2024/09/22 のログ
ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」//地下書庫」にロザリアさんが現れました。
■ロザリア >
ナグアルの地下に存在する広大な書庫。
中央に在る大部屋の椅子にはゆったりとかける黒朱のドレスの少女がいる。
「──ふむ。若造が七位に落ち着いてからは序列に変動はなし…か」
その手元には物々しい金装飾のされた一冊の魔本…。
漆黒の羽ペンを片手に、さらりさらりと確認の手記を書き記しておく。
ナグアルを治める悪魔達…その序列の管理を知己である淫魔女王から任されている吸血姫は、やれやれと小さく嘆息する。
面倒臭がりの極致たる自分でも務まるならばと引き受けた仕事だったが、これ程までに変動がないとは。
「…大方、上位の者との力の剥離が激しいのであろうな…。
野心に燃えているのも、七位の小僧だけと聞く。…で、あるならば当面大きくは動くまい」
本を閉じ、ギ…と椅子を軋ませ肘置きに頬杖をつく。
■ロザリア >
大きな歯車がいくつも連なる形状をした特殊な書庫。
それはこの街の表層を支える土台ともなっている。
序列が変動した場合、時計の文字盤を模した街のエリア自体が移動し、入れ替わる。
それを可能にしているのがこの大ゼンマイから成る絡繰仕掛け。
吸血姫ロザリアの無尽蔵の魔力を以て漸く稼働可能な極大魔導機構、
知己の彼女にしても任せるに丁度良い人材だったということだろう。
「──争いの起こらぬことが魔族の国の常とは思わぬが、
平和を求める魔族もいる…か……」
「確かに、人の世のほうが遥かに争いが起こっているかも知れぬな…」
■ロザリア >
どちらにせよ、この街に直接関与する立場にはない。
条件を満たせば人間すらも街に迎え入れる…。
巨大な力に掌握・保護されているからこその構え。
魔族にとって無害であると判断されているにせよ、人間と生活をするなぞ反吐が出る。
人間嫌いの極まったロザリアにとっては考えられもしないような話だが。
己の任された仕事は悪魔達の序列の管理のみ。
それで幸福を享受できているのであればわざわざ憎まれ口を叩くこともない。
……無論、一秒たりとも長く居座るのは御免だが。
「……ネクロマリアに食料の一つも要求してやろうと思ったが」
「まぁよい。そのうちに城に呼びつけてやろう──」
ギ…と再び椅子を慣らし、ゆらりと立ち上がれば、そのまま闇に溶け込む様に消える。
後には、僅かに揺れるロッキングチェアが1つ、残されるばかり。
ご案内:「魔族の国・欲望の街「ナグアル」//地下書庫」からロザリアさんが去りました。