2023/08/19 のログ
ご案内:「◆街郊外丘陵の木立(過激描写注意)」にノールさんが現れました。
ノール > 街道を挟むように小さく密集する木立。
そもそも、街道自体が見通しが悪く遠く隠れると一つ丘向こうとなる。
賊の類が頻発する危険地帯ではあるが、日が高いならぐっと危険は低下する。
だが、今は白い月が出ている程には夜中だった。

獣臭い匂いは樹木や腐葉土の匂いに紛れてしまい、馬や犬など獲物が同行している獣に気づかれにくい。
だが、待つ狩りは苦手だった。
犬や狼に似て非なる、より獣性の高い、有り体に言えば知性が無い獣面は面倒そうに大きく欠伸を漏らした。
木立が無くば目立つ大柄な体躯、歪んだ猫背の前傾姿勢、全身が獣毛に覆われ太い尾が地面を撫でる。
人の頭なら握りつぶせそうな大きな掌には歪んだ片刃の斧が下げられていた。
片手に一丁ずつ。
手入れもされておらず、刃こぼれが遠目でも判る。
汚れに塗れているがそれ故に、金属の匂いも全くしない。
やや間抜けに見えるが狂気を覗かせる獣の瞳が街道を眺める。
それは、狩りをする捕食動物の日常そのものだった。