2024/10/21 のログ
ご案内:「欲望の街「ナグアル」//エカルラート城」にネロさんが現れました。
ネロ >  
「ん…ふぁ……」

欲望の街を見下ろす、第一区画ディスタシアの魔王城エカルラート
その姫の私室の超豪華寝台にて、横たえられた恵体をもぞりとくねらせるのは城主たる魔王の娘、ネロ
薄い黒のふわふわネグリジェに身を包む傲慢の姫気味はまだ寝足りない、といった様相

最初にあげた声から数分経って、漸くゆったりとその上半身を起こすと、欠伸によってぼんやりと薄く涙の浮かんだ左目を擦る

「ふわぁ……、ぁ、ふ。……まだ朝じゃない」

カーテンの隙間から差し込む陽光
魔王の娘的にはまだ起きるには早い時間
再び惰眠を貪るべく、ふわふわのベッドにぼふんと身体を沈ませる

ネロ >  
『おはようございます姫様』
『朝食のご準備は整っておいでです姫様』
『身だしなみを整えますのでどうぞ此方へ』

どやどや、ネロの起床を感じ取った城の悪魔達
羊頭の悪魔執事をはじめとした従者達はきびきびと朝の支度をはじめ、部屋へとやってくる

この城の使用人達は大変勤勉である
この欲望の街の礎となった魔王ナグアル、その知己である魔王ナルヴァートの一人娘ともなれば当然の格
二人の兄と一人の弟とは似ても似つかぬ怠惰の極み、そんな姫の身の回りの世話となれば自然と勤勉ともなろうもの

各々が惰眠の邪魔を口にする、魔王の娘の長い耳はその言葉を必要以上に聞き取り、ぴくぴくとその眉根が引き攣らせていた。

「──んもー、うるさいっ!!」

そうしてがばーっとベッドから飛び起きれば

『おはようございます姫様』
『朝食のご準備は整っておいでです姫様』
『身だしなみを整えますのでどうぞ此方へ』

繰り返される、朝の文言
エカルラート城における日常の風景である

ネロ >  
朝の湯浴みを終え、身支度を従者に任せれば豪勢な城の朝食
長机にこれでもかと並べられた贅の限りを尽くした食事の数々
その卓についているのは、ネロ一人だ

「お父様とお母様は?」

『お二人とも朝食を終え、父君様はご視察に、母君様は街のご自分の店舗に向かわれました』

「ふーん」

よく煮込まれた肉のシチュー…口に運べば脂が蕩ける深い味わいの絶品である
しかしネロにとっては普段から食しているものの一つに過ぎず、感慨も何も無い

「兄上達は?」

『お二人共既にお出かけに御座います』

「ふーん。イヴァンは──どーせ部屋で本でも読んでるか」

広い広い部屋での一人の食事を終える
出されたメニューの大半は残していた

ネロ >  
『本日は街の視察なぞ如何でしょう?』
『中央区画からの献上品などをご覧になられますか?』
『序列二位のアルデバ様より親書が届いておいでですが』

「めんどくさい、適当にやっといて」

朝食を終えたネロは己の責務は全て従者に丸投げ
面倒なことは全部配下の者にやらせ、己は気儘に時間を過ごす

人間の奴隷をいじめ倒したり、弟のイヴァンをからかったり、
堕落と怠惰の生活の中での暇潰しは基本的にそんな程度のもの

堕落も、怠惰も、暴虐も
実に悪魔らしくて良いという父である魔王のお墨付きである

「あ…この間の奴隷もう飽きちゃったから処分しておいて
 もうちょっといいのを選んで連れてくるよーに」

従者達にそう告げ、さっさと己の私室へと戻ってゆく
そんな我儘も毎日のこと、魔王の娘の繰り返す日常の風景(モーニングルーティン)である

ご案内:「欲望の街「ナグアル」//エカルラート城」からネロさんが去りました。