2024/09/14 のログ
ご案内:「セックスクラブの乱交場(過激描写注意)」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 「はぁい、それじゃあ、また必要になったらいつでもおとりひきくださいっ」

王都の奥底、相応しい金銭か紹介さえあれば通う事のできる幅広い客層のセックスクラブに、似つかわしくないあどけない声が響く。

クラブの奥、客が出入りしないVIPルームとスタッフルームが並ぶ、大理石づくりの豪華な区画の一室から出てきた小さな薬師は、
そこを運営するスーツ姿の美女たちにぺこりとお辞儀して足早に出ていこうとする。

このクラブに充満する桃色の、酒気よりも麻薬よりも男女を狂わせ昂ぶらせる香。
合法に盛り上がれる精力剤も兼ねたセックスドラッグ。
確実な効力の避妊薬・あるいは妊娠促進剤。

その他にも、種族変化や状態変化、肥大薬、年齢変化薬、下剤の類など、様々なニーズに合わせた薬を、
このクラブの店内販売用に特別に卸していたのだ。

街角のテントのおくすりやさんの一面とは異なる上客のテリトリーに内申は尻込みしつつ、
ここでハキハキと気丈に振る舞い、飄々と立ち去ることを薬師は心がけていた。

でなければ、男娼の類への熱烈なスカウトや、酒と薬に酔った客に乱交に招かれたりと、目に見えるリスクを回避できると少年は踏んでいたから。

「……うそ…まよった…」

しかし、どこか迂闊な少年は、時折すれ違う乱痴気騒ぎで交わり合う客や店員から目を伏せ気味に帰路を目指していたためか、
ものの見事にVIPルーム辺りで帰り道を見失う。

様々な出会いや行為を楽しめるよう、あえて迷路状に入り組んだフロアを恨めしげに思いながら、
なるべく人の気配のない道を選んで、こそこそと迷い込んだ子羊と化し、
時折視界をかすめる肌色同士のふれあいやいざなう声を、足を止めて見入ってしまわぬよう、
顔を真赤にして、桃色の服の裾をきゅっと掴みながら速歩きで通り過ぎる。