2025/06/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏酒場」にアードルフさんが現れました。
アードルフ > ──カランコロン

小気味の良いカウベルの音と共に扉が閉まる。
ドアの外に小さな看板と共につけられたそれが開店の合図。

とはいえ店の前で開店を待つような繁盛店でも無いが故に、自分のために開けたようなもの。
カウンターに予め用意したナッツの類と炭酸で割った琥珀色。大きな氷が一つ浮かぶ。
店に流れる曲は、もう随分と古い弦楽器のソロ。今時の若い物には知る事すら稀だろうそれが耳の邪魔にならない程度に。

もし、気紛れに初見でこの酒場に訪れたなら、ぱっと見男その物も客のそれ。
路地裏が賑わい、酒場としても賑やかになるのは、まだ随分と先の話。

アードルフ > 何杯目かのグラスを開けて。そのまま店を閉めて街へ出る。今日は、そんな気分。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 路地裏酒場」からアードルフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルイーズさんが現れました。
ルイーズ > 平民地区の大通り、店と店の間の路地の手前。
そんな場所に敷物を敷いての小さな露店。
その露店の店主は小柄な姿でフード付きのマントを纏い、極力姿をさらさないようにしては声を上げて。

「いらっしゃいッスよー。酔い覚ましに傷薬まで何でもあるッス」

人が行き交えばそう声をかけて客を引き、スルーされれば気にせず次に。
声をかけた相手が足を止めて商品を見れば、熱心な売り込み。
そして売れたならおまけを付け、冷やかしでも笑顔で見送って。

「ありがとうッスよ。またのお越しをですよー」

そう見送っては大きな息を吐き、一息つき。
そうして少し休めば行き交う人にまた声をかけていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にキルトさんが現れました。
キルト > 街をぶらついていると聞こえてくる、多種多様な呼び込み。
その中の一つ、薬というフレーズが耳に留まりそちらへ足を向ける。

「なになに? 薬屋さん?」

見れば露天で、それはいいのだが威勢のよい呼び込みに反して店主の格好が怪しげだった。
素性を隠したがる露天商なんて基本的に相手をするべきではないのだが、顔まで隠している訳でもないし。
まあ、薬屋とか錬金術師っぽくは見えるか? と思いつつ、当たり障りのない笑顔を浮かべて。

「薬屋さんなら日焼け止めとかある? ベタつかないのとか匂いのないやつあると助かるんだけどなー」

多少怪しいが、そんなリスクすら避けていては退屈なだけだ。
そろそろ日焼け止めのストックを買い足しておきたかったし、安く買えるならここでもいいかなと思い店主へ話しかける。

ルイーズ > 「いらっしゃいッスよー。
一応は薬屋ッスね。他にも使い捨ての魔石とか発光石とかありますよー」

人が通れば声をかけ、足を止めてくれた男性に明るい声でいらっしゃいと。
そして薬以外にも少しは商品があることをアピールし、何か買ってくれるのかと見上げて。

「日焼け止めッスか?べたつかないので匂いのないのッスね」

男性の言葉に確か作ったはずと置かれている瓶を手にして中身を確認し。
これは傷薬、こっちは調味料と違うものを除けていき。
そしていくつかの瓶、白っぽい液体の入った物を並べ。

「うちにある日焼け止めはこの辺ッス。一応、全部べたつかないで匂いもしないっス。
けど…これは汗をかくと取れちゃって、こっちはちょっと厚く塗らないとダメなんすよー」

それぞれの瓶の日焼け止め、それはどういうものかと説明をしていく。

キルト > 「へえ魔石。錬金術師とか?」

先ほど思い浮かんだ印象を口に出しつつ、出された瓶を開けて匂いを嗅いでみる。
確かに気になるような匂いはしない。

「汗で落ちるのは微妙かなぁ。厚塗りぐらいは別にいいけど、ちょっと試しに塗ってみてもいい?」

瓶を店主に返しながら、試用の催促。
初めて見る露天商で言われるままに買う程迂闊ではない。
とはいえ、本当に警戒するなら匂いを嗅ぐのもあまり良くないのだが。
密室ならともかく、この往来でならよっぽどの事はないだろうし。
それはそれとして、素肌に塗った時の安全性ぐらいは確認しておきたいところ。

ルイーズ > 「冒険者ッスよー。ちょっと掘れる場所を知ってるだけですからー」

冒険者の傍らでやっているいくつかの副業。
この露店も、扱っている薬もそれではあるが簡単な物しか作れないので錬金術師ではないと首を振り。
男性が瓶を手にすれば、どうぞどうぞ、と確認を勧めて。

「落ちにくくするとべたついたり、材料が変わったりするッスから。
お試しッスか?いいっすよー」

瓶を受け取れば、配合が難しいと説明し。
試用を催促されると、二つ返事で構わないと返す。
作ったものは自分で試してはいるが、それでも合わない人はいる時は居る。
なので後で文句を言われるよりは先に試して貰うほうが自分としても大助かり。
厚塗りの方の瓶を男性に手渡して、やっちゃってください、と笑い。
試用すればべたつきも匂いもないのだが、多少肌に触れる感触がざらつくように感じるかもしれずで。

キルト > 「なら同業者かー。まあ副業とか多いもんねこの稼業」

不安定かつ危険もつきまとう都合上、冒険者専従というのは案外難しいものだ。
冒険者ギルドとは関係のないこまごまとした仕事は自分も請け負うし、相手の素性が少し分かればなるほど頷きながら。

「じゃあ店主さんが塗ってくれる? 場所は左肩でいいかな。あと店主さんも自分に塗ってくれると安心かなぁ。変なもの掴まされたりしたら怖いし」

瓶を指で摘みながら、自分の手では塗ろうとせず。
笑顔は崩さないものの、目つきは鋭く相手を見据えている。
警戒し過ぎや臆病と言うなかれ。
無差別に毒薬をバラまくテロじみた攻撃に巻き込まれないという保証はないのだから。
よっぽど、そんな可能性は低いというのも分かっているが警戒しすぎは性分のようなものである。

「ごめんねぇ疑り深いものでさ。冒険者なら、そういう警戒する気持ちわかるでしょ? ああ、でもモノが良ければちゃんと買うから安心してね」

怪しいから疑うというより安心がほしいというアピールをしながら、再び店主へ向かって瓶を突き返した。

ルイーズ > 「同業ッスか。冒険者だけで稼ぐのは大変ですからねー」

唯でさえ低難易度の依頼をメインで受けているので副業をしないと生活は厳しく。
その結果色々とできるようになったと笑ってしまい、時々は冒険者よりも稼ぎが出ると話して。

「私がッスか?それは別にいいですよー。変な物は置かないっすよ」

男性の言葉に頬を膨らませるが、怪しい露店は確かに多い。
笑顔ではあるが鋭い視線に、どこかで変なものを攫まされたのかと考えると仕方なく思い。

「それが普通ッスよ。変なものを買わされても困りますからねー」

それはよく分かると何度も頷けば返された瓶を受け取り。
そして蓋を開けて中の液体を手に出して先ずは自分の腕に塗っていき。
それが終われば男性に「塗っていきますよー」と告げて小量を男性の左肩に塗っていき。
べたつきや匂いはないが、多少のざらついた感触を感じさせ。

「痛みや痒みはないッスか?」

瓶に蓋をして置いては男性に問いかけ、その間に自分の腕に塗った日焼け止めをしっかりと伸ばしていく。

キルト > 塗られた跡に触ってみたり、感触を確かめる。
塗った瞬間のざらつきには違和感があるものの、すぐ気にならなくなり。

「ざらつき以外は特に変な感じもないね。ごめんね疑って」

疑り深いのは仕方ないと思いつつも、疑いを向けられて良い気がしない事も分かっている。
自分の肌に塗っているのも確認したし、これ以上は失礼なだけだ。
警戒を解いて、今度は自然な笑みを浮かべる。

「じゃ約束したし一つは今買っちゃおうかな。といっても、暫く使ってみないと効果の方は分からないし。良さそうならまた買い足したいから会えそうなところ教えてよ。露天でもギルドでもいいし」

疑っていた態度から一転して、今度は気安く距離を詰めていく。

「あ、ちなみにボクはキルトね。見ての通り、で分かるか知らないけど斥候。力仕事は苦手だけど脚には自信があるよ」

と言いながらよく発達した太ももをポンポンと叩いてみせた。

ルイーズ > 自分では気にならない感触ではあるが、人によっては気になるもの。
男性はどうなのだろうと様子を伺い。

「それはよかったッス。疑うのは仕方ないですよー」7

店ではなく露店なら仕方がない、むしろ変な文句を付けられていないので全く気にもしていなく。
警戒を解いたような笑みに変わらずの笑顔を返して。

「毎度ありっスよ。効果があってまた買って貰えるなら嬉しいッスから。私は大体この辺で露店をやってるか、冒険者ギルドで仕事を探してるッスね」

後は時々に街道まで出て、乗合馬車の停留所の清掃もやっていると話し。
先ほどとは違う距離の詰め方に少し驚くが、邪なものがないので気にせず。

「キルトッスね。私はルイーズですよ。魔法使いッスね」

露出の多い格好なので冒険者と聞いてはいたが、何をやっているかが判りにくかったが、
斥候と聞き太ももを叩く仕草に走るのが速そうだという感想。
そして名前を聞いて自分も名乗れば、魔法使いだと明かして。

キルト > 「確かに、その格好すごくそれっぽいもんね」

ポーチから代金を取り出しルイーズへ渡しながら、言われてみればと頷いて。
薬とか錬金術師という先入観が最初にあったが、かなり分かりやすくこの格好は魔法使いだった。
とはいえ錬金術師との明確な区別もあんまりついていないけれど。

「ボクはこの格好だから、日焼け止めがないと焼き跡つきすぎちゃってさあ。これからの季節は手放せないんだよね」

ルイーズのようにローブとかフードをかぶってもいいし、そういう同業者も割と見かけるのだが。
身軽さ優先という事であんまり着込みたくないという心理もあり、日焼け止めのお世話になる事は多い。
それから自分もよく滞在している冒険者ギルドをルイーズへ教えて。

「今日はありがとね。いい感じだったらいくつか買い込むから、その時は割引してほしいなー、なんて」

そう冗談めかして言いながら、手を振って露天の前から立ち去ってくのであった。

ルイーズ > 「そうッスか?そうかもしれないですねー」

普段からこの格好なので、凄くそれっぽいと言われるとそうかなと思ってしまい。
先入観があったなら間違ってしまうのも仕方ないと。

「その恰好はすごく焼けそうッスよね。よく効いたらまた買ってほしいですよ。その時は沢山用意しておくッス」

露出が多い恰好は何か意味があるのだろうと考えて、自分のようにローブを勧めたりはせず。
その恰好はそれぞれに意味があること、ならその恰好をするに問題を省けるものを用意できるのは嬉しいことでもあって。
そして男性から滞在しているギルドを聞けば、今度顔を出してみると告げて。

「こっちこそお買い上げありがとうですよー。その時は割引させてもらうッスよ」

その冗談に、いいですよと笑顔で返し。
去っていくのを見送れば、また客引きに戻って。