々、と店にふらっと来るご近所の人と雑談している。
■ネーラ > 店の前を人々が行き交っている…
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からネーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/武具店」にハイディさんが現れました。
■ハイディ > 平民地区の路地裏にある小さな武具店。
店先に小さな看板があるのみで商売っ気がないのか呼び込みや目立つ行為はなく。
そして店内も狭く品ぞろえは混雑したように置かれているが、見るものが見ればわかる品質の良さ。
そんな店の奥のカウンターで暇そうにする店主の姿があり。
「今日も平和……平和はいい」
そう言ってはあくびを嚙み殺して扉を眺め。
先日はこんな店だからとやってきた押し込み強盗のおかげで別な意味で忙しく。
その後始末で数日開店できなかったこと、収入は別として店を開けなかったことだけを悔やみ。
ただ開いたとて客足がほぼ無いと言っていい店。
閉めようと思うその時までのんびりと来客を待って。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/武具店」にケストレルさんが現れました。
■ケストレル > 長いこと使っていた装備が、いよいよ寿命が近い
修繕に出すか、それとも新しく買い替えるか、決め手となるのはやっぱり値段で、
長期的に見てどちらが得か、その判断の為に男は武具店の扉を開いたのだった
「――やってるかい? ちょっと色々見せて欲しいんだが、構わねぇかな?」
騎士と冒険者の二重生活を送っているため、表通りにある武具店では騎士の方の同僚に出くわしかねない
そのため、あまり人目につかないような、こう言った少し奥まった場所に構えている店には正直助かっている
店主へと声を掛けてから、さて一通り見て回ろうかと広くはない店内をゆっくりと歩き始めて
■ハイディ > 「いらっしゃい。ごゆっくり」
のんびりと待っていれば扉が開きドアベルが鳴る。
入ってきた客、男の言葉に静かに返してその服装や歩き方などを確殺。
どれぐらいの腕前なのかと実力を見ようとするように。
そして入ってきた男が広くない店内を歩けば剣や槍、斧などの様々な武器。
表通りの武器屋とは違い、どれもが品質の高い武器が並んでいることに気が付くかはわからないが、良い品が目に入るはずで。
■ケストレル > 「……ふーむ」
品揃えは一目見て豊富、陳列はやや雑に見えるが品質が悪い物ではない事は男の目から見ても明らか
これならば装備を修繕に出すよりは買い替える方が安くつきそうか
そんな事を考えながら、ぐるりと店内を巡り、さほど時間も経たない内に店主の座すカウンター前まで来てしまった
「こんな所に店を構えてるわりに、品は良いもんばっかりなんだな
何で表で店開かねえんだい? これだけ質のいい商品が揃ってんなら、十分儲けられるんじゃねえか?」
改めてじっくりと検分する前に、店主へと飄々と声を掛ける
そもそも今回は買い物をするために訪れた訳ではないため、こうして話し掛けるのも店側からしたら迷惑になるかもしれないが、
幸い、客は男一人で多少話をしても差し支えないだろうと踏んでの事だった
何より店主は他の店の武骨な男じゃなく少女である
声を掛けずにいるのも勿体無い、と妙な律義さを見せた
■ハイディ > 男が店内を回り商品を見て回るのを黙って眺め。
これで見た目や自分に似合いそう、そんな選び方をするのであれば申し訳ないが退転を促そうと。
しかしそんな様子もなく見て回る姿、装備や歩き方で駆け出しや武具頼りの中途半端ではないとみて。
「品揃え?私が見て選んだ一級品しか置いてない。
表でやってない理由…?売る相手を選んでるから……かな?」
もう一周して商品を見るのかと思えばこちらに声をかけてくる男。
その問いかけの内容はナンパや冷やかし、変に自分を過剰に見せようとする内容ではなく、商品の品質を理解した上での問いかけだからこそ答え。
何より客が男しかいないので多少の話ぐらいは気にせず。
「表だと運が良いだけの新人とか見る目を持った金だけのが買いに来る。
そう言うのに売るつもりがないから…かな」
そう、商売に自分なりの信念のようなものを口にし。
最大の理由、店の家賃が高いことは口にはしないで。
■ケストレル > 「売る相手を選んでる……なぁるほど
……そういう事なら、合点がいく」
要するに物好きなのだろう、と結論付けた
商売よりも武具の取り扱いに重きを置く、という事はそう珍しい事ではない
事実、この店の他にも同じように表通りからは敢えて外れた場所に店を構えるという事も無い訳ではない
事実そういった店がある事で、男も冒険者としての装備を調達する事が出来ている
ただ、そういう店の店主が少女であることは珍しい部類に入るのではないだろうか
「――今日来たのは今使ってる装備がだいぶガタが来ちゃっててね
鍛冶屋に預けるのと、いっそ新調するのとでどっちが安く済むか物と値段を見て決めようかと思って来たんだけど
……一応の確認だけど、君がこの店の店主って事で良いんだよね?売り子の店員じゃなくて?」
問いながら、改めて少女へと目を向ける
見たところまだ10代と言ったところで、男よりも年下だろう事が窺える
武具屋を営むにしては随分と幼げな容姿だが、外見年齢だけで判断出来ない事も少なくはない
……もしかすると童顔なだけかもしれない、と一部立派に実ったものへと目を向けて考えを改めた
■ハイディ > 「素人に良い物を持たせても意味ないよ」
物好きなのは間違いはなく、それでもその考えを変えるつもりもない。
変に素人や運が良いだけの相手に業物といえる武器を持たせ死ぬならそれでいい。
その武器が賊や魔物、変な犯罪に使われても困るというのもあるので拘っているのはあり。
その分、品には絶対の自信はあるので必要な相手には売るのだが…。
「武器が?賊か魔物でも相手にしすぎた?
どんな武器を使ってるかわからないけど……うちの武器は修繕できる鍛冶屋が限られるのもあるから選ぶときは気を付けて。
……店主だけど」
この男なら売っても問題はないかと見返し。
ただもの次第では王都内での修繕が無理なものもあるのを伝えておき。
そして確認されたことには眉間にしわを寄せ、店主で間違いないと返して。
■ケストレル > ……違いない
素人に良い武器を持たせることを良しとしない気持ちは理解出来る、と頷く
斯く言う男自身も、白兵武器の扱いは素人も同然だ
そんな自分が業物を携えたところで持ち腐れになる事は明白で、実際使用しているのは丈夫さだけが取り柄のロングソードだったり、ショートソードだったりである
「武器がというか、武器も防具も一式
長い事使ってたから経年でね、そろそろ寿命かと思って
……武器に関しちゃ腕が良いって訳じゃねえから、そこそこ頑丈でそこそこ安ければそういうので良いんだけどよ
ああ、悪い悪い 気分を害するつもりは無かったんだ」
女の子が武具屋なんて珍しいから、と眉間に皺を寄せる店主へと詫びる
そう言った反応からも、彼女が見た目相応の年齢である事を確信し、同時に珍しさを改めて認識する
「お詫びになるか分からないけど、良ければ片手剣を見繕って貰いたいんだけど良いかな?
あー……質はそれほど高くなくて良いから、出来るだけ丈夫な奴が良い」
先程から品定めをする様な視線を向けられていた事は感じていた
先の言葉から、男自身が彼女にとって商売をする相手かどうか見定めていたのだろう事は想像に難くない
ならば、その目利きの腕は如何ほどか、と気になって、一つ頼んでみることにした
■ハイディ > 「一式?珍しい買い物ね。
そう言う事なら一式必要になるか…。
丈夫で安いの?それなら表通りでいくらでもあると思うよ。
大丈夫、そういう客は多いし」
男の説明を聞き、一式を求める客などそうはいないので珍しそうにするが理由を聞けば納得し。
確かに気分は害したがよくあることなので怒るようなことはせず。
それに女、若い年齢で店を持つこと自体珍しいのは否定する様子はなく。
「丈夫で質は気にしない片手剣?
あるにはあるけど…表通りの方が安いよ?」
男の注文に、この商品を見てそう言う事をいうことに目を細め。
試されているのかと感じれば、少し待ってと店の奥にと入っていき。
そうして少しして戻ってきて。
「この二本かな」
そう言い二本の長剣、片方は平均的なロングソードの長さ、もう片方は少しショートソードより長い剣。
その二本は刀身は厚く切れ味よりも打撃に扱うようなものであり、丈夫さが売りの攻撃よりも自衛に使いやすいデザインのもの。
これ以上になれば丈夫でも値段が高くなり、安いならこの二本だと提示して。
■ケストレル > 「どうせなら安い中でも少しでも質の良いものを使いたいんでね
表通りだと安かろう悪かろうで泣きを見る事もあるし……
それに、出来る限り知り合いと鉢合わせそうな店は避けときたいのさ」
店主の口ぶりからして、粗悪品を売りつけるという事は絶対に無いだろう確信できた
それに商売をする気が無さそうだとは言え、商品が売れるに越した事は無いだろう
彼女の、物に対してだけでなく、人に対する目利きの次第によっては今後行きつけにするのも悪くは無い
そんな様々な思惑も込みでの注文だったが、深く詮索する事も無く剣を取りに向かった少女を見送って、男は店の外へと目を向ける
建物の狭間から差し込んでいる日差しが、暑さを感じさせる
「……そういや、外は結構暑いけど店の中はそうでもないな?」
剣を手に戻って来た店主へと声を掛けつつ、それぞれを手に取って検める
売り物故に馴染みが無いせいか、握りに違和感を覚えるが調整できる範囲内
刀身の重心も申し分なく、此方の注文通り頑丈そうだ
「安いのも、君直々に見定めて仕入れてるのか?」
■ハイディ > 「安いで品質がいい武器は物好きしか作らないから、最高品質よりも見つけにくいよ?
表通りは安かろう悪かろう、買い替え上等の商売だし。
知り合いと?」
ある意味、魔剣を持ってこいレベルの事を言う男に少し呆れた目を向け。
表通りは商売第一、自分のようなもの好きはまず出店していないという思いもあり。
ただ知り合いに会いたくないには引っかかるも気にせず、誰にでも言いたくないことはあるのだからと。
そしてその無理難題に応える武器はいくつかあり。
その中でも安い物を選んで男に見せて。
「…お金、かけてるから」
快適に過ごせるようにしていると、どういう仕掛けかは言わずにそれだけ告げ。
用意した剣を男が確かめるのを静かに眺め、どうするかの答えを待ち。
「当然、それは知り合いのエルフの鍛冶屋が打った剣。
本人が鉈代わりにするって言ってたのを譲って貰ったものよ」
男の待っていた物と違う答え。
それを聞いては小さく頷き、出所を説明をして買うのかと確認するように見て。
■ケストレル > 「店内の空調に金掛けてるなら尚更儲けた方が良いんじゃないか……?」
ちぐはぐだな、と失笑しつつも、年頃の少女らしい気遣いには感心する
店によっては鍛冶場が併設され、冬でも真夏の暑さを誇る店だってあるくらいだ
惜しむらくは多少店内が暑い方が店主の薄着姿を拝めたかもしれないのにという助平
「うーん……使っていって馴染みそうなのは、こっちかな
よし、こいつを買うよ。エルフが鍛えたってんなら、この値段でも割安なくらいだし」
魔術を主体とする戦法との相性も良さそうだと、満足げに頷いて二振りの内の短い方を示す
陳列されている商品だけでなく、奥に控えさせている在庫も良品揃いとなれば愈々彼女の目利きは本物と認めても良いだろう
加えて異種族の知己もあるとなれば常連になっておいて損は無さそうだ、と判断する
人目に付きづらく、品の質も良く、店主は可愛い(しかもご立派)と男にとってはこの店自体が掘り出し物と言わざるを得なかった
■ハイディ > 「冒険者の時に稼いでるから大丈夫」
男の言葉には蓄えはあるし、売れる時は業物が一つ売れれば元が取れるのでさほど重視していないように答え。
この店はあくまで店なので店舗と倉庫、そして住居しかないので生活環境には気を配っていて、男の望む姿は先ずなく。
「そっち?それならお買い上げでいいね。
物好きなエルフの品だけど、いいものは保証するよ」
出した二本の内、短いほうを買うといった男に品質は保証をして。
店主ではあるが大本は趣味の収集者でもあり、品質を見る目は確か。
問題は気に入った客にしか売らないことが多いだけで。
そして男が買うといった剣の値段、表通りでショートソードを買うよりも僅かに安い値段を告げ。
これでいいね?と確認をして。
■ケストレル > 「へえ、元冒険者だったのか
それとも、冒険者をしてる傍ら武具屋を?」
思わぬ経歴に軽く目を瞠る
それならば武具の目利きが出来ることも、人を選ぶ理由も納得がいくというもの
ははぁ、と感心しきった様子で少女を見直した
「ありがとさん、贔屓にさせて貰うよ
ここで買う方が表通りよりも長い目で見れば得だろうし、何より君みたいな可愛い子が居るってんなら、来ない訳にもいかねえでしょ」
告げられた値段は予想していたよりも安いもので
流石にこの品質でその値段は商売あがったりでは、と思わざるを得ないものの、先の会話を思い出して言及する事は思い留まった
提示された額を快く支払って、せっかくだからともう少し雑談を交わしてから店を後にすることだろう
■ハイディ > 「元、もう引退してる」
もう十分に稼ぎ満足した、なので引退したとさらりと返し。
今はその時の武器の目利きと道楽で店をやっているという状態。
感心している男の様子に首を傾げ。
「修繕は外部委託になるのがいいなら、またどうぞ。
表よりは長持ちは保証するよ。……ナンパは受けてない」
売値は確かに安いが同じような品なら頼めば打ってもらえるので気にしていなく。
代金を受け取れば剣を男にそのまま渡し、ナンパはお断りと返しても雑談には付き合い。
男が去ればまたのんびりと客を待つことにして。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/武具店」からハイディさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/武具店」からケストレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」にグリードさんが現れました。
■グリード > 同族が運営する酒場、昼の狂乱が先ほど終わったようで店の中には人の気配が無く、清掃もすべて終え行き届いた空間には匂いもその名残も無い。
その代わり、宛がったはずの奴隷の姿も消えていたのだから話が違う。
「オイ……お前まさか、又貸ししてねぇだろうな……?」
奴隷を気に入り連れ帰るなんて話はしょっちゅう聞くが、それをいくら同族とはいえ勝手に行うのはご法度。
店の中央にある舞台には先ほどまで使用していたままの磔台や鞭、淫具の類が清掃されたまま置かれていた。
だから、怒りのあまりにカウンターの中へと入りこむとその店主を蹴り倒し、何度も何度も蹴り上げ踏みつけた。
勘弁してくれ、と連れて行った何者かが渡した代金なのだろう、札束をふんだくれば、それだけでは足りぬと店主を店から蹴りだした。
罵詈雑言が聞えた気がしたが自業自得。扉は開いたまま、まずはその店の高そうなボトルをカウンターに何本か置くと、そのままストレートでグラスへ注いでいった。
「ッ──ァーーー。 あぁクソっ。 気分わりぃ。」
気分を害した結果、味もアルコールもわかったものではない。
カウンターの中の椅子に腰を下ろすと、気分が収まるまでその酒瓶の中身を減らし続けるのだろう。
気分よく、酔えないのはそれはそれで、地獄に近しい状態ではあるが。
■グリード > 久しぶりの感覚だった。ここの所順調が過ぎる位に順調であったから、
不用意に相手を信用してしまった。苛立つ手が掴んでいたグラスを床に投げる。
破砕音と共に砕け散る欠片は奥へ飛び散り、途中返った破片が指先を切った。
ぽたり、ぽたりと伝い落ちる血液をそのままに、また別の瓶を掴んでは逆さに煽る。この店の酒を全て飲み干さんばかりの勢い。
けれどそんな無謀な事が出来るはずもなく、赤らんだ顔、酩酊に潤んだ赤色。熱い吐息を吐きながらカウンター内の椅子にぐったりと座りこんでいた。
まるでアル中が荒れた後のような様相、酒と、血の匂いが広がる空間。血の匂いすら甘い、自らの血液が今は憎い。
この欲求を誰かに、なんて考えてしまうけれど、ここまで酩酊してしまえばそんな力も出るわけがなく、
なんとかカウンターに捕まり店のフロアまで出てきたところで、入り口傍のソファ席へ倒れむ、それが精いっぱいだった。
■グリード > ──グオォ……。Zzz
酔いつぶれた悪魔一人。荒れ果てた店の中で眠りに落ちた。
扉も開けっ放しのその酒場が無事元の持ち主の下に戻ったかどうかは、別のお話。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」からグリードさんが去りました。