2024/10/09 のログ
ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」第五位区画街中」にサテラさんが現れました。
ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」第五位区画街中」にユーさんが現れました。
サテラ >  
 今日は愛しくも手間のかかる子供たちを、世話焼きな信頼できるヒトたちに預けて、久しぶりのゆっくりとしたデートの時間。

「――ぅーんっ!
 こうして、ユーちゃんとのんびりお散歩するのなんて、久しぶりな感じ。
 ゆーちゃん、どう?
 気になるお店とかある?」

 愛しい人を背中に乗せながら、自分の街をのんびりと見て回る。

『おっ、サテラ様!
 今日はおやすみですか?
 久しぶりに飲んでいきます?』

「あははっ、今はデート中だから後でね!」

 そんなふうに気安く、店主らから声が掛かる。
 その様子を見れば、どれだけこの若い領主が領民と近しく接しているかがわかるというもの。
  
 そんな街中は、日中は、屋台や露店などが種類問わず精力的に並んでいる。
 衣服に食事、薬や本――もちろん、五位区の看板である、畜産品もしっかりとしている。
 そんな豊富なジャンルの中で、興味を持ってくれる物があればよいのだけれど。
 

ユー > 「お店… うちにない店だったら、だいたい気になっちゃうけれど
うーん…」

お菓子の屋台が次々と並ぶ光景に、自分の区画ではない新鮮さと
そしてそれに目が移る、少しの少女気質をあまり表にできずに、
そのまま何もせず、サテラの背に乗っている。

「サテラ、すごい人気だね
確かに私も私の区画内なら…人気ある方だけれど
慕われ方が全然違うね」

声を掛けられた人に目を向けていくと、
それぞれがサテラと友好的に接していて
とてもそれが良い様に作用していると見える。

自身も、十区の中では人気者ではあるが
黄色い声の方が大きいもので、あまり権力者として
信仰されているとは思えないからだ。

サテラ >  
「んっ、そっかあ。
 ならゆっくり眺めてー?
 うちの自慢のストリートだからね」

 なんて、くすくす笑いながら、ゆったりとした歩調で道を歩く。
 背中が揺れないように少しだけ気を使いながら。

「人気、人気なのはうん、否定できないけど。
 この街、人間も多いでしょ?
 そのほら、わたし、人間からしてもまだまだ若輩と言うか、子供っぽく見えるみたいで……。
 それに、両親の時から住んでる人もいるから、妹とか娘とか、そんな風に見られてる感じなんだよね」

 なんて、恥ずかしそうに笑いつつ、照れ臭く言うものの。
 そうして身近に感じて接してくれるのが嬉しそうでもある。
 そう言ってる傍から。

『お、サテラちゃん今日はデートかい?
 よかったらうちの新商品もっていきな』

 なんて、ガタイの良いオウガ族のおじさんが、二人に小さなパンを一つずつ渡すだろう。

「おじさんこれは?」

『生地にミルク、中にクリームを入れてみたんだ。
 甘くてオヤツにちょうどいいぞ』

「へえ~?
 ほんとだ、ミルクの甘い匂いがする!
 えへへ、いつもありがと、おじさん」

 サテラが礼を言うと、オウガの店主も少し照れ臭そうに手を振って、店に戻っていく。
 領主というよりも、人気な町娘とそれを見守る保護者達、のような雰囲気かもしれない。
 

ユー > 「うん、ゆっくり見るよ」

ここはいいところだなぁと改めて考える
とても統制が取れているとはいえない、自分の区と比べると…
いやでも、まあ、頑張ってるかなぁ…

「…私頑張ってると思う?なんかサテラの区を見てると
なんだかまだまだだなぁって気がしてきちゃうね」

受け取ったパンを食べてみる

「ん、美味しい…ご飯もうちの区は特にないからなぁ…」

食べてみると、口の中に甘い広がりがあり
とても美味しい。

「…他にもご飯食べてみたいかも」

そっと、希望を出してみた。

サテラ >  
 恋人の発言に、パンを咥えたまま首を傾げた。

「――んむ。
 ユーちゃんは、頑張ってるでしょ?」

 なんでそんな当たり前な事を、と言いたげな声だ。

「わたしはそもそも、両親から土台を貰ってるから、それを大事に出来る事をやってるだけだもん。
 でも、ユーちゃんのところは、ユーちゃんが作った街でしょ?
 わたしからしたら、それだけだって凄い事だよ」

 そう、上半身を軽く捻って、愛しいヒトの頭を撫でる。
 魔族としては確実に彼女の方がお姉さんなのだが――どことなく甘えさせたい、妹がいたらこんな感じなのかな、と思ってしまう。

「ユーちゃんところ、食事事情が課題の一つだもんね。
 うちから出してもいいんだけど……」

 いくら領主同士が恋仲であり、子供がいるとはいえ、領地間での取引となれば話は別なのだ。
 個人的な資産での支援はいくらでもできるが、それはそれである。

「それじゃあそうだなぁ。
 ユーちゃん、甘いの、しょっぱいの、辛いの、すっぱいの、どんな味が好き?」

 そう質問しつつ、きょろきょろと、周囲の店の今日の品揃えを眺め、なにがあるかを把握しながら。
 

ユー > 「そうかなぁ…んっ」

頭を撫でられ、少し気分が良くなる
考え方が違えば、悪くないことなのだろう
自分の仕事がよくないとは思わないが
褒められるなら、やはり嬉しい

「甘いのがいいかな」

特に甘いのが好きだということはサテラも知っていることではあるが
ユーはかなり甘党であり、だいたい美味しい甘い物には目がないのだ
もしユーを怒らせたなら、必ずスイーツを持っていくし
挨拶の時も必ず持っていくことだろう。

サテラ >  
「そうだよ、それに。
 治安が良くて命の心配をしないで過ごせる。
 それは誰にだって出来る街づくりじゃないと思うよ?」

 特にこと、魔族の領地である。
 自分のナグアルの領地もそうだが、彼女の街も命の危険からは比較的遠い。
 それだけで、穏やかに生きたい住民からしたらありがたい事なのだ。

「だから、ユーちゃんはすごく頑張ってる。
 色々課題はあるけど、それはわたしも手伝うから、一緒に解決していこう?
 その、これから先も長いお付き合いになるわけ、だし……ね?」

 そういうサテラの頬は、少し恥ずかしそうに赤くなっている。
 子供が出来た以上、サテラは彼女を伴侶のように大事にするつもりだ。
 それこそ、長くゆったりと、平和に過ごしていけるように。

「んふふ、やっぱり甘いのだね。
 そしたらまずはお腹に堪らない、キャンディとかどう?」

 そう言って店先に行くと、人間のお婆さんがにこやかに二人分の、小さな包みをくれる。
 包みの中にはいくつかの、色んな色の飴玉が詰まっていて色鮮やかだ。
 

ユー > 「…そうだね
うん。ありがとう」

一緒に長い付き合いになるという言葉を聞いて
子供のことを思い出し、そしてサテラのことを見て
まだまだ、頑張っていかないといけないなと気合を入れ直す

「ん、キャンディ… んー…
甘い… これは林檎だ これは? んー…これは、葡萄だ」

いろんな味の飴玉を食べながら、サテラの背に乗っている。
今度はお腹に溜まりやすいものが食べたいなーと思いながら
でも言葉にはしなかった。ワガママだとは思われたくなかったから。

サテラ >  
「ふふっ、ありがとう、はお互い様だよ。
 ユーちゃんにはわたし、たっくさん助けてもらってるもん」

 助け、助けられ、お互いに補い合えれば理想の関係。
 自分の両親がそうやってお互いを尊重し合いながら、愛し合っていたのを思い出し――ちょっとだけ寂しくなった。
 けれど、背中の温かさがそれを笑顔に変えてくれるのだから、やっぱりお互い様なのだ。

「んーと、後はそうだなー」

 次は何を食べさせてあげよう、なんて思っていると。

『サテラちゃん、サテラちゃん!
 うちに十位様を連れてきて、これを忘れちゃだめでしょう』

「おお――っ?」

 すっかりサテラが休暇を過ごしている、という超絶激レアな噂が町中に広まっているらしい。
 うっかり通り過ぎようとした店のガーゴイルが、白いハチマキで二つのカップを持って追いかけてきた。

『サテラちゃん考案の、ミルクプティング!
 すっきりとした甘さと、搾りたてミルクの濃厚な香り!
 更に、スプーンはそのまま齧れるミルクキャンディ、カップも控えめな甘さでパリッと美味しい厚めのコーン!
 さあさあ、十位様、是非ともこの街の特産をあじわってくださいませ!』

 と、調子よく年輩のガーゴイルは自慢の商品を二人に押し付ける。

「あー、あはは、たしかに。
 でも今度は、押し売りに来ないで普通に声かけてよー?」

 苦笑しながら、しっかり二人分の代金を払って、プリンを受け取る。

「はい、ユーちゃん。
 零しちゃうから、止まってたべよっか」

 そう言って、茶屋の軒先を借りて、サテラは四つ足を畳んでそっと座った。
 

ユー > 「ん?これは…」

ミルクプリン サテラ考案ということらしいが
食してみれば、ミルクの甘さが頭に効く
他にも食へのこだわりがあるように
食べられるようになっている箇所がいくつもある

「美味しい…うーん、こういうものが食べられるから
ここに来て良かったなーって思うよ」

笑みをほころばせながら、サテラといっしょにプリンを食べる

「…もしかして、サテラが料理とか、お菓子の分野を広げているのかな
私も料理とかできたらなぁ でもまあ、食べられるならいいかなぁー」

美味しい物は何度食べても飽きない
ここに寄ることでいくらでも美味しいものに出会えるのは良いことだ

サテラ >  
「んふふー、面白いでしょ?」

 喜んでもらえれば、それだけで自分も嬉しい。
 その上、愛しい子と一緒におやつを食べられるのは、さらに嬉しい。
 おいしい物がますます美味しくなる秘密だ。

「あー、うん、わたしが試作したりする事が多いかな?
 それで、みんなにレシピを渡したりして。
 ほら、人間の王都に行くようにしたら、色んな話が沢山聞けて。
 特に、最近見つけた酒場のお姉さんが、料理もお菓子作りも凄い上手だから、よく教えてもらってるの」

 情報源は人の国。
 やはり文化的な側面で言うと、人間の食文化は凄い物がある。

「んー?
 それなら、ユーちゃんにも今度、教えて上げよっか?
 簡単なお菓子とか、自分で作れたり、従者の子に作ってもらえたら楽しいが増えるんじゃない?」

 と、プリンを食べながら尻尾をふりふり。
 表情が美味しい~と語っている。
 サテラもまた甘い物が大好きなのだ。
 

ユー > 「お菓子を作る?考えたことがなかったな
でも出来たらいいね ぜひとも教えてもらえるかな?」

確かに、それができるなら、十区にとっても良いだろうと思う
…私の作ったお菓子が売れるとか もしあったら…
いいかもなぁ…

そんなことを考えて、またにっこりと笑みを浮かべてしまう。

まだ、二人の食べ歩きは終わらなさそうだ。

サテラ >  
「うんっ、もっちろん!
 サテラせんせーにおまかせ!」

 ふふん、なんて得意げな顔。

「そしたら最初は、比較的簡単なクッキーとかがいいかなあ?
 手とり足取り教えちゃうからね!」

 きっと素敵な事を考えているんだろう。
 そんなふうに思える、彼女の笑顔を見て、サテラもまた笑顔になるのだった。

 そんな二人の休日は、ゆったりと。
 お菓子の楽しい食べ歩きが、穏やかに続くのでした。
 

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