2025/06/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にゼランさんが現れました。
ゼラン > 「ごきげんよう。依頼を出したいのです。」

平民地区の冒険者ギルドにやってきた、いかにも貴公子然とした男は、受付嬢に微笑みかけ、事前に用意してきた書状を差し出す。

「ゾス村の北、タナール砦の北西部に古代の薬草園跡があるという情報を掴みました。ついては調査に向かいたいのですが、なにぶん魔族の国の境に近い。ですので、腕の立つ護衛を」

言葉を切った後、男は半身振り返り、周囲にも聞こえるよう声を張る。

「優秀な方を雇いたい。基本報酬は5000ゴルド。その他、専門技能の有無や、当地での活躍に応じて増額を考えています。……悪い話では、ないと思いますが?」

最後の言葉は受付嬢に。依頼が受理されたことを確認した後、ギルド一階に併設された酒場の椅子に腰かける。しばらくは留まり、これはという人物がいれば直に声をかけようかと。

ゼラン > さすがに依頼を出したその日に人が見つかるというのは都合が良すぎたか。潮時と見た男は席を立つ。

「では、よしなに」

そう言いおいて、冒険者ギルドを後にするのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からゼランさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 術酒の酒場」にルーベルさんが現れました。
ルーベル > 富裕地区にもほど近い、平民地区の裏路地。
ひっそりと目立たぬよう看板の出ている酒場は入り口は簡素。

中に入っても、表の様子からすればやや上等な内装であるくらいで他の酒場と変わりはない。
その実、密やかに強い薬効のある飲み物を提供しており、普通の酒で酔う者に混じって、その飲み物を愉しんでいる者たちがいる。

何も知らずに入り込んだ者の中で、常連や従業員に目を付けられた者はその一見薫り高い蒸留酒のような酒精香る飲み物を薦められ、その効果で深い酩酊、微睡みのような姿を晒しては食い物にされることもある。

その酒は魔力を溶け込ませた術効交じる魔法酒とでもいうような代物。

薬効染みた効果を液体に魔力込めて発動させるそれは、うまくその術効を中和しながら飲めばそれこそ美味な酒になるという捻くれた代物で、その術式も巧みに隠されている。

術式そのものも度々組み替えられるので、魔術、魔法に造詣深いものはそちらの解析を楽しみに訪れることすらあり。
魔導士貴族は酒精もながら、解析目的に時折訪れている一人。

バーテンの隣からにやにやこちらを眺める、隠居魔術師が仕込みの主で酒場のオーナー。

「ふぅむ、うむ。美味いのぅ…」

その日は解析も上手くゆき、オーナーの少々悔しそうな顔を眺めながらの美酒に酔っていた。

店内は寂れた入口からは想像できないほど賑わい、あちらこちらで酔いつぶれ誰ぞの獲物になりそうなもの、逆にカモを目聡く探す者。術酒を知って楽しむ者、知らず楽しむ者、普通の酒精に酔う者など様々なもので席は埋まる。

魔導師貴族もまた、気分良いまま何ぞ楽し気なことでも起きていないかと店内に視線巡らせてゆき。