2025/06/24 のログ
■パニア > 下腹の違和感はどうにも拭い去れぬものの、依頼票の数々を見上げる内に気分は再び上向きに。レイプされた翌日だというのに基本ポジティブなのである。能天気ともいう。
大尻ふりふり右に行ったり左に行ったり、時にぴょんと飛んで上の方の依頼票を手にする時には体操着のたわわが奔放に揺れ撓みもする。
さて、そんな爆乳チビの元、のっそりと大柄な影が近付き声を掛けて来たならば、素人丸出しのぽけらっとした風情で首を巡らせ―――
「デッッッッッ!」
思わず一言。
昨晩ヤられた強姦魔も、さっき目にしたキモノのおじ……おにい、さん? も共に平均を大きく上回る立派なガタイの持ち主だったが、今回声を掛けて来た相手はそれより更にデカくて分厚い。圧が凄い。
とは言え、声掛けは存外紳士的で穏やかであり、精悍な顔に浮かぶのも人好きのする笑顔である。無精髭も個人的に好ましく思う。
しかも聖堂預かり。
" 聖堂預かり " という物を知らぬ田舎者だが、言葉の響きからすればそこらの冒険者よりもよっぽど安心出来そうな気がする。
そんなこんなで秒でだまされ(?)た朴訥娘はこちらもにっこり笑顔で見上げ、差し出された写しを手に取った。
「それはそれはご丁寧にッス。……ふんふんどれどれ」
長駆を曲げて顔を寄せれば、その鼻腔を擽るのは甘酸っぱい柑橘の香り。
実に生々しい汗の匂いではあるものの、若い娘のそれはオスの下腹に熱を生じさせる甘酸っぱさを有している。
その上昨晩、締め切った部屋で一晩抱かれ、ついに果てたその後には無防備な寝顔で全裸男の腕枕でぐっすりすやすやしていたのだ。
ほのかな事後臭までもが嗅ぎ取れるやも。
同年代の少女に比べ、そういったところに無頓着な所のあるパニアであり。
ひとしきり手にした依頼票を眺めた後、くりんっと黒目の上目遣いを向け、元気いっぱい出会ったばかりの大男に返答した。
「ヤるッス!」
■グスタフ > 「お、良いね。即決即断。おじさん、そういうの好きだなぁ」
元気のいい即決具合ににっこりと、いきなりの一言は不問に処す。
しかし良い匂いだ。少女特有の香りと、淫靡な匂いが混じっている。
間違いなく女として一晩過ごした香りと嗅ぎ取った。
服の下でググっと持ち上がる陰茎を抑えつけ。
「そういうわけで、依頼取り下げておいてくれ。この娘借りるからな」
受付嬢に言い放つと、彼女の背中を軽く叩いて。軽く肩を掴んで歩き出す。
現地までは一日以上かかる、つまりこれから数日は男と共に一緒にいることになることを彼女は気付いているだろうか。
「現地までの諸費用は勿論、俺が持ってやるからな。それじゃ行こうか」
■パニア > 「いやぁ、おじさん、なんだかいい人っぽいし、見るからに強そうッスからね。そんな人との依頼なら、新米のうちでも安心して受けられそうッス!」
てへへとはにかみ笑うチビは、上から見下ろす大男の瞳に体操着の襟から覗く暴力的なまでの乳谷を見せつけている事にも気付いていない。
当然、事後のエロ臭まできっちり嗅がれているなんて事も同様に。
そうして昨夜の教訓を全く活かせていない無防備娘は、受付嬢にも満面の笑顔で「いってきまぁすッス♪」などと手を振って、てくてくとこと男の後についていく。
「おお、太っ腹ッス! お世話になるッス! そんで、これから行くトコどこでしたっけ? オーク退治ッスよね? うち、オークと戦うのはじめってッス。どきどきするッス!」
その後姿を見送る受付嬢が「あちゃー」って顔で頭を抱えている事に、この小娘は最後まで気付かなかった。
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」からグスタフさんが去りました。
■パニア > 【部屋移動します!】
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」からパニアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」にグリードさんが現れました。
■グリード > 昼過ぎから空いている酒場に碌な場所等ない。食い詰め者相手の商売か、或いは暗部の商売か。
そんなパッと見普通の酒場の入り口付近にあるカウンターへ腰を下ろして度数の強い酒をチビチビと啜る男の姿。
縦長な作りのその酒場は奥に行けば行くほど広く……。
「今日もまぁお盛んだな。 ……ハマると止められねぇからなぁ」
女性連れの客、女性のみの客、男客、昼間だというのにそこそこの人数が吸い込まれて行った。
ただでさえ薄暗い店内、奥を覗き込んでも見えるものではなく。
ただマスターへと渡した薬草を煎じ混ぜたものの甘い香りが位置口付近にまで香っていた。
お世辞にも合法と呼べない代物。素材だけでいえばただの薬草だが、何事も摂取量と、組み合わせ。
店主の上機嫌な様子と、酒と共に供された革袋には、依頼量を差し引いても余りある額の硬貨。毎度、と軽くグラスを掲げては狭い入り口の扉から見える外の通行人を眺めていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」に枢樹雨さんが現れました。
■枢樹雨 > 貴方の眺める扉に、黒い靄がじわりとにじみ出るように映ったのは不意のこと。
その靄は徐々に色濃くなり、そして霧散する。
それはほんの数秒の出来事。
魔に属するものであれば、其処に魔力が渦巻いた事実に気が付くだろうか。
次の瞬間、酒場の扉が開かれる。
扉を押し開いたのは、異国の衣装身に纏う者。
白木で作られた履物で酒場の床を踏み、一瞬立ち止まる。
スン…と鼻を鳴らし、長い前髪の下からゆっくりと店内を眺める。
視線が留まったのは、カウンター向こうで上機嫌な様子の店主。
傍にいる貴方にも一瞬視線を向けた後、真っ直ぐに店主の前へと歩いていって。
「これ。…此処に運ぶようにって。」
淡々と抑揚のない声音。
薬草でも入っているのか、あまり重さを感じさせない紙袋をカウンターへと置き、それに添えられている手紙を店主へ渡す。
店内に漂う甘い香りが気になるのか、紙袋から解放された手を己の鼻先に寄せ、匂いを避けるような仕草を見せて。
「受領の証に名前書いて。」
手紙と一緒に店主の手に託した小さなカード。
其処へサインを求めるのは、この荷運びが他者の依頼が故。
事前に連絡はあったのだろう。店主も勝手知ったる様子でカードにサインを認めるが、この店が初めてとなる己に対しては物珍し気な視線を送っており。
■グリード > 強い酒精、甘ったるい媚香に混じる独特の違和感。それ、と断じる事が出来ないのはその性質が異なるからだろう。
とはいえ場が場であれば何者が、何をしていても不思議でない場所。琥珀色のそれにまた口を付けながら、また意識を酒へと戻すものの。
開いた扉から見えた姿は異国情緒溢れるそれ、その視線が己へと一瞥向けられたのを感じれば軽くグラスを掲げて見せよう。
そして、「あぁ」と違和感の正体を知る。
「…………マスター?」
己のそばを通り過ぎるその紙袋から覗いたのは、おそらく己が納入したものと同種のそれ。
加工済みでは高い、ならば自作してしまえばいいという発想は当然であるが、今はタイミングが悪かった。
とりあえず、女性が採取した物ではない、それは態々受領書をもらう事で察しは付く。
そして店主の視線が、物珍しそうに向けられていれば刺して親しい仲という事でもないのだろう。
ならば、店主への嫌がらせにすることは一つ。
新しく、己が飲む物と同じ、ロックグラスに氷が一つ。そして満たされる琥珀色を己の隣の席へと置かせ。
「お疲れだ姉さん、一杯やるといい。」
商売の不義理がバレた後、その相手を引き留めて飲ませようとするのだから、店主からすれば気まずいにも程があるだろう。
だから、口角の吊り上がった意地の悪い笑みが、運び屋と店主に向けられていた。
甘い香りも、吸い過ぎなければ影響は然程、それでも長く吸い込む事となれば多少なり身体へ甘い疼きと刺激を生み出すだろうが……。
■枢樹雨 > それは随分と遠方からの荷物の輸送依頼だった。
興味本位で受けてみたその依頼は、霊体となって飛び回れる己にとっては至極簡単なもの。
それ故に、依頼主たる店主からすれば予想を大きく上回る速度で荷が届いたのだろう。
その結果の、現状。
己によってもたらされた気まずさ。何とも言えない空気感。
それを察するには、情報も情緒も妖怪には足りていない。
だからこそ平然と、場の空気にも、店がもつ雰囲気にも呑まれることなく、静かにサインを待っている。
強いて言えば、先ほど一瞬重なった赤の瞳と嗅ぎなれない匂いが気になるくらい。
少ししてカードに受領の証が認められれば、それを細い指で受け取る。
そして踵を返そうとしたところ、己へと向けられる言葉に足が止まり。
「……私?…これ、お酒?」
姉さん。それは妖怪にとってはあまり呼びなれない呼称。
それを放った相手を見遣れば、再び赤い瞳と視線が交わる。
そうしてその男が示すグラスに視線落とせば、涼やかな氷と透き通る琥珀に興味を示す。
どこか浮世離れした雰囲気纏う妖怪は、己の好奇心向くままに貴方の隣の席に腰を落ち着け、甘い香り遮っていた手でグラスを持ち上げ。
「お酒、好き。…くれるの?」
好きなものは好き。とはいえ対価が必要であることは知っている。
少し首を傾いで問いかければ、長い前髪の隙間から蒼の瞳がのぞいて貴方を見上げ。
■グリード > 居た堪れない空気感。ただそれを女性へと向けないのは善意の第三者だと知れるから。
その代わりに店主には大いに針の筵になってもらおう。
男から対価を要求する事もなくサインを終えるとそそくさと酒を造り始めた。
「マスターが奢ってくれるってよ。お使いの駄賃みたいなもんだから気にしなくていい。」
なっ!、と店主へ向ける出される酒は本来不慣れならば発泡性の水や甘い水等で割る類の物。
この酒場でもそれなりに高価な部類に含まれるそれは口をつければ蜂蜜を感じさせるような香りと甘さを持つ物で。
隣へと座るまでに数度重なる視線。その赤は真っ直ぐに己と相反する色味のそれを見つめ返した。
淫魔の視線はそれだけでも、多少なり催淫の効果はあろうが、今は酒が好きという相手へそれを促そう。
「結構いい奴だから、香りも味も、風味も楽しむと強い。氷が解けて味も変わるからな。」
自らのグラスはほぼ氷のみになった所で、視線を相手へと向けたまま眺める。
本来初見の女性に勧めるには強すぎる酒、所謂女性を酔わせ堕とす常套手段にしても、高い。だからこそ店主もあきれ顔を向けていた。
■枢樹雨 > 数度、重なった視線。前髪の隙間から見つけた赤。
感じる違和感はほんの僅か。それが示すは人の子とは異なる何かであるということ。
しかし肉体を得てやっと1年と数ヶ月。違和感に確信を持つことはできず、かつ確信を今は必要としない。
対価不要。その事実確認にのみ満足気にひとつ頷けば、貴方の隣の席により深く腰掛け。
「それなら、いただきます。」
酒を飲むならばアテと共に。そんな感覚は培われてはおらず、両手を添えたグラスを口元へと寄せる。
カラリと氷がグラスを鳴らし、琥珀が薄い唇を湿らせ喉へと落ちていく。
グラスから伝わる冷たさに、鼻を抜ける洋酒の香り。
強い酒精が喉を刺激するも、品の良い蜂蜜の甘さが舌の奥から刺激を和らげる。
僅かなひと口。そしてグラスを唇から離すことなく、もうひと口。
着物の袖が滑り、華奢な手首を覗かせる中、蒼の双眸を細め。
「……美味しい。麦酒みたいにぱちぱちしなくて、好き。」
酒好きではあるが、まだまだ種類を知らぬ妖怪。
図らずも上等なものに出会わせてもらったとも気が付かず、拙い感想を淡々と述べる。
一度グラスをカウンターへと置けば、酒精含む吐息をそっと零し、傍らの貴方を見遣り。
「君は、店の人?」
それは素朴な疑問。店主との水面下のやり取りに気づかぬまま、親しい間柄と感じたが故の問いかけ。
左手はグラスに添えられたまま、指先が無意識にグラスのふちをなぞる。
そうする間も鼻腔から、唇から、体内へと入り込む甘い香り。
僅かに頭が揺らげば、鬼角隠す白絹もまた揺れて。
■グリード > 明らかに飲みが不慣れであるのは、飲み方一つで知れる事。
勿論酒の数だけ飲み方があるのだから不思議な事ではないのだが、
酒飲みとしては飲みっぷりのいい相手に好感を得ないはずがなく。
「……だろ?何年も樽で寝かせた上物だからな。」
良い酒を褒められるのは勧めた側も誇らしくなる。機嫌良さそうに双眸を細め自らも別の何かを、と思案していたところ
掛けられた問いかけには一度視線を店主へと向けてから、ニィ、と口角を吊り上げた。
「俺は、ここへ香を納入してるただの、しがない業者だ。 まぁ、だった。が正解になるかもしれないけどな。」
軽く鼻を鳴らす。今香っているこの甘い香りの作成者と。示すように。
そして男の言葉に「勘弁してください」と割り込む店主が、双方のグラスへとまた同じものを注ぎ追加する。
「この香りは気分を良く、身体も熱く。敏感にする類のもんでな。
酒と併せると効果は覿面。香と酒に酔って身体を重ねるのに嵌った奴が来るってわけだ。」
知らず知らず、彼女が運んだのはその香になる大本。勿論それ一つ一つはただの薬草に過ぎないわけだから問題ない物だけれど。
揺れる頭部に気づけば小さく含んだ笑いを零し。
「こうやって、何も知らない女を絡め取ったり、直接吸わせて発情させたり。まぁ、色々出来るわけだ。」
それ本体に依存性はないのだが──羽目を外した行為にはそれを伴う。なんとも質の悪い。
■枢樹雨 > 己のよく知る国で主流だった、米の酒。
この国ではあまり出回らない、その酒と酷似するものを特段好む妖怪は、割りの文化にいささか不慣れ。
本来であれば少しずつ、少しずつ、氷溶け行く変化も楽しみながらに嗜むべき酒を、幾分か多めのひと口で飲み下してしまう。
喉への強い刺激は熱となり、酒精と共に鼻の奥から頭へと登っていく感覚。
とはいえ味は良いのだから、手放すには至らない。
樽で寝かせたと聞けばグラスに鼻先を寄せ、スンと香りを嗅いでみる。
其処に樽の残り香を探すように。
「…だった?」
それ即ち過去形。
酒場か、貴方の仕事か、どちらかが今日で店じまいでもするのかと、そんな安直な疑問に首を傾げるのだが、つい先ほどまでより頭が重い。
思った以上に頭が傾けば、グラスに触れていた手を咄嗟にカウンターテーブルへと置き、上肢を支える。
そうするままに聞く、貴方の言葉。
好みとは言えない甘ったるい香り。それの意味。
蒼の双眸がじぃ…と貴方を見つめるまま、じわりじわり、その蒼を濡らしていき。
「媚毒の…類?……人の子は、どこでも変わらないね。」
世情に疎い妖怪も、貴方の言葉を聞けば状況を知るには十分。
元来低すぎるほどの体温が、徐々に上がっていく感覚。短く息を吐きだせば、それもまた熱っぽい。
仄暗い蒼に張る水の膜は、悔しさによるものでも悲しみによるものでもなく、生理的なそれ。
淡々と紡ぐ声音は変わらないが、ほんの僅か、口角が持ち上がり。
「君は?…もうこの香りに、順応してしまったの?」
グラスに冷やされた指先が、貴方の頬へと伸びる。
触れること叶えば結露で線を描くように貴方の頬を中指でなぞり、問いかける。
己の中から湧き出て仕方ない熱を、貴方も持っているのかと。
■グリード > 「ん……まぁ今日はこの姉さんにッ感謝するこった。
今後相談無くこういうことをしたら…… 本当に終わるぞ、マスター。」
今日はとりあえす、このいい飲みっぷりの運び屋と、良い酒に免じて許すことにしたよう。
いくら甘いとはいえ普通の酒のみなら酒精の強さに二の足を踏む。それを気持ちよく飲み干したのだから。
グラスの香りを嗅ぐ様子、甘い媚香に邪魔されながらも焦がされた樽の子おばしい香りは幾許か残る。
その身体が傾ぎ問いかけてくる蒼、カウンターの椅子を回し正面を向くように座りなおせば。
熱を持ち始めた吐息、生理的に溢れる水の膜に、効能を確認できたという意味でも満足げな笑みを。
「濃い毒に薄い毒は影響しない。ってな所だな。」
正面を向いた事で、その指先が容易に頬へと届く。
それを受け入れ、なぞる指先へ頬を寄せてその熱を伝えたかと思えば、そのまま頬から唇へとずらす様顔を傾け
ちゅ、とその指先を吸い上げた。そのまま舌先が伸びて触れた唾液がちりちりと指先を熱く刺激するのは、体温と、男の体液そのものが淫魔のそれ故。
「不用意に触れたら、もっと毒されるぞ?」
そう赤い瞳が細められ膜に濡れた蒼を見つめる。男がその気になった証左でもある紅色に薄く光るそれはより媚毒の効果を高めよう。
細い手首の覗く着物の裾から、そっと男も指先を触れさせるとその腕を取り己へと引き寄せよう。
酒場の入り口というまだオープンな空間にも関わらず、己の膝の上へ抱き寄せようとするように。
■枢樹雨 > 素面で聞いていたなら、貴方と店主のやり取りに不穏な気配のひとつやふたつ感じられただろう。
しかし今は、別の事へと意識が過敏になっている。
口内に残る品の良い酒精。それが伴う香りと心地良い刺激。
嗅覚を少しずつ支配するようにして脳を焦がす、甘ったるい香り。
遠くにある樽の香ばしさはもう感じられない。
伸ばした指、頬に触れる指先に、知らず全神経が集中する。
常ならばひやりと冷たい己の指先は、必要以上に他者の体温を感じるはず。
けれど今は己の熱と貴方の体温とが交わり、すぐさま溶けてしまうような感覚を覚えてしまう。
その結果、妖怪の身体はさらに熱を持ち。
「濃い、毒。……やっぱり君は、っ」
媚毒であることへの否定はない。代わりに、それ以上の毒があると、貴方が言う。
それが違和感の正体なのかと、水の膜を張る瞳で毒たる貴方を見つめるが、指先に触れる唇の、その奥から覗く舌の感触に咄嗟に息を詰める。
同時に震える指先。けれど貴方へ伸ばされた左手は引き戻されることなく、指先からの甘い痺れに欲が滲み。
「毒を食らわば皿まで…という、言葉が、ある、」
それは生まれた国のことわざ。
徐々に息を上げながらにそう応えると、袖に隠れた真白の肌に触れる指にもまた、小さく震える。
それが恐怖から来る震えでないことは一目瞭然か。
引き寄せられるまま貴方にしな垂れかかり、その腕力に任せせて膝の上に身を預ければ、より近くなった貴方の瞳を真っ直ぐに見つめる。
その赤に囚われてしまったかのように。
■枢樹雨 > [ 部屋移動 ]
■グリード > 【場所移動します】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」からグリードさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」から枢樹雨さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリルアさんが現れました。
■リルア > 「うわぁ……これ、めちゃくちゃ報酬良いのに…」
取られたか~と冒険者ギルドのカウンターでくやしがる少女の姿。
パッと見、ありふれた町娘のようにしか見えない恰好をしているが……これでもギルドに登録を済ませた冒険者の一人である。
とはいえ、学生生活と二足の草鞋を履いているのでこうして訪れるのはそう頻繁でもない。
なので今日のように、報酬良好な依頼を他の人に奪われてしまうことも割とある。
「はぁ………ま、もう無いもんはしょうがない…」
諦めるか… そんな溜息と共に、他のリストにざっと目を通す。
悪くないものもあるが、討伐など一人では流石にこなせなさそうなモノもあり、簡単なものだが報酬イマイチなモノもあり。
そんなこんなで決めきれず、今はギルドの隅でひとり敗北の余韻に浸っている──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリルアさんが去りました。