2025/01/15 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」にグアルティエロさんが現れました。
グアルティエロ >  
ヤルダバオート某所ノーシス主教分派聖バティスタ騎士修道会。ファルズフ大聖堂。懺悔室。
迷える信徒が、偶々立ち寄った人が、秘めた罪や悩み、他、夫の愚痴やら嫁との夜の生活相談に今晩の晩御飯の相談、等、等、
様々なものを持ち込んではすっきりしたりしなかったり解決したりしなかったり懺悔と恩赦の名の下にくんずほぐれつしたり、
二間と仕切りで構成された完全防音のそこでは色々なことが色々と渦巻いているが本日の懺悔室のとある一室では――……

「あかん。そこはぐっと堪えな。女ちゅーんは男の下心に敏感や、ヤりてぇ! 思うとんのはすぐバレるで」

そこに誰が居るのか、見えていたら見えていたで大変目立つが見えなくても訛った口調と低く通る声ですぐばれる男が相談に乗っていた。

「せやから今回は我慢や。デートオンリーホテルなし。もう楽しませんのに全力全開。そしたら女の子もキュン! とくる。そのうち心も股も開いてくれるわ」

相談内容は、気になるあの子と遊びに出かける事になったんだけど夜のプランはどうしようか? という青春真っ最中の男の子の悩みであった。応援してんで!! と。声音からして仕切りの向こうでガッツポーズをしているのも丸分かりな力強い応援で少年を送り出した、後。
相談者が退室していく気配を感じたところで、椅子に腰掛けて、机に足を乗っけて、ぐでっとだらしない姿勢で一息をつく。

「最近ちゃんとした告解やってない気すんなぁ」

可愛らしいお悩みやら、晩御飯の相談やら、何やらがもう多い多い。
最後にちゃんとしたのはいつだったか? 思い出せない思い出を振り返りながら懐から煙草を取り出し、一服。

グアルティエロ >  
先端から根本まで真っ黒な紙巻煙草。
手ずから紙も葉も厳選した手巻煙草に火を点せば紫煙と一緒に香る紅茶の匂い。
懺悔室でティータイムしてはる? 等という疑いを持たれるかもしれない。
扉からふわふわ、紅茶の匂いとシュークリームのような甘いバニラや香ばしいバターの匂いがふわふわ、漏れている。
吸っている煙草と本人の香りのせいもあるが、事実、喉の乾きを潤すために冷たい紅茶と、お茶請けの自作シュークリームも持参済み。

他にも、待機時間中に読むための愛読書とか買ったはいいけれど読んでない積んだ小説に引用のためのノーシス教本を修めた本棚とか。観葉植物を植えてある木鉢とか。自分用、場合によってはお裾分けのための常備薬が入った薬棚とか。何かと持ち込んでプチ自室化している部屋にてのんびりと、のんびりとし過ぎなぐらいの体勢で、灰を灰皿に落としながらにふーーーっと長い息とともに幾度目かの紫煙を吐き出す。

「まーまーまーまー。ここに俺ん居んの解っとるしな。入ってくとこばっちり見られとーし。俺にきちんとした告解はしにくいか」

見た目といい、口調といい、ノリといい、我ながら納得せざるを得ないところもあるにはある。自分で言ってて悲しくなるけれど。
煙草を吸って吸い終わる頃まで告白者が居ても居なくても一人でぶつくさ独り言を溢しまくりながら足を机から下ろして煙草を灰皿に放る。

尻を椅子から持ち上げてから堂々と懺悔室から出て、礼拝堂のほうへと出向いて、一~二時間ぶりの光を浴びつつう~んと背伸び。

「お。まいどー」

通りがかる同輩やら信者さんやら孤児院の子供達に挨拶されれば、ひらりひらり、手を揺らして応えて、

「おう! 今日も色々お勤めしたで! 内容は言えんけどあれやな。魚の煮付け食いとうなったね」

懺悔室に居たことだの相談内容が軽い事だの察する声に、神妙な顔して頷いていた。

グアルティエロ >  
「は? ええやろ。魚の煮付け。……じじくさいやと!? ならそっちは乳くさいじゃぼーけ! あーほ! ばーか! ……かかか、加齢臭ぅぅ!? どこで覚えてきたんじゃそない悪い言葉ぁ!」

子供と子供みたいな喧嘩したり。

「なーなーなーなー。シスターはそないな事言わんよな? こんな美男子捕まえてそんな加齢臭なんて……。……。……若作りし過ぎで気持ち悪……い……やと……ええやんかぁ! 若くてもぉ!」

修道女に楽しそうに揶揄われて落ち込んだり。

「ええもんねー! どいつもこいつも! ふん! もうシュークリーム作ったらへんからなー!」

最後には拗ねて蹲ってのの字を書いたり。
本日は、本日も、この男が居るとどうにも大聖堂は喧しかった。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」からグアルティエロさんが去りました。