2024/11/25 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」に聖バティスタさんが現れました。
■聖バティスタ >
聖浄の間
それは信徒や司祭、聖騎士達がその身を清める場所…
真っ白な大理石造りの清らかを形にしたような湯浴み場には香油の香りが漂い、その白む湯には花弁が漂う
要するに贅沢にも思える超豪華な風呂場である
■聖バティスタ >
「はぁ~ぁ…王都でも収穫らしい収穫なし…得られるもののない旅ほど疲れるものもないったら…」
ちゃぷんと白湯を跳ねさせながら鈴の音のような声を響かせるのは、聖女と呼ばれる少女
白磁の肌に温かな湯を滑らせながら、王都までの旅の疲れを癒やしていた
貧民地区での奉仕活動、王城での貴族相手の挨拶まわりに、少々危なげな会談…
諸々を済ませ、こうやって己が居城でもある大聖堂へと戻れば大礼拝の儀のお勤めがあり──
「この国は刺激に満ちているとはいえ…、みんなのだいすきなせいじょさま、でいるのも大変だわ」
結局己が愉しくてやっているだけの娯楽、いつやめても構わないからこそ続けていること
故にそう零すのは、ただの疲労を吐き出すだけの意味の薄い言葉
少し鋭い者ならば、この聖女が語る、零す僅かな言葉にすら欺瞞を感じるだろう
一人きり、呟き囀る言葉にすら信用がならないと
しかし少女は、そういった"性質"の持ち主だ
聖女を演じておらずとも…その存在自体が嘘で塗り固められている
「……ふふ」
年端もゆかぬ幼気な肢体を清める…悪魔すら息を呑むだろうその様すらも
■聖バティスタ >
ざ…、と湯を溜らせその見を湯から引き上げ銀の粒を払う様に白絹の如き髪を掻き上げる
その仕草はその幼気な肢体とはかけ離れた…不可思議な妖美を感じさせる
肥え太った王都の役人連中が舐める様な視線で見ていたわね、と
そう思い出し、くすりと艶めいた唇の端が持ち上がる
清らかなものを汚したいという薄汚れた肉欲に満ちた瞳
ああいう手合を掌の上で弄ぶのも、遊びとしては悪くない…豚を飼うことすら、この聖女にとっては娯楽だ
見え透いた策謀の巣に少しかかった振りをすれば、すぐにその醜い肉棒を振り翳し飛びついてくる単純さはとてもとても滑稽であることだろう
「次はそういうコトをしに王都に行くのも悪くないカナー♡」
くすりくすり
聖浄の間には底意地の悪そうな、それでいて可愛らしい少女の薄笑いが響いていた
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」から聖バティスタさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」にビデラさんが現れました。
■ビデラ > 聖天騎士ともなれば、もちろん決済の仕事も増えてくる
地位というのは責任を伴うものであるからだ
聖女の判断を仰ぐまでもない些事を片付けるのは自分の仕事だと認識している男は今日も自分の執務机に向かう
まともに寝ているところを誰かに見られたことがほとんどない、と言われるほどの働きぶりである
「ええ、香油の買い付けは…これとこれ、後はこれ
………。…いや、しかし…」
そして日常的に聖堂で使う物品の管理、稟議も彼の仕事である
大抵はそのまま慣例的に通しても問題のないものだが聖女に関わる部分は別だ
常にもっと良いものを、聖女を僅かながらでも癒し、あるいはその助けになるものを選ぶ必要がある
こればかりは時間をかけるのもそれが理由だ
この香油は自分の感覚では聖女に合っていたが、果たして聖女自身の感想はどうであったか
わざわざ聞くことなど彼は自分自身を許さない
及ぶはずも無いが…聖女の言動から類推し、その思考を追う努力はしなければならない
悩んでいるのは香油に使われている香りの種類である
聖女を補助するには、この世の香料は種類が無さ過ぎる
彼にとっては聖女そのものの香りこそ至高なのだが、聖女が香料を使う以上妥協は許されない
(……フローラルを主軸として、爽やかな香りも僅かに含まれたこれか…?
いや、近頃は乾燥によって火の扱い注意が出ているほどだ。保湿の方面も…
……馬鹿者…!!!その程度で聖女の潤いが損なわれるとは思えない…!!
ああ、不敬!!あの肌が渇くなど…、ありえない…考えてはいけない…
だが、思考を止めることもまた不敬だ。…億が一ということもある…あの肌に、ひとかけらの乾きすら許してはならない…!
常に湯を焚き、聖堂内だけでも潤いを満たさねば…。後は聖女の遠征の付き人には保湿を徹底させ…)
財源は湯水のようだが、それを考えなしに使うほど彼も馬鹿ではない
絞るところは絞り、使うところには使うように整えていく
…かなり、聖女寄りであることは間違いないが
そして止める者もほぼ居ないため暴走しがちである
「…この3つを買い付け、修道女にまず試します
及第点に達すれば聖女様の湯あみの際にふんだんに使うように。少しでも反応が悪ければ私の責任としなさい
その際、具体的な好みを万が一口に出されたなら、私に伝えてください。ただし、無い場合に聞くことは禁じます」
補佐にそう言いえば補佐の騎士は一度部屋を出ていく
…それを見送ってから、流石に彼とは言え一息つく
椅子に背を預け、目を閉じて聖女を思う…
結局、何事も無ければ5分後にまた働き始めるのだが、彼にとっては十分な休息である――
■ビデラ > きっかり5分後
疲労が抜けた表情で、また仕事を始めるのであった――
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」からビデラさんが去りました。