2024/05/12 のログ
ご案内:「◆奴隷オークション(過激描写注意)2」にブラウさんが現れました。
■ブラウ > 何処かの古い屋敷
古い、というより由緒正しくも見える装飾は知識があるものなら驚嘆するほどに古い様式だ。
ただ、床に張られた絨毯は真新しいし、壁やあちこちを隠すように垂らされた布で視界は通らない。
その間を仮面を付けて歩き回る男女。
布の影でうなだれる、番号札の付いた首輪をつけた男女。
「こちらをお買い上げで?なら、入場時にお渡しした…そうです。番号と入札金額を」
布の影で一人の奴隷を連れた男に説明をしている男は仮面も首輪も無い。
仮面を付けた男は興奮したように奴隷を撫でまわすが、奴隷は何かを堪えるように唇を噛む。
「ああ、傷つけたりしないようにしてください。あと、見分を終えたらその奴隷は解放してください」
そのまま、頬を舐めそうな男へ一言釘を刺しつつ、奴隷をすい、と引き寄せ近くの執事風の仮面を付けて居ない老人へ引き渡す。
「入札決まるまでは、あの者はまだ他のお客様にご挨拶する必要がありますので」
不満そうな仮面の男へやんわりと後追いを止めるよう言いながら
「……他の者も見てやってください。お客様を待ってる者もいるでしょう」
低い声で耳元へ囁く。仮面の男は何かに気づいたように男を見ると、まんざらでもない顔で垂れ布の向こうへ消えた
「………さて。見回りするか」
営業スマイルを消すとうんざりした顔で呟き、布の間を歩きだそうとして
「……?」
■ブラウ > 何か言い争う低い声。
押し殺しているが相当苛立っている同士なのが判る。
「面倒な……」
舌打ちして呟くと、垂れさがった布を三つ跨いで覗き込む。
小柄な女奴隷が怯えて壁にうずくまって、その前で仮面の男二人が睨み合っている。
女奴隷を一瞥すると救いを求めるようにこっちを見て来る。
記憶が正しければ酷く童顔だが成人していたハズだ。
恐らく、人外の血を引いている。
「……お客様」
内心で溜息を押し殺しながら睨み合う仮面二人に声を掛ける。
殺気だった様子で睨む合う視線が此方を向いた。
「…決まり、をお忘れでしょうか。申し訳ございませんが、一度退館していただきますよ」
二人がはっ、と我に返ったように顔を見合わせ、奴隷を見やる。
奴隷は喉の奥でひゅ、と声を詰まらせて俯いた。
穏やかに笑って、仮面二人の肩に手を置く。
「検分以外の行為で奴隷を怯えさせるのは厳禁。明日また、お越しください」
仮面二人が何か口を開き掛けるのは、穏やかに見返して黙らせる。
「ありがとうございます。では、送らせますので」
近くを通る仮面を付けぬメイドを呼び留め、お客様は退館される、と伝えると一礼して男たちを促す。
二人の仮面は未練をたらたらに、だが、大人しくメイドに従って布の向こうへ消えた。
「……判ってると思うが、お前はとっとと今日中に、誰か適当な御仁に買って貰え。」
強張った顔の女奴隷に目を向けると諭すように声を掛ける。
「あの二人から逃げるのはそれが一番だぞ」
青ざめた顔で決心し頷く女奴隷に、頷き返して垂れ布をめくり後にする。
「ライド卿にでも伝えるか……」
奴隷をメイドに仕立てて遊ぶのが大好きな老人を思い出しながら館を歩く。
仕事はまだまだ、沢山あるのだ。
ご案内:「◆奴隷オークション(過激描写注意)2」からブラウさんが去りました。