2024/04/06 のログ
ご案内:「◆夜会のようなものの会場(過激描写注意)2」にブラウさんが現れました。
ブラウ > 一見、照明が暗く落とされた夜会のような光景。
黄昏を演出しているのか明かりは立食形式のテーブルに乗る燭台のみ。
給仕達は己の足元を照らすための小さなランタンを腰に下げている程度には暗く、参加者の顔が見ずらい。
その上、参加者の多くは仮面を付けていた。
だが、それよりその夜会もどきの光景を異様なものにしていたのはその多くは全裸だったことだ。
服を着ている参加者は異性、或いは同性の全裸の者らを従えて歩く。
服を着た客人をもてなすための乱交パーティだった。

全裸の者らの多くは奴隷か裏社会に多額の借金をした貴族の子女だ。
夜会の形を模している以上庶民の所作の者ばかりでは雰囲気が出ない。
もし、指定されなくても一定の、普通では稼ぎきれない額が参加褒賞として支払われると聞いている。
そして、今夜何かがあっても社会的には「無かった」事になるのを裏の社会を構成する組織が総出で補償している。
そういった「安全な危ないお遊び」を提供するのも仕事の内だった。

「………今回は、問題のあるお坊ちゃん、お嬢ちゃんは居ないはずだから気が楽なもんだ」

暗がりの隅っこ、濃厚に甘ったるい香が焚かれた大きなソファはそのまま「いたす」ようの部屋のように設えてある。
ソファに寝転がれば一見誰かが居るが誰が居るかはわからない。
そんなソファに座って面白くも無さそうに酒を呷る男は、爛れた夜会もどきを見渡して嘆息を漏らした。

ご案内:「◆夜会のようなものの会場(過激描写注意)2」からブラウさんが去りました。
ご案内:「◆設定自由部屋(過激描写注意)2」にブラウさんが現れました。
ブラウ > 会場を一瞬、暗闇が支配した。
参加者達から、小さな悲鳴や不機嫌そうな唸り声が聞こえる。

「面倒な…………」

一言呟くと酒杯を置いて傍らに居た服を着ては居るが侍女の恰好をした猫の仮面を付けた女に視線を向ける。
給仕達は腰に小さなランタンを下げて居るから判る。

「警戒と、ルグルム師に一応確認を。あのばあさんなら間違いは無いとは思うが。あと火」

一体の魔法的な警備を任せている呪術師の老婆の名前を出して、各燭台の再灯火を命じる。
侍女は慣れた風に貴族に使える侍女独特の一礼を返して腰のランタンの明かりを消し闇に消えた。

「何か、嫌な予感もするが……ただの、夜風なら良いが」

夜風、と意味ありげに嘯くと眉を顰めた。
人里離れたこの辺境では魔力を含んだ「夜風」が吹く。
魔法で灯されているはずの燭台が消えたのはそのせいだろう。
何せばあさんが急造した安物だ。
不機嫌そうな顔になりながら置いた酒杯を再び手にして喉に放り込んだ。

ブラウ > 灯が再び夜会の会場のあちこちに浮かぶ。
ざわついた人々のざわつきが徐々に収まって、爛れた空気の黄昏色に戻っていく。

「ごくろうさん」

いつの間にか、ソファの傍に戻っていた侍女姿の女に声を掛けると軽やかに一礼した。
特に返答が無いところを見ると上手く行ったのだろう。
一つ、嘆息を吐くと男は再び酒杯に酒を注いだ。
夜は長い。
朝まで客に付き合うのも仕事なのだ。

ご案内:「◆設定自由部屋(過激描写注意)2」からブラウさんが去りました。