2024/09/25 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」にアガタさんが現れました。
アガタ > 聖女がおらずとも、日々の礼拝の儀式は執り行われる。
そういった際の儀式は普段より小規模で、孤児院の子供たちや、熱心な信徒たち。
大聖堂に詰める修道会の面々が集う程度のものだ。

それでも日々信徒や修道女たちによって浄められ、整えられている祭壇は、燭台の灯りも相まって眩い。

司祭が朗々と聖句を謳い、それに続く信徒の声を耳にしながら
カソックを纏った女はその儀式を守衛する立場の立ち位置に佇んでいる。

本来であれば自分も彼方側なのだろうが──
こちらの方が性に合っているという理由を知るのは修道会の者たちくらいだろう。

飾り気のない長杖を脇に手挟んで、従士の末席で祈りの言葉を聞きながら。
左右で色の違う瞳は場の変化を静かに観察していた。

アガタ > 聖薬が施されるわけでもない単なる礼拝で、問題が起きるとも思わない。
実際熱心な信徒の中には特別な立場の存在もいるのだろうが、自分には知らされていない。
知らない、ということは知る必要がないからだと認識している。

自身の分以上のものを求めるつもりはないし、こちらも提供できない。

厳かな文言を耳にしながらも、その場に必要以上に浸ることもない。
それは女が過去培ってきた経験によるものが大きいのは確かだった。

アガタ > 礼拝が終わり、信徒たちがいなくなれば静かなものだ。
粛々と後片付けをする修道士や、修道女。騎士や従士らも各々に宛がわれている持ち場へと散り始める。

カソックを纏ってはいるものの、従士としての性格の強い女は一瞬思案。
夜の祈りも悪くはないが、──固まった肩を解すのに打ち込みか…あるいは地下施設の巡回に行くのも悪くはないだろう。

修道会、というよりはこの神聖都市の暗部ともいえる地下は、地上の静けさとは真逆であることを知っている。

時に魔物めいた存在すら徘徊するその場所をうろつく理由は、常に身を焦がす痛みを紛らわせるのにちょうどいい。

どちらにするかは───ひとまず礼拝の片づけを手伝った後に決めればいいことだった。

「そのくらいは手伝いますよ」

修道女が二人がかりで運ぼうとしていた祭具を手にして、歩き出す。
その場を指揮する司祭に指示を仰ぎつつ、その場の静かな忙しなさの中に埋没していった。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート・ファルズフ大聖堂」からアガタさんが去りました。