2024/11/20 のログ
ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」」にグラスシエルさんが現れました。
グラスシエル > ナグアル中央、時計台の広場
区画分けされたナグアルの中心部、全ての区画の共有部分ぽくもあるそこをゆっくりと歩く少年。
まだ少年、子供という体躯と顔立ちだが瞳だけは妙に鋭い。 簡単に言えば目つきがものすごく悪い。さらに見るものが見れば、どこか相手の隙を伺う肉食獣のような瞳
ふらふらと物珍しそうに周囲をふらついては眺める、おのぼりさん、という雰囲気をさせながら歩く

――まるで一個の国みてえじゃねえか、気に入らねえ

ナグアルという街の噂を聞いてきた
特に何か目的があるわけではない、今のところは
だが、ここの警備や状況、人口、そこから伸びる街道ぐらいは知っておきたい。 その街道の先の小さな集落を潰せばたちまち警戒が強まる。
少年は魔族を狩るのが仕事だ。 だが一人でことを為す以上余計な警戒も対策もされたくはない。
一人で巨大なナグアルと戦争なんて不可能、分をわきまえるのも大事

と、いうことで
少年はナグアルという『要塞』を見て回る。
鉄、木、どのようなモノを使われてるか、レンガは何色か
"ナグアル"と喧嘩をしたくなければ、ここと関わってる場所を避ける必要があるということだ

「しかし……でけえ街だこと」

ベンチに腰掛ける。 すると草むらから野良猫がにゃーと鳴いて少年のベンチの前に
少年は視線だけ野良猫に向けて

「ンだよ、なんもねえよ。悪いが食い物もってねんだわ」

グラスシエル > にゃー

「にゃーじゃねえよ食い物はねえよ他行け他」

ベンチに座ったまま野良猫を睨む。 人馴れしてるのか野良猫の方はグルルルと喉を鳴らしてベンチに座った少年の前に座り、少年に鳴いて見せる。
少年は追い返すでもなく、どっかいけと口ではいうが

「なんだお前そんなに腹へってんのか」

……しゃーねーな
というように少年はベンチから立ち上がる。
野良猫から離れ、そしてタンッ!と地面を蹴ると素早く夜店のありそうな路地へと

10分ほどして

「さて、さっきの奴ぁまだいるかどうか」

小さな紙袋、中には白身魚のフライと干し肉を炙ったものと塩味だけの焼き鳥のような串
先程の野良猫がまだいるかどうかは知らないが、いないならいないで自分で食えばいい。
先程までのベンチにはいない。 まあいいか、とベンチに腰掛ける。
もしかしたら猫も戻ってくるかも知れない。
しばらくはここで休もうと、白身魚のフライにかぶりついて

グラスシエル > にゃー

茂みから野良猫が出てきた。 にゃあにゃあと自分の存在をアピールしながら少年の座るベンチに寄ってくる
少年は撫でるでもなく、猫に声をかけるわけでもなく、フライドフィッシュの白身部分だけを猫の前に放り投げる
夢中でがっつく野良猫が食べ終えたら、今度は干し肉をちぎって放り投げる。 いくつかちぎった干し肉を石畳に放り、ベンチにすわったまま空を仰ぎ見て

「あー、どうすっか……魔族のトコで宿をとるのもな」

魔族はクソ、敵
とはいえ少年からしたら自分のいた天界も天使もあまり変わらない
同様にクソだしいけ好かない。 とはいえこの地には天使がいない。 いないからこそここに"廃棄"するのにはちょうど良かったのだろうが
とはいえ棄てられても少年のやることは変わらない――魔族を殺すこと。
理由なんかありはしない、これ意外自分がいる理由をしらないだけだ

にゃあ

野良猫が鳴く。 少年は舌打ちしながら

「お前はよく食うな、ほれ」

と、食い残したフライドフィッシュを衣ごと全部投げてくれてやる。
野良猫はがっついて平らげると満足そうに顔を洗っている。それを見て少年はため息をついて