2023/09/02 のログ
ご案内:「ナグアル1区エカルラート城(過激描写注意)」にネロさんが現れました。
ネロ >  
「この街、平和すぎない?」

玉座に偉そうにふんぞり返る城主は退屈そうにそう漏らす
側に控えた使い魔、肥えたピッグデビルの執事は恭しくそうでございますねと相槌を打っている

「何処の区画か知らなけど、中央区以外にも人間が入り込んだらしいじゃない。
 奴隷以外の人間なんて要らないんだから、さっさと殺すか奴隷にするかすればいいのに」

肘置きに頬杖をつき、脚を組み上げて煩わしさを表情に出しながら言葉を零す
周りの者たちはまたはじまったか、といった様相
無論それを口にすればタダではすまないのが理解っている故、みな口を噤んでいた

城主、魔王の娘ネロは人間が虫唾が走る程に嫌いなのだった
理由は数あれど──魔族の国、ひいてはタナール砦へとに攻め込む王国の軍勢が絶えぬにも関わらず、
それを本気で駆逐し砦を守ろうとする魔王の少なさ、それに人間が増長しているのだという思いが強く
それ故にもとより下等な存在と見下している人間への鬱々しい感情が沸き立っているのだ

ネロ >  
魔族の国に在る、欲望の街ナグアルには人間であっても安全に入ることが出来る
それは、魔族に対して敵意がないことを示す──それを示す相応の金品などが要るモノでもあるのだが
それらはある程度仕方がないとしても、不当に侵入する者もいるのだ
無論そういった人間は見つけ次第捕縛され、あまりよくない末路を辿ったりもするのだが

それはそれとして、争いを好まぬ魔族が集まる街という側面もナグアルには在った
人間の領土との境界たる砦から離れていることや、街の形状などもあり、戦火自体が及ぶことは殆どない

街の統治者たる12の悪魔も、ネロのように軍勢を率いて砦を落としに遠征する者は他にいない
それを不甲斐ないと見るのは魔王の血統故か

「ふん、アタシの区画以外に口出しなんかはしないけどね」

とにかく気に入らないのだろう
憮然とした表情で組んだ脚をゆらゆらと揺らす様子に、いつ癇癪を起こすかとお付きの者たちは気が気でない様子である

ネロ >  
「苛つく。奴隷1、2匹、アタシの部屋に連れてきて」

玉座から立ち上がり、ガウンを翻し自室に向かうネロ
頭を下げ了解の意思を伝えた従者は魔王の娘が玉座の間から去ると、小走りに駆け出す

傲慢と我儘が服を着たような、ナグアルの序列一位の悪魔は今日も平常運転だった

ご案内:「ナグアル1区エカルラート城(過激描写注意)」からネロさんが去りました。