2025/06/06 のログ
ルゥナ > 走って逃げる依頼、なんてものがあると丁度いいのかもと思ったのだけれど。
重たい荷物や大き過ぎる荷物などあったら無理でした、と。思いつきかけたのに上手くおすすめできなかったのが少し残念、と目を伏せて。
それでも、相手がなんだか笑ってくれているようだったから、何か他に探してみましょう!とすぐに元気を取り戻し。

「なるほどですねぇ、身軽さを活かしたいと言うことなのですね。であれば最初にお伝えしたものの方がずっと良さそう。
 ――屋根に登ったり、塀を超えたりとか……は、ううん、ありそうですけど、ここよりそういうギルドさんの方でしょうし」

忍び込む、と言う姿が頭に浮かんだけれど。それは扱いがもっと地下的な違うギルドの方、と思うに至り、その方向もちょっとダメですねぇ、なんて首を傾げて。
そんな間に何だか褒められているから、あら、と笑顔になり。

「あら、そうです? ふふふ、私……お話を聞くのは好きなんですよ。どんな人が、どんな風に旅をしたり冒険したりとか――普通に街で過ごす人達でも、みんなその日の生き方が違うんですもの。
 あ、でも話し込みすぎて肝心のお仕事がなかなか進まなかったりしますから。お仕事だけきっちりする人も、ちゃんと必要なんです」

そういう人の方が、ぴったりな依頼をもっとサッと紹介できるかもしれません、なんて。
私はお話するのを楽しみすぎてしまうんですよねぇ、なんて笑いながら、何故か無意味にくるくるとそのばで数度回っている。
モテるかどうか、の所はそれでなんだか誤魔化されたような。

キルト > 「そうなんだよねぇ。ボクってどうにも冒険者としては中途半端っていうか、ソッチ系の仕事が巡って来がちで」

そういうギルド、というルゥナの言葉にうんうんと頷く。
技能が技能だけにシーフ的な扱いをされがちだが、一応別物だ。

「それじゃせっかく選んでくれたし、最初に紹介してくれた採取依頼を受けようかな。あ、お姉さん名前は? ボクはキルト。帰ってきたら早速話しを聞いてよ」

ちょっと際どい事を聞いてしまった自覚もあるので、有耶無耶に誤魔化してくれたのなら好都合。
でもそういう可愛らしい仕草で誤魔化すと、余計に熱を上げるファンとか出てきそうだなと余計な心配をしてみたり。
それよりも純粋に可愛らしいほわほわした雰囲気が好ましく、変な下心なしに友達になりたいなあとそっち方面で少し距離を詰めてみる。

ルゥナ > 「ふむふむ……あ、それで普通に斥候募集中のパーティが欲しい、って言ってたわけですね」

シーフ系技能者、はやはり信頼度も大切だろうから、新米同士などであればともかくも、なかなか後から入るのは難しいかもしれませんね、なんて考えて。
急募、となると……それは、前メンバーの人が痛ましいことになったのでしょうからあまり想像したくない。

「あ、はい、では最初の依頼ですねぇ。あれは確か……依頼人へ直接届けるのでも、ギルドへ持って返ってくるのでも大丈夫ですね。急ぎで報酬を受け取りたいなら直接が早いですけど。
 でも、そうですね、せっかく冒険なさるのなら道中のお話、聞きたいですし。私個人としてはキルトさんもこちらへ報告に帰って来てもらえる方が嬉しいかも。
 ――その時私が居るとも限らないんですけどね。ルゥナさん居ますかぁって聞いてもらえたら外出中なのかそもそも居ない日なのか、ぐらいは誰か分かるでしょう、たぶん」

なぜか……正確な彼女の行動パターンを誰も把握していない。そういうものなのだ、で何故か皆納得しているのだが。
詳しい事は誰も知らない、でも聞けば名前ぐらいはちゃんと教えてくれて。お話相手が増える、の意味では彼女も素直に嬉しいのだろう。
にこにこしながら、あ、ちゃんと無茶せず無事に帰ってこないとダメですよぅ?なんて念を押すように顔を傾けて。

キルト > 「そういう事ならこっちに戻ってこようかな。その日会えたらラッキーって事だね」

深入りされるは避けているような印象を受けたが、このぐらいの約束ならOKのようだ。
もし本気で狙ってる人がいたら苦労するだろうなあ、というより既にいそうだなと、勝手に見ず知らずの人間を気の毒に思ってしまう。

「心配してくれてありがと。でも自信と油断の区別がつかないような新米とは違うから、大丈夫だよ」

と、今度はあまり太くない二の腕とパンと叩く。
それにしても、何をするにも仕草が可愛い。
自分も容姿の魅力を理解していて通用する相手には利用するものだけれど、この子はどこまで計算なんだろうか。
それでいて深入りは拒むような空気を出しているし、色々と気になる女の子だ。

「それじゃ早速準備してこようかな。ああ、流石にこんな格好で出発はしないから安心してね」

冗談めかして笑いながらギルドのドアへ足を向け、ルゥナへ手を振る。
確かにただ仕事を斡旋するだけにしては無駄が多いが、おかげでやる気と張り合いが出た。

ルゥナ > 「はい、ちゃんと帰ってこないとそもそも会うに会えなくなりますからねっ」

意識してそうしていると言うわけではないのだろうけど、無事に帰ってくるように念を押されれば、よしちゃんと生き残ってこなければ、と思う冒険者もそれなりに多いはずで。
それで生存率が少しでも上がっているのであれば、彼女が単にお話するのが好き、と言うのも結果的に意味はあるのかもしれず。
幾人かは、それ以上を狙って気の毒なことになってもいそうだが、単に彼女のおかえりなさいが聞きたいだけ、と言うピュアな面々も多かったりするのだろう。

「そうですね、油断が一番ダメです。予想外の事態、と言うのはえてして起きるものですから!
 ……あ、実はその格好で冒険しているのかと思っていました、ふふふ」

油断大敵、と真面目な顔で頷いていたけれど。
あら、と怪訝そうな顔をしてから、そのまま行くんじゃなかったのですねぇ、と。顔の前で両手を合わせて、何故か意外そうに笑っていて。
……おそらく、不思議な格好の人々を色々見ていて、その辺の感覚はちょっとおかしくなっているのかもしれず。あまりにも色んな姿の者が集まるこの街で暮らしていれば、分からなくもないと言うもの。

「では、気を付けて、行ってらっしゃいませ〜っ」

ドアの方へ向かう相手を見れば、両手を振りながら見送りの言葉をかけて。

キルト > 「ふふっ、いってきます」

ギルドを後にしながら、こういう風に行ってきますと言うのも何だか久しぶりだなあと少し浮ついた気持ちがあったが。
すぐに遠出の準備の算段を立てる。
難しい仕事ではないとはいえ、冒険に出る以上確実な事は何もないのだし。

「まあ、近場の仕事なら大体これだけどねえ」

その時のルゥナの表情を思い出して、また思わずクスリと笑いがこぼれる。
この格好で冒険しているという、ルゥナの想像もそう外れていない。
それにしても、少し話をしただけで自然に笑顔が引き出される面白い子だった。
彼女を安心させるためにも、これは万に一つも死ねないなと改めて気を引き締めるのであった。

ルゥナ > 「元気な人でしたね、ふふ」

ああいった感じの人は、その元気さが曇るような事にならないといいな、と思っている。
渡した依頼はそこまで危険なものでもなかったから、きっと無事に帰ってくるでしょう、と願って。

お見送りの後、ああ、もう少しお片付けしておかないと、と。
冒険者さんの得意分野に合わせたお仕事の紹介もできた方がいいですねぇ、なんて考えながら。
その後もまた整理をしたり、読書――一応お勉強も兼ねてだけれど、をしたり。
別の依頼人や冒険者が来れば遣り取りをしたり、の時間が過ぎるのである。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からルゥナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からキルトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 とある酒場。本日大盛況。しかも一部のメンバーの貸し切りである。
 ここには騎士や冒険者。傭兵。場合によっては貴族までが一同に集まっていた。
 本日行われていたのは合同練習会。どこかの貴族が始めたらしいそれは職業の垣根を超えてあらゆる職業が集まり練習しようという企画で、男はその貴族に直々に依頼を受けて傭兵サイドの仲介やとりまとめをしていた。
 この男は仲介もそうだが、なによりも剣術の模擬戦でごぼう抜きの大立ち回りをしていた。
 しかし今は端の方で1人で飲んでいる。

「滅茶苦茶になってるなやっぱり」

 とはいえ、打ち上げ会場は滅茶苦茶だ。ナンパは当たり前だし勝負所と娼婦や踊り子も依頼を受けたかどこからか嗅ぎつけたのか商売にやってくる。
 そんな酒場を少し離れてみていた。

クレイ >  
 離れてみている理由は色々とあるが、最大の理由は自身が仲介をしたメンバーに関してツッコミを受けたくないが為。
 そもそもが傭兵をこういう企画に呼ぶというのは無謀がすぎる。彼らは戦争の技術を商売にしているのにそれを無償で他人と共有しろなど参加するわけがない。自分だって共有してるのは必要最低限。というか自分の場合小細工を使わず練習の経験数のゴリオシだから特別な事をしていないから別に共有する事に拒否感がないだけである。
 さらに言えば犯罪歴が多い奴が大半でこんな場に連れて来ようものなら騎士や冒険者を強姦して終わりだ。
 というわけで仲介しようにもメンバーが少なすぎた。ということで彼は水増しをした。

「……嘘はついてないしな」

 知り合いの冒険者や騎士に声をかけた。そういって彼は学園の知り合いを何人か引っ張ってきていた。
 アウトではないがグレー。だから突っ込まれたくないので端で大人しくしていたのである。
 なおそのメンバーがどうしているのかは自身の範囲の外。とりあえず学生だって事はいうなよとはつたえてあるが。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にナイトさんが現れました。
ナイト > 酒場の中で一際賑やかな中央の長テーブルから、其方に近づく人影が一つ。
隅で酒を楽しむ男の正面に、その影――メイド姿の娘は仁王立ちで見下ろす。左右の手にはそれぞれエールがなみなみと注がれたジョッキがある。

「あー! やっと見つけた!
 昼の模擬戦で剣士共をぼっこぼこにしてたの、アンタでしょ?
 なんでこんな隅っこで縮こまってんのよ?」

娘はメイド姿であるが、腰にはロングソードを携える歴とした騎士である。
本日の合同訓練にも途中からであるが参加して、男が皆に剣術指南をしているのを見ていたようで、話をしようと探していたのだ。
たと言うのに、あれだけ大立ち回りをしておいて、当の本人が隅で一人空しく酒を飲んでいるのが解せないと、訝し気に首を傾ぎ口をへの字に曲げる。

クレイ >  ナンパのひとつでも。そんな風にがっつかないのもこの男の特徴。そう言う相手が欲しければ娼婦を買えば良いし、偶然話して偶然相性が合えばそれでよし。そんな軽い気持ちだったのだが。
 こっちに歩いてきている人物。目線の端では当然捉えてはいるが。別に逃げる必要はない、というか不自然にもほどがある。

「嫌われ者の傭兵が中心に立つのもアレだしな。必要な場面では大立ち回りしてそれ以外は大人しく。それも傭兵らしい立ち回りってな」

 なんて冗談めかして笑う。
 実際傭兵が嫌われているというのは間違いではないだろう。この会で自身に向けられた視線がどうかなど知らないが、少なくとも世間一般では治安の悪化を招く職業ではあるわけで。
 
「ま、でもせっかく来てくれたんだし少し一緒に飲むか。見ての通り席は空いてるぜ」

 なんて近くの席に座るかと言いながら近くに置いてあった剣を反対側へ。
 

ナイト > 返答は当り障りのないもので、傭兵ってそんなもんなのねと軽く流し一応頷いておいた。

「ふーん。なんだ、カッコつけてって訳じゃないのね。ま、いいわ。一人酒は空しいだろうし、相手してあげる」

冗談っぽく笑う程度の愛想もあるようだし、話が苦手でないなら良い。特段、迷惑がっている様子もなければ、勧められるまま右隣にあった席に腰掛け、足を組んで座る。
そうして、左手に持っていたジョッキを相手の顔に突きつけるように差し出し。

「これ、飲みなさい」

相手に飲みかけの酒があっても気にせず強引に一言告げて、テーブルに左のジョッキを置き、右のジョッキはグイッと煽る。
ごく、ごく、と喉を鳴らして半分ほど飲み干せば、ぷはーっと大きく息を吐き。

「――さっきも言ったけど、昼間の戦いぶりを誉めてやろうと思ってアンタを探してたのよ。
 見事だったわ。あれは何処の流派かしら? 普段どんな鍛錬をしてるの?」

喉が潤えば矢継ぎ早に質問を投げかけ身を乗り出す。

クレイ >  
「カッコつけて隅っこで1人って逆にだせぇだろ。それが許されるのは小説の中だけだっての」

 なんてケラケラと笑った。
 少なくとも自分の容姿でそれをやったらお笑いだ。そういうのはもっとクール系の耽美な奴がやるから映える。
 そして渡されたジョックをサンキューとお礼を言ってからそれに口を付ける。

「ん、流派なんて無いぞ。10歳よりも前には戦場にいるしな。これも出来るようにあれも出来るようにって作ってった」

 完全な我流。故に二刀流でありながら攻撃にガン振りという奇妙すぎる剣術になっていた。殺される前に殺せ。その為に手数を増やせ。
 それが全ての流派だ。

「お前も剣士なんだろ、お前はどこの流派だ? まぁ見た所騎士っぽいが……なんとなく色々混ざってる気もした」

 チラッと練習中に見かけた記憶から彼女の戦い方を振り返る。
 騎士にも色々と色がある。後手必殺だったり先手必勝だったり。だが彼女のはその色が色々と混ざってるように見えた。

ナイト > 「あっはっは! そうね、そんなすかした奴だったら酒だけ差し入れてすぐ戻ろうと思ってたわ」

釣られて声を上げてカラカラと笑って返す。
口下手なだけ、人嫌い、立ち振る舞いのためなら良いが、一匹オオカミ気取ってる中途半端なガキの相手をするつもりはないらしい。
酒を受け取ってもらえたなら、機嫌よく鼻を鳴らした。

「そうなの? じゃあ、師匠もいないの? 誰かに習ったりとか……」

言い掛けて、10を前に戦場に立つ厳しさを考えれば一度口を閉じる。
なら、あの立ち回りや剣のキレ、全ては実戦から磨き上げた自己流なのか。戦場と言う賭場に自身の命をベッドして腕を磨き上げた結果――。

「……ん。そうね、私は故郷……えっと、北の方になるのかしら? そっちで習った剣術がベースね。
 王都に来てからは、他の騎士からも手ほどきを受けてるの。だから混じってるって感じるのかも」

自身もそれなりに戦場に立ち功績を立て騎士になったが、それを自慢するのは気が引けてしまった。いつもなら堂々と声高らかに言うところを、少しばかり自重して肩を竦める。

クレイ >  
「一応はいたぞ。つっても、剣術ってより戦場での生き方とか、立ち回りとか。その辺だ、俺が隅にいたのも教えだ。傭兵は主役にはなるな。だからといって脇役にもなるなってな」

 傭兵に主役を取られると機嫌が悪くなる騎士や貴族は多い。だから主役になってはいけない。だからといって脇役になれば稼ぎがない。だから脇役にもなるな。
 実際大立ち回りをしてみせたのに明確に嫌われないですんでいるのは立ち回りが成功した証拠とも言える。
 そして北と聞けばうなずいて。

「あー、あっちの方か。なるほどな、それで混ざった臭いがしたわけか」

 ベースからして違う上に色々な所に混ざる。そりゃ混ざると頷いた。

「てか、そう言う意味じゃ剣術としては似たような感じだな俺ら。俺もお前も取捨選択して今だろ?」

 なんて軽く笑う。
 ベースの有無はあれど、必要な物を選びそれ以外を切り捨てた剣術という意味では似た者同士だと。

ナイト > 「人生の師ってとこかしら。目立ち過ぎず、目立たなすぎず……傭兵って謙虚なのね」

眉間に皺を寄せ、渋面になりながら酒を一口飲み。

「私は、そうやって日陰に甘んじるのはどうかと思うわ。一番働いた奴が一番美味いところを喰うべきよ。
 だいたい、誰かを僻む前に主役を取られるようなお粗末な仕事しかできない自分を恥じるべきだわ。
 騎士でも、剣士でも、冒険者でも、自分に誇りが有るならそうあるべきでしょ!?」

と、口を尖らせ吠えるように大声で文句も言うものだから、酒場中には響かないものの、近くにいた見習い騎士やその他諸々に微妙な空気が漂う。
だが、剣術の話になればころりと機嫌を直し。

「そうなの? はー……たしかに、そうかも。ふふっ、そうね」

色々混じって、自分に合うものだけを拾って掴んでものにする。
そういうところは確かに似てると思った。

「でも残念だわ。アンタともやり合いたかったけど、長蛇の列になってたんだもの」

あれじゃ順番が来るまでに日が暮れてしまう。

クレイ >  
「まぁ一理ある」

 相手の言葉は否定しない。というか、むしろその通りだとすら思える。
 しかし笑って。

「つっても、そういうお粗末な仕事しかできない奴らがいるお陰で俺達は飯食えてるわけだしな。俺としてはお粗末なままで俺達の食い物になっててくれた方がありがたいぜ?」

 向上心がないわけではない。しかしあくまで自由に生きたい彼からすれば別に現状の扱いで満足してしまっているというのもある。
 周りの微妙な空気を感じて適当な言葉で俺は敵対する気はありませんよーというアピールも込みで多少過剰には話したが。

「んだよ、そうだったなら言ってくれれば早回ししたのによ。多少手抜いて教えながら戦ってた時もあったぜ? まぁ、今度だな。騎士に混ざってるなら戦場でも会うかもだし。むしろ俺の本気はそっちだしな」

 むしろ剣術だけを抽出した彼など本来の戦闘の3割以下。戦場を活かしての立ち回り。全てを利用しての剣術ならぬ戦争術。それが真骨頂なのだから。
 だから次を楽しみにと笑って答えた。

「今できる勝負事っつったら飲み勝負か賭け事くらいしかねぇな。もしくは向こうで始まりそうなのに混ざっても良いけど」

 力自慢は腕相撲が大好きなのだろう。向こうでもなにやら盛り上がって始まっている。

ナイト > 同意を得られれば、思わず頭の耳が出そうなくらい喜んで席を立ちかけた。
が、傭兵の処世術を聞いている内に勢いはなくなり、また大人しく椅子に腰掛ける。

「む。そ、そーね……。そういう、考え方もあるかしら」

皆が皆、向上心を持って働けば、傭兵の仕事は確かに減るかもしれない。増えたとしても戦争の、それも一番危険な場所に捨て駒として送られることも……最悪はあるのかもしれない。
しおしおと大人しくなってはいたが、此方を見る見習いたちの視線に気付けば、今にも噛みつきそうな睥睨をくれてやり、そそくさと逸らされる視線に口ほどにもないと鼻で嗤った。隣で敵対の意思なしと振舞う相手とは真反対である。

「あら、せっかくモテるんだから、しっかり丁寧にエスコートしなくちゃ駄目よ? 次からお誘いが無くなっちゃうかもしれないじゃない。
 私はまた今度で良いわ。どうせなら、訓練じゃなくて本番の方が面白そうだし。……その今度までにアンタが死んでないかが問題だけど」

冗談交じりに言いつつ、向こうで響き始めた歓声に興味を惹かれて。

「なになに? なんか面白そうね。行ってみましょうか?」

最初に言ってもいいって言ったのは相手なのだから、勿論断らないでしょ? と挑発的な笑みを向け、飲みかけのジョッキを片手に立ち上がる。
日陰から陽気な勝負の場へと相手を引きずり出すつもりのようで、にこにこと機嫌よく笑みを浮かべた。

クレイ >  
「馬鹿言え、俺が死ぬならその前にお前が死ぬっての。傭兵の生存力舐めるなよ」

 なんて笑う。実際問題必要があれば王国を切って他国に行く事だってあるだろうし、魔族と肩を並べる事だってある。
 傭兵とはそう言う生き物である。

「腕相撲らしいな、結局どこも力自慢をするならこうなるんだよなぁ」

 ありがちな光景だと笑う。
 相手の挑発的な笑みを受ければこちらもハッと笑って。

「おらおらテーブル開けろ。剣術トップティアのお通りだ。挑戦者もいっしょにお通りだ、ほら、俺に賭けるなら早めにかけろよ。お前は好きな方の手を使え、俺は二刀流だ。どっちの手でもかわらねぇからよ」

 一瞬で場を賭けにもっていく。 
 俺は1杯! とかじゃあ飯を奢るぜ! とかそんな軽いレベルのやり取りがアチコチから聞こえてくる。

「やるんだろ、先に名前聞いとくぜ。まずは俺はクレイ。見ての通り傭兵だ」

 なんて言えばテーブルの反対側へ。
 ほらやろうぜと目線を向けて。

ナイト > 「そう。それなら安心ね。私を殺せる奴なんてそうそういないんだからっ!」

言葉通りに受け取り、単純思考で憂いは晴れた。ふふん、と胸を張り言い切る。
――さて、話は移り面白そうな勝負事へと向かう。

「ルールも勝ち負けも分かりやすいし良いじゃない。私、こういうの好きよ」

道をかき分け進む男の後ろに続き、勝負ごとに瞳を輝かせ、堂々と舞台へ上がる。
それほど考えることもなく。

「お言葉に甘えて、じゃあ右が良いわ。利き手なの。
 ――魔法や小細工は無し、肘はテーブルから離さない、使っていいのは片手だけ。他にはある?」

そう言って右手を差し出そうかと言う時、名乗る相手に合わせ、スカートの裾を持ち上げて一礼を返す。

「――ナイト・ブラックフォード。ヴァリエール伯爵家の騎士よ。お手柔らかに頼むわ」

優雅に振舞うのは挨拶まで。次の瞬間には、足は肩幅に合わせて開き、手袋は放り投げ、テーブルに片肘を付けて勝負に入る。
カッと見開いた碧眼は爛々と輝き、目の前の獲物をねじ伏せる時を今か今かと待ち望む。

クレイ >  
「良いぜ、右でやろう」

 対して男は動じない。というより二刀流が利き腕じゃないとか言い訳にもなりはしない。
 なので両利きに矯正済みだ。そして名を聞けばへぇと声を出す。

「ヴァリエールっていうとあそこの家か。結構デカい所が参加してたんだなこの企画……ハッ、ここまで形式だけの挨拶初めて聞いたぜ」

 なんて言えばこちらも相手の手に対してガッシリと組み合う。
 剣士らしい堅い手。それでしっかりと相手の手を掴んだ。

「手抜いたらぶち殺すぞって目してお手柔らかにって言うなよな」

 ランランとした目に対する男の目は逆。どこまでも冷静に、落ち着いている。
 言葉も言動も盛り上げている側なのに男の目だけが冷静。勝負に真面目だからこそとも言える。
 開始の合図を待ち、開始と同時に手を動かす。力だけではなく体重も乗せる。体を動かし足の力をそのまま手に乗せて、文字通り全身で手を倒しに行く。

ナイト > 「今朝、噂で聞いて飛び入りさせてもらったのよ。今度からはもっと大々的に宣伝なさい。
 ……私は騎士でもあるけれど、メイドでもあるんだもの。伯爵家の名に恥じない振舞いをするのは当然よ」

形だけであったとしてもね。
握った手は大きく、皮は厚くてゴツゴツとしていた。
誰が見ても勝敗は明らかな試合である。娘に賭けるようなもの好きは、大穴狙いの勝負師か、娘の素性を知る数少ない騎士くらいのもので、好き勝手にはやし立てる外野の声などお構いなしに娘の眼は目の前の相手だけを見ていた。

「ふふっ、それこそ形式よ」

にこりと口だけで笑って見せた。
そうして始まる勝負の時間。腕は勿論、体も使い、娘の腕を倒しに掛かる相手。
けれど、娘も黙ってやられるわけもなく、牙を剥きだしにして低く唸り押し返す。
なるほど、剣士としての動きしか見なかったが、この男はそれだけではない。体の使い方を良く理解している。ただの力比べでこれとは、中々に手強い。

「――ハッ」

感心と賞賛を贈り、娘は嗤った。
ついつい愉しくなって、体を支える左手にも力が入り、メキメキとテーブルが軋んで悲鳴を上げ始める。

クレイ >  
「雇い主に伝えておくよ、俺は傭兵方面の広報担当の依頼を受けただけだしな……なるほど、それなら仕方ない」

 相手の返答に笑う。
 こちらも周りの声などもはや聞こえていない。戦場ならいざしらずここで目の前の相手から集中を切らす必要はない。
 一瞬だけ押せたかもしれないが、すぐに拮抗に戻された。

「……なるほどこの手の手合いか」

 そして組み合ってしまえば嫌でもわかる。普通の人間じゃない。人間そっくりに見えるが力が人のそれじゃない。
 今はまだなんとか拮抗している。だが、少なくとも男の手元からはメキメキという音もテーブルの悲鳴も聞こえてこない。
 力でそれ。おそらくは魔法無しでスタミナ勝負でもこちらの負けだろう。

「ふぅ……」

 息を吐く。
 勝負の結末が見えた。少なくともこのまま力勝負をすれば確実に負ける。だからこそ、男は一瞬瞬間的に力を抜く。それこそ机に押し付けられる瞬間まで。
 少しでも相手のバランスを崩すのが狙い。カウンター狙い。崩れたのならそのまま押し返そうとするだろうし、崩れないのならそのまま負け。
 身体能力では大きく劣っているが故の苦肉の策。悪あがきのひとつだ。

ナイト > 剣も握らず、純粋な力勝負なら大熊や巨人のような大男にも負けない異形の腕力。
程よく酒も入って気分も乗っているせいか、自重も忘れて猪突猛進。駆け引きなんてなく、押せば、押して、押し切って。
拮抗する白熱した勝負に盛り上がる周囲の声ににも煽られ気分が良い。
屋敷お抱えの騎士になって戦場に立つ機会もめっきり減ってしまったが、やはり真剣勝負でしか得られないものはある。
それがたとえ、ただの腕相撲だったとしてもだ。

「……ッ! 勝っ――」

ふっと相手の力が緩み、押した腕が沈む。
勝利を確信して、娘はバランスが崩れようと、相手が怪我をするかもしれないと言う危険すらも忘れ、力任せに捻じ伏せに掛かった。
その結果は――

バキッ! と、テーブルの脚は折れ、娘側へと倒れていく。

「ぅぐっ」

腹に机の角が当たったが、娘は小さく呻くだけで闘志は消えず。
勝負の舞台であった机が無くなった今、どう決着をつけるべきか。
娘はと言うと、犬歯を魅せ、息も荒く、テーブルが駄目ならまだ床があるわ!と言わんばかりに前のめりになっていた。

クレイ >  
「え、ちょまじ?」

 バランスを崩すつもりがそれを持ちこたえる為か机が崩れた。
 ルール上ではこっちの勝ち? 負け? どっち友がテーブルから肘が離れた。つまりまだ勝負は未定。終わっていない。
 前のめりになった相手。これが徒手空拳なら技を使うがそうではない、これは腕相撲。
 つまり必然そのまま力勝負になる。

「こっな……くっそ……!」

 なんとか耐えてはいるが、相手が前のめりになるほどに力が入ればどうにもならない。
 耐えていたが、長くは続かない。しばらく耐えた後、そのままドッテーンと思いっきり押し負けた。

「力強すぎんだろ……!!」

 あの時点で勝負を決めれなかったこちらの負け。だぁと悔しがりながる。周りもあぁと声が上がる。そりゃそうだ、こちらに賭けていた人の方が多いのだから。
 

ナイト > テーブルが壊れた時の勝敗なんざ誰も考えていなかった。
無効と言われればそれまでだが、金を賭けた奴らは勝敗無しじゃ納得がいかないようで、誰も止めに入る者はいなかった。
故の続行。しがみ付いて、意地でも勝負の舞台から降りなかった娘は、じりじりと男を追い込み、最後には罵声を頂いて決着がつく。

「ふーっ! ふっ、ふー……」

悔しがる相手の声。頭を抱える周囲の賭博師。逆に歓喜して娘に「良くやったと」声を掛ける者もいたのだが。
娘の荒い息は収まらず、握ったままの男の手を強引に引き寄せる。

「まだよ! こんな半端な勝利じゃ足りないわ!!
 今度は、今度は床でやりましょうっ!」

声高らかにもう一回と言い放つ。
やる気満々な様子で、両手で男の腕を掴んだなら、振り払われてなるものかとしがみ付くだろう。

クレイ >  
「床で腕相撲とか聞いた事ねぇよ!? それなら普通に相撲の方が早いわ! って、やるなよ、店がぶっ壊れるからな?」

 相手の力的に洒落にならない。ホントに店が壊れる。
 だから絶対にやるなよと念入りに念押しをした。
 振り払う事が出来ない事はなんとなく理解はしている。力の差がありすぎる。

「また今度ガッツリ剣も込みで模擬戦するからそれまで我慢しろって」

 と今度の約束を取り付けてそれまでは我慢しろとなんとか話し合いに持っていく。
 現状では確実に負けかねない。

「その時は。そうだな、お互いに何か賭けるってことで。その方が今回よりも燃えるだろ。俺は1回分の依頼のタダ券をかけてやる。銀鷲のタダ券とか普通に5桁はするからな」

 なんて付け加える。
 それで大人しく従うかはわからないが少なくとも自分が用意できる中ではかなり上位の代物だった。

ナイト > 「し、失礼ね! 壊さないわよ! テーブルは……ちょっと痛んでたの!」

声を上げ吠えて返すが、テーブルの悲鳴を間近で聞いていた面々は倒壊の様子がありありと想像できたようで、まぁまぁと宥めに掛かる。
対戦相手(予定)と周囲の騎士や冒険者に言われては、娘もそれ以上は言い返せず、ぐぬぬと口を閉じるしかなかった。
それでも腕はがっしりと掴んで離さずに。

「言ったわね? 約束よ? 口約束だから~とか言ったら、ただじゃおかないわよ?」

遊びでなく、模擬戦ならそっちの方が望むところ。
一瞬握った手は緩んだが、再度グッと握って脅しをかけてから解放しよう。

「賭けるの? ま、いいけど。……アンタ意外と良い値段するのね。いいわ、それで乗ってあげる」

依頼のタダ券は正直どちらでも良いとは思いつつ、その値段にちょっと眉を潜めた。
しかし、だ。それと同等のものを賭けるとなると何が良いのだろうか……。

「私が負けるとは思わないけど……。
 もしも、万が一にでもアンタが勝ったら紅茶とケーキ……って面じゃないものね。同額の報酬が良いかしら? 
 それとも、何か欲しいものとかあるの?」

クレイ >  
「んなわけねぇだろ。俺の方は痛んでねぇぞ」

 男の方は何も音がしなかった。それをジトっとした目で訴えかけた。
 しかし約束だと言えばしっかりとうなずいた。傭兵にとっては口とはいえ約束は大事だ。

「そりゃそうだ。依頼によってはほぼタダだけど。気に入らない依頼だと5桁6桁は取るぜ」

 そう言う意味じゃ依頼を受けさせられるという意味では5桁の値段も間違いではない。
 まぁ彼女が5桁必要な依頼を出してくるとは思えないのでタダの紙切れになる可能性もあるが。
 しかし欲しい物と言われると少し考える。

「いや、ここで金とか言ったらつまらねぇだろ。それにあくまでノリだノリ。お前はお前が相応しいと思う物を賭けりゃいいんだよ」

 それがなんであれ別に咎めたりするつもりはない。
 ツッコミはするかもしれないが。

「それに同額ってなるとあれだぞ、俺が戦争行くときに1回引っ張ってくとかになるけど……むしろ望むところだろそれ。賭けとかじゃなくて普通に必要だと思ったら声かける事を検討してるぞ俺」

ナイト > 「ぐっ、ぬ……痛んでたもん!!」

そんな目で見られても、ちょっと心が挫けかけたが、ギュッと目を閉じ何とか言い返した。
子供同士の喧嘩のようになってきたのは自覚があるので、それ以上は言い返さずムスッと口を引き結んで相手を見るだけに留め。

「何それ。ぼったくり……いや、うーん……。とにかく、それだけの価値があるってことだけはわかったわ」

ぼったくりと言うには、相手の剣士としての技能は高い。
そして、おそらく傭兵としてもまたしかり。
何と言い表して良いかわからず、天を仰いで唸っていたが、最後まで言葉は降ってこなかった。

「相応しいものねぇ。わかったわ、それまでにちょっと考えとく。
 ――あら、良くわかってるじゃない。
 まぁ、旦那様のお許しを頂いてからになるだろうけど、私の功績はヴァリエール家の功績になるのだから、待ったは無いと思うから遠慮なく頼っていいのよ?」

 同額かは置いといて、相応しいものは剣を交える前までには考えておくとしよう。
 機嫌よく鼻歌でも歌い出しそうな様子で、スカートについた誇りを叩いて落とし。

「さぁ、勝負は一時お預けとして。飲みなおしましょう?」

そう言い、手を差し出した。取ってくれるなら、テーブルの壊れていない、静かな隅のあの席へ連れて行こうか。

クレイ >  
「よくわかってるじゃねぇか。俺1人で戦況ひっくり返すんだから5桁でも良心的だ」

 実際に何度かやってるからこそ言える大言。それ故に自信満々に言い切る。
 それに勝てる彼女も相当なのだろうが。

「了解、じゃあ良い機会があれば声をかけさせてもらうよ。戦場の相方はいつも切らしてるからな」

 ペアを組んでも死んでしまうから極力ソロで動いているというのもあるがそれはわざわざ言わない。
 手を取りはするが苦笑いして。

「別に俺はエスコートいらないんだぜ? 半分癖だろこの手」

 なんて笑って大人しくついていく事だろう。
 そうして席に戻れば酒を飲んで、色々な話をし、そしてこの会は解散となったはずである。

ナイト > 「それが大ぼらじゃないってのを証明するためにも、模擬戦楽しみにしてるわ。勿論、戦場へのお誘いもね」

自信に満ちたその裏に実績がある。それをひしひしと感じながら、二ッと勝気な笑みを見せ笑い返す。
手を握り、来た時と逆に娘が人をかき分け席に戻る。その最中、苦笑する声に首を傾げ。

「うるさいわね。仮にも負けたんだから、文句言わずに大人しく案内されなさい」

言われれば、エスコートは必要なかったかもと思う。が、後になって手を離すのも癪で、眉間に皺を寄せて言い返す。
その後は、また酒に酔っては他愛のない談笑に花を咲かせ、穏やかな時間を過ごすことだろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からナイトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区『目抜き通り』」にシルドさんが現れました。
シルド > 目抜き通り。日中ならば健全なお店が多く飲食店も賑やかになっていそうな通り。
夜も飲食店に人は多いのだがこの時間だともう一つの顔が幅を利かせている。
それが目の前にある店や隣で開く店。娼館――といっても平民向けなので大した施設ではない。
どちらかと言えば飲食店で盛ったカップルが流れ込んでいく宿の側面が強く、宿のスタッフとして勤務していた女性が小銭欲しさについでに仕事をしたり、何も知らない可哀そうな女性が宿屋のオッサンの催眠術やらで娼婦として働かせられていたりと犯罪的な側面もあったりする。

いずれも平民地区のため、富裕地区に比べればそういった女性の数も少なく、施設も少ないのだが。
さて今日の働いた給料で口説けそうだったり良さそうな女性はいないかなーとウロツク。
良いな!と思った女性の桁が文字通りけた違いで泣く泣く諦めたりと言う事もあったが、所詮平民である。
カネのアテなぞない。無い袖は振れないのであった。

シルド > 「……そうそう、オッサンと遊んでくれそうな女の子はいねぇよなぁ。」

手持ちと釣り合わないお値段の女性。
値切り交渉を試みるも上手くいかず。もともと商売人を口説くのとそうじゃない相手を口説くのでは必要なスキルも違ってくる。
何はともあれまずゴルドがあって成り立つ土壌なのだ。
そう考えれば自分の懐具合では厳しいだろうと考えその場を後にしていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区『目抜き通り』」からシルドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 街の宿屋兼食堂でパンをかじる。
今日は胡桃の入ったパンだが、噛んでも噛んでも飲み込めない。
仕方なしに、無理やりワインで流し込んだ。

食後に一服、煙草を吹かす。

この宿屋、食事もちょっとした有名店であったが。
出会い系の宿としても知られている。カウンターでいくらか払うと色つきの札がもらえる。
札の内容によって、友達募集やらセフレ募集やらいろいろあるわけだ。
今、男はセフレ募集の札を下げて、ぽけーっとしている。