2025/01/24 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」にグアルティエロさんが現れました。
■グアルティエロ >
ファルズフ大聖堂清浄の間。
月も真上へ登りきって傾き始める深夜帯。
利用する者がめっきりいない時刻でも、湯は満たされ、浴場全体に湯気と焚かれる香草の香りが満ちている。
信者の多く、孤児院の子供達から修道者まで多くはとっくに寝床についている刻限でも、あるいは、誰かが。
例えば郊外へと説法をしにいって随分遅くに帰ってきた者や持病の発作で湯治を行う者も居るかも知れない。
故、このありよう。
「俺もあとで入ってから寝よかしら」
今のところ利用者は居らず今居るのは、いつもの悪趣味なジャケットも脱いでシャツ一枚にパンツの裾を捲って素足、それとデッキブラシ装備の、神父。この時刻のここの手入れをする者が病欠のため急遽代理に参上。眠い目を擦りながらに、腰の入っていない動きでデッキブラシにて床も擦って、がらんとして普段より一層広く感じるそこで独りごちる。
■グアルティエロ >
床磨き、各種道具のお手入れ、香草などの補充、湯の張替えは朝の当番に任せるにしても。
広いだけあって大仕事を湯気漂う中でやるものだから終わる頃には月はさらに傾き体躯も汗だく。
背中から出現している“三本目の左腕”やら肩から生えた“四本目の右腕”やらも引っ込めて。
長い長い、長~~~い溜息を一つ零したあとにシャツを捲りあげてパンツを引っこ抜いて洗濯かごに叩き込む。
全力で叩き込んだら、服は破れるし籠は破損するし床まで破砕するので勿論手加減はしているが気分的には全力でちょっとした憂さ晴らしをして、から。
「あ゛~~~……」
身体をしっかり洗って湯に浸せば面に似合わぬ実年齢らしい、実におっさんくさい唸り声を漏らす。
「ん゛~~~……」
湯を溜めた桶に突っ込んだタオルをようく搾って顔を拭えばそんな唸り声がまた一つ。
両腕を握り拳で持ち上げれば、みちり、と前からでも伺える程発達した広背筋が撓み引き締まる。
普段から肌の出るものを着ていないが一度顕になればそれは筋骨隆々。
鍛えている所など誰も見たことはないが贅肉なんて一切合切削ぎ落とされた鋼のような肉体。
本当に鍛えていなくて素でこれなんやですげえやろ! とは偶に湯を一緒する信徒に向けて放つ言葉だが、真実は、さて?
「生き返るわあ。ほんまたまらん。最初は何でこないなもん浸からなかんとか思ったけど……」
ぽつり、ぽつり、昔を思い出してはまた独り言。
■グアルティエロ > そうして暫く大きな吐息やら独り言やらを零しながらゆっくりと疲れた体を癒やした、後。浴場を後にしたのだった。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」からグアルティエロさんが去りました。