2024/03/03 のログ
ご案内:「◆尋問部屋(過激描写注意)」にブラウさんが現れました。
ブラウ > その部屋はこじんまりとした空間だった。
部屋、というより空間である感を出しているのは窓も柱も見えないからだ。
ドアのような長方形の何かで出来た板が一面にあるだけで、あとはのっぺりと黒い面で覆われている。
床、壁、天井はすべて「それ」であり、何となく明るいのも不気味だった。
光源が無いのに気付くとみている光景が不安になってくる者が多いと聞く。

「こんちは。お初にお目に掛かるかな」

片手に酒瓶を下げて、空いた手に奇妙な小瓶をこわごわ、と持つ男はドアのようなその板切れをくぐって表れた。
魔術や魔法に詳しいものならこの空間自体が何かの魔力で形成されていると気づくだろう。

「実は、俺も良く分かってないんだけど、どうやってここに来たか自覚している限りで聞いても?」

真っ黒な壁や床は何となく柔らかさを持ち、温かい。
生き物に似て、不気味だ。部屋の備品は2脚の椅子と小さなテーブルのみだ。
その片方に腰を下ろして男はこの部屋のもう一人の住人に疲れたように話を促した。

ブラウ > 「ふんふん」

相手が恐怖に震える声で小さく吐露していく様子を頷きながら聞いて。
視線を伏せて喋る様子を妙に冷めた目で眺めて小さく首を捻った。

「話を聞いてる限り、まあ、君じゃなさそうだね。大丈夫」

うんうん、と頷くと身振りで手を出して、と手を出させ。
相手の掌の上に小瓶の中身、黒い粒をころりん、と一つ零す。

「これ飲んで。酒要る?。ひどい味らしいから飲めなくても一緒に呷った方が良いと思うけど」

片手の酒を示すが相手は震えながら視線を往復し。
飲むしかないのだ、と気づくと小さく首を振ってそれを口に入れた。

その途端、糸が切れたように崩れ落ちる。

「何度見ても、怖えな。この薬。後は処理して貰おう」

手にしてきた酒瓶は昏倒した被害者を表通りの片隅に転がしてくるように頼む為の賄賂だ。
頼む相手は「面倒だから」と殺して川に捨てる事も辞さない程度の倫理しかない。
小さく息を吐くと男は黒い部屋を後にした。

ご案内:「◆尋問部屋(過激描写注意)」からブラウさんが去りました。