2024/04/21 のログ
ベルナデッタ > 右手に剣を、左手に魔導カンテラを持ち先に進むベルナデッタ。
壁面に点々と魔導灯の明かりがあるといえ、地下水道は薄暗く不気味なもの。
その時、彼女の前から、ゆらゆらと歩いてくる複数の影。

「……魔物ではないようですね。」

各々が手にあり合わせの武器を持ちながら、にやにやと下卑た笑みを浮かべながら近寄ってくるのは人間の集団。
身なりからして海賊崩れか何かなのだろう。

「神々に背を向けるとは愚かな…。」

彼らの肌には、魔族への信仰を示す悍ましい刺青が彫られている。
魔族に操られているのか、それとも信仰の結果か、その瞳は狂気に満ち、焦点が合っていない。
ベルナデッタはカンテラを放り、剣を両手に握ると、振りかぶりながら駆けだす。

「征伐!!」

魔導カンテラがその場に浮遊し、明かりを提供するのを背後に、ベルナデッタは最も近い魔族信望者を袈裟斬りにした。
人数が勝っていようが、異端審問官に賊程度が勝てるわけもなく。
雄叫びを上げながらカットラスを振りかざす彼らを、ベルナデッタは次々と血祭りにあげていく。

「異端に慈悲なし!天誅!天誅!!」

華麗な身のこなしと、急所を一撃で断ち切る正確な剣技。
幼少からの修練と神々の加護が、ベルナデッタの身体を突き動かす。
次々と斬り捨てられていく仲間の姿に、人間の裏切者たちはたじろぎ、やがては浮足立って逃げ出していった。

「…捨て置きましょう。」

どうせ、元締めの魔族を滅ぼせば彼らには何もできない。
ベルナデッタは先を急ぐ。

ベルナデッタ > 「ここは……?」

幾度もの戦闘を潜り抜けたどり着いた先にあったのは、地下貯水槽。
周囲には禍々しい魔法陣が描かれ、邪悪な祭壇にはかがり火と、生贄の人骨が転がる。
ベルナデッタは周囲を見渡す。他に出入口のようなものはない。
となると、ここに魔族がいるはずだが…。

「……っ!」

その時、地下水槽の水面が泡立つ。
そして、水中の深みから、何かぼんやりと光るものがぐんぐん水面に近づいてくる。
それは勢いよく水面に飛び出し、ベルナデッタを睨みつけた。

「醜悪な……!」

頭から伸びた竿の先にランタンのような発光器官。
不揃いな鋭い牙に、白く濁った邪悪な瞳。
それは深海魚のようでいて、はるかに巨大だった。
不意に発光器官が激しい光を放ち始める。
ベルナデッタが己の危機感に従い飛びのいた瞬間、そこから放たれた火球が彼女が先ほどまでいた場所を抉る。
どうやら、単純な巨大魚ではなく、一端の魔族らしい。

「…魚のくせに人間を焼こうとは、生意気ですね?」

ベルナデッタは剣と、聖なる手榴弾を握りしめる。
そして、街の地下深くで、決して人々に知られぬことなき戦いが始まる――。

ご案内:「港湾都市ダイラス 地下水道(過激描写注意)」からベルナデッタさんが去りました。