2024/01/28 のログ
ご案内:「(過激描写注意)奴隷市場」にソフィーさんが現れました。
■ソフィー > 嗚呼、人間とはなんて愚かしいのでしょう。
そんな詩を場内の書庫で読んだ記憶があるけれど、こうして見ていればよく分かる。
魔族と人はそんなに変わりない、けれど大きく違うのは欲望の開放の仕方ではないかと思う。
魔族は欲望に忠実な者が多い気がするのは、里帰りする度に思っていた。
縛り付けて、犯して、狂わせて刻んで、それでもお互いが満ち足りる姿は、共に狂い落ちる捻れた愛情表現。
人間は理由がほしい、犯す理由、犯される理由、壊れる言い訳。
それらの一つがこの奴隷市場なら、作者にこう答えてあげたい。
人間は恥ずかしがり屋の嘘つきなんだよ、なんて。
壇上に引っ張り込まれた少女が鳴き叫びながら梁型を腟内にねじ込まれ、噛み合う歯車が冷たい杭をピストンさせる。
そんな少女のアナルに毒々しい程の緑色をした薬液を吸い込んだシリンダーを押し当てると、嘴が吸い込まれていく。
ぶじゅるるっと泡立つ粘液の音を響かせ、それを注ぎ込まれる少女の腹は膨れ上がる。
少しすれば、脂汗を浮かべる彼女が厠を求めて許しを請うけれど、観客は嘲笑うばかり。
そして、決壊した瞬間、茶色と黄土色が入り混じった糞がぶちまけられ、空気混じりの汚水が地面を叩く。
尊厳破壊に嫌ぁと泣き喚くのを、少し離れた場所から木箱の上に座って眺めていた。
「ご愁傷さまね」
何処の誰かも知らない少女へ向ける手向けの言葉に、感情なんて籠らない。
棒付きキャンディを咥えながら呟くと、コロコロと口の中でそれを転がしながら組んでいた足を解いた。
静かに降り立つと、指を絡めた両手を空に突き出して、背中を緩く反らしながらぐっと背伸び。
空を見上げれば今宵も輝く星空にはお月様。
それを見上げながら固まった体をほぐすと、宛もなく歩き始める。
他にショーをやってる所があれば、暇つぶしに眺めたり、ちょっかいを掛けてくる身の程知らずをシメたり。
今日は散歩気分のお出かけだった。
■ソフィー > 奴隷市場の案内板の前までやってくると、カラコロと小さな音を口から響かせながら見上げる。
見たからと行って、どれが誰かなどわからないのだが、スペースを多く専有している輩ほど何か見世物をやってそうだ。
それぐらいの認識で半目閉ざしながら見上げていると、背後から掛かる声に振り返る。
そこで何をしてるんだい、迷子かい? なんて、子供を心配する大人の定番なセリフだが、声色は別。
本当に子供を心配する大人なら、そんな鼻息荒くこちらを見下ろすこともなければ、血走ったような目もしないだろう。
ふいっと顔を背けて再び掲示板を見上げるが、あれやこれやと理由をつけて問いかけてくる。
次第に鼻息に掠れる喋り声が鬱陶しくなると、くるりとそちらへと振り返っていった。
「おじさん、なにか着いてるよ?」
そう告げると鳩尾の辺りへと手を伸ばしていき、指先で何かを摘まむ仕草。
大したこともない糸くずを掴み取る仕草と共に、指先に溜めた魔力を一点集中で接射する。
男だけには自身の体伝いに鈍い衝撃音が伝わり、それは急所の隙間から更に上へ破壊力を伝播させた。
肺を押しつぶし、強引に酸素を絞り出させると、咳き込むような声とともに胸を抑えてうずくまる男。
その姿に不思議そうに眉を顰めながら首を傾げると、するりと隣をすり抜ける。
「……ばぁか♪」
声をかける相手ぐらい、考えるべきだ。
一言に嘲りを込めて小さく紡げば、見上げる顔はニンマリと弓張り月の目となり、隙間から覗く赤が見下す。
唇の端も同じく釣り上がり、小馬鹿にした笑みをその男にだけ向けると、てくてくと再び歩き出す。
案内板に寄るとこの先にもっと大きなスペースを借りている奴隷商がいるらしい。
先程よりも愚かしい人間の一面が見れるかもと、狂った市場を楽しんでいた。
■ソフィー > 腹を抱えて呻く男を放置して、新たなブースへと向かっていく。
夜の奴隷市場に一人で歩く少女というのも悪目立ちするかもしれないが、気にする様子もない。
仮に悪事を働こうとすれば、先程の男のように返り討ちにすればいいだけだ。
自身を倒せるだけの輩がこんなところにいるはずもないだろうと、傲岸不遜にニヤつく。
人を小馬鹿にするような憎たらしい笑みを貼り付けたまま辿り着いた先は、確かに奴隷商のエリア。
しかし、軒先に人もいなければ、そこにある檻には目玉商品となるはずの奴隷もいない。
がらんどうな店頭にはてと訝しげに首を傾げるも、中になにかあるのだろうと思いながら踏み込んでいく。
「カビ臭……って、ここも空じゃない」
入ってすぐのエリアは奴隷を収める檻が乱立する。
商品棚にしては物騒で鉄臭いエリアだが、問題は困惑を浮かべる先にある檻の中だ。
垂れ下がる鎖の先には鉄の首輪が連なっているというのに、そこに捉えられているはずの商品はいない。
餌皿も使い込んだ跡こそあれど、こびりついた残飯もなければ小さな水樽も空っぽ。
在庫一斉セールで売れたとか? なんて思いながら指先で鉄格子を撫でながら奥へ進むと、たん、たんと指が降りを弾く。
そのまま更に奥へ行けば積み重なる檻で出来た交差点へたどり着く。
進むか、右か左か。
左右を見渡しながらも薄暗い天幕の中に人影も、気配もなければ、奴隷の姿も見えない。
変な場所だと、咥えた飴の棒がからりと上へ傾いた。
■ソフィー > 夜の散歩はまだまだ続く……。
ご案内:「(過激描写注意)奴隷市場」からソフィーさんが去りました。