2024/11/12 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」に聖バティスタさんが現れました。
聖バティスタ >  
朝方、大聖堂の前には聖章を記した幌の馬車が数台並ぶ
騎士や司祭達が馬車に積み込むのは多くの食料、衣類、水、そして医療品である
多くの寄与や献金から成る物資の数々は、これから数台の馬車によって王都の貧民地区へと向かうこととなる

「それでは、参りましょうか」

静々とした足取りで現れるのは、騎士修道会のグランドマスター…聖女と呼び称される少女、バティスタ
多くの聖騎士が左右に並び立ち、作られた道を歩む様は宛ら十戒の再現だ

そんな彼女に傅く、護衛を務める聖騎士達も手練れが揃っている
腕が立つ…だけではない
聖女のためならば、信仰のためであれば命を賭けることが出来る狂信者も少なくはない

馬車の幌に記した聖章は、この馬車を狙うなかれという野党への警告ともなっているのだ

聖バティスタ >  
飢えと病に苦しむ貧民を救い歩く聖女
百余年以上前に聖女がこの地に現れた当時から行っている行為
慈悲と救済によって民を信仰へと導く、聖バティスタ派騎士修道会の基本的な活動でもある

聖女によって、騎士修道会によって
飢え、そして病や怪我から救われた貧しい人々に信仰の種を植え付ける
子供であれば純粋に、大人であればより深く
孤児院に迎え入れ、信徒として寝食の場を与え…
そうして、飽くまでも真っ当に、騎士修道会はその規模を拡大していった

「…♪」

馬車に乗り込み、幌の中で聖女は北叟笑む
正しき活動のベールに覆い隠された悪意
こんな腐れた王国で真っ当に生きることを強いられるなんて、可哀想以外の何者でもない
宗教という甘くも優しい逃げ場所に逃げ込み、信仰という妄執の中でまやかしの幸福を得る愚かしさ…

そんな人間を眺めるのがただただ愉しい
故に、"死"から遠ざけ、生きさせる───傍から見れば実に清廉潔白な行いに見えるそれが、余計に可笑しくもある

聖バティスタ >  
貧民地区での奉仕活動には必ず聖女が同行する
ついでに王城を訪れ、寄与献金の多い王族貴族への挨拶も含めた根回し、そして魔薬"神の塩粒"の密売
故に馬車数台を手配してのこの大掛かりな活動は、この修道会にとって大きな意味合いを持っているもの
王都までの旅は長い、次に大聖堂に戻るのは大礼拝の日取りとなるだろうか

聖女の護衛となる手練れの聖騎士達も乗り込み、やがて重苦しい車輪の音と共に王都への路を走り始めた──

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」から聖バティスタさんが去りました。