2025/01/21 のログ
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ご案内:「タナール砦(過激描写注意)」に宿儺さんが現れました。
宿儺 >  
戦火渦巻くタナール砦。
今宵の戦場は王国側の勝利に終わり、魔物の軍勢は既に敗走していた。

──そんな戦場の一角にて。

『捕らえたのか?』
『ああ、捕縛(バインド)の魔術陣の多重がけでなんとか』
『乱入して暴れまわってたヤツってのはコイツか…』

十数名の兵士や傭兵に囲まれているのは、四肢を拘束され壁際に座り込んでいる一匹の女鬼。
流れる亜麻色の髪をざんばらに、むっすりと口を尖らせる様は…実に不満げである。

「不利と見て加勢してやったというのに、随分な扱いなことだな」

『莫迦いえ…お前が暴れまわったせいで前線は大混乱。無駄な犠牲がどれだけ出たと思ってるんだ」』

どうやらそういうことらしい。
知らんことだとそっぽを向けば、大きな溜息が辺りに満ちる。

宿儺 >  
『こいつ、首に賞金が懸かった鬼じゃなかったか』
『さっきそう言ったヤツが首切ろうしたけど刃が入らなかったって喚いてたぜ』

兵士達の力と武器で殺せず、かといって移動させれば陣から出すことになる。
取り囲みはしているものの、どう扱うべきな悩んでいるといった状態である。

「我のことは放っておいて、そら、勝利の宴で酒でも呑んでこい」

『そんなわけにいくか。術の効果が切れてまた暴れ出しても困る』

やれやれ、と肩を竦める女鬼。
どの道、魔術の効果が切れればひと暴れして拘束具をブチ切って逃げるだけ。
で、あればここで取り囲んで見張っていなくとも大差はない…と女鬼は思うのだが。

目の前で拘束されている女鬼は顔立ちを見れば、角こそ生えているが類稀な美人。胸や尻も豊満に実った牝であるが、
先の暴れっぷりを見ては兵士たちの誰もがそれを弄んでやろうなどと思う程は肝が据わっていないのだった。

宿儺 >  
結局包囲網は解かれず。
術を解いても暴れないと口約束をした上で、勝利の宴で振る舞われていた酒を一本頂くという取引で鬼は条件を呑む。

二度と現れてくれるなと砦の兵士達が辟易する中、
日を跨いだ戦場ではそれはそれ、これはこれ、と魔族の国側から現れ、今度は巻き添えではない損害を王国側に与えるのだった。

ご案内:「タナール砦(過激描写注意)」から宿儺さんが去りました。