2023/11/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区(過激描写注意)」にエインセルさんが現れました。
エインセル > 王都マグメール、貧民地区。いかがわしい店の立ち並ぶ通りの片隅を、一人の少女がふらりと彷徨う。
耳にはタグピアスを、首には黒革の首輪を、それぞれ奴隷の証として身に着けて、娼館のお仕着せの侍女服を纏って。
バフートに在る奴隷娼館の支店にお使いと称して放り込まれて幾日か、今では雑用小間使いとしてせっせと働く日々である。
今日も近くの店で薬の材料を発注してこいという娼館主の指示を受け、怪しげな店の立ち並ぶ通りにやってきた次第。
そうして様々なお店を練り歩いて注文をし終えたまでは良かったのだが、今度は娼館への帰り道が分からなくなったのだ。

「……こっち、じゃなかった。あっち?――うぅん、迷った」

どうしたものか。首を傾げて、しかし呑気で穏やかな気性の少女は、なんとかなるだろという前向き思考で歩みを進める。
歩き疲れたり飽きたりしたら、少しばかり足を止めてのんびりと休む。その繰り返しを三度続けて、次で四サイクル目。
奴隷であること、ミレー族であることを隠しもしないでちょこまか歩き回る少女は、周囲への警戒などまるでしていない。
傍から見れば、悪巧みに丁度よい小娘と言った所か。金子の類は持ち合わせていないが、その体を目当てとするなら格好の獲物だろう。

エインセル > そのまま路地を巡ること小一時間、ようやく見覚えのある道を見つけたならば、少女はぱたぱたと小走りに駆け抜けていく。
娼館主に遅いと怒られてしまったのは残念な話だが、なんとなく土地勘を掴めたのが小さな収穫だったのだとか――。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区(過激描写注意)」からエインセルさんが去りました。