2025/05/27 のログ
プリスカ > 魔族達の侵攻を防ぐはずの王国の要衝、タナール砦は陥落寸前であった。
なだれ込んだ下級の魔物達が人間の兵士に襲い掛かり、王国の誇る騎士達を強大な魔族が軽く蹴散らす。
砦の内部は阿鼻叫喚の有様であった。

「もうお終いかしら?相変わらず人間は脆いわねぇ」

特に王国軍に打撃を与えていたのは、一人の女魔族。
魔族ならではの強大な魔力を振るい、人間界では禁忌とされるような魔術を平然と振るう。
勇気ある騎士も、知恵を絞る魔術師も、彼女の前に悍ましき屍を晒す。
プリスカは、踊るような足取りで砦を進んでいく。

「あらあら…必死になって祈っちゃって」

プリスカがたどり着いた先に居たのは、必死になって負傷兵に治癒魔術を施す主教の従軍僧侶達と、それを守る聖騎士。
彼女らは顔に絶望を浮かべながら、必死に己の神に救いを祈っている。

「でも……助けなんて来ないわよ?」

だが、それを嘲笑うように、全てを破壊するプリスカの魔術が放たれようとしていた…!

プリスカ > それから一日と経たずに戦闘は終了した。
砦に翻っていた王国の旗は乱雑に引きずり降ろされ、磔にされた王国兵士の亡骸が代わりに立てられている。
あちこちに討ち捨てられた死体は未だ片付ける者もおらず、生き残った者達も縛られ、絶望の表情で魔族の国へと連れ去られていく。

「ふふ、あっけなかったわねぇ」

砦の尖塔の一つに腰掛けながら、魔族軍を見下ろすプリスカ。
やがて彼女は次なる暗躍の為、転移魔術を唱えると、何処かへと消え去った――。

ご案内:「タナール砦(過激描写注意)」からプリスカさんが去りました。