2025/02/10 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」にグアルティエロさんが現れました。
グアルティエロ >  
しんしんと、しんしんと、よくよく降り積もる雪で凍える空気。
白く化粧された白の聖堂へと出入りする者も多くは身を縮こめて吐く息が白い。
――一部、全身からもくもくと蒸気を暑っ苦しく噴き上げている者達も居たが。
スコップで、シャベルで、一輪車で、ざくざくと聖堂外にて除雪作業中の者達だ。
凍えるような寒気でも賄えないぐらい額から玉のような汗を浮かべて滴らせて、一生懸命、あちらこちらを掘っては捨てて。

「ぉおっとと、気ぃ付けぇや、凍っとるとこあるさかい」

雪が降り積もった真下に雪が凍って固まりよくよく滑りやすくなっているところもあるから転ける人たちもちらほら。
昼日中でも分厚い曇天でやや薄暗くも、日光で照り返す雪よりも眩しくきらきらと青に桃に紫にと輝いている髪をした神父が転んだ人を助け起こしていた。

「終わったら皆で風呂ぉ行こぉな。まーもー汗でべったべたやわ、汗も滴るいい男んなんのぁええけど心地は悪ぃな」

カラフルな、ジャケットやらマフラーやら、ド派手で趣味の悪い防寒具をぽいぽいとそこらに投げ捨てて、傍目、寒そうだが本人はもう暑いの何の。
ぱたぱたぱたと手団扇すると汗の蒸気がゆらゆら。

「おいこらそこ。ウッ! みたいな顔せんといて。汗臭おっさんくさ! みたいな。傷付くんやけど。そないくさあらへんやろ!」

何なら汗臭いどころか、妙に食欲をそそるようなバターや砂糖の香りをふわふわ漂わせつつ誂ってくる同輩にムキになって目を吊り上げたりとちょっとした雑談なんかを挟みながら、地道に着実に、放っておくと出入りもできなくなるぐらいの雪を一所懸命に除けていた。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」からグアルティエロさんが去りました。