2024/02/12 のログ
ご案内:「◆町外れの街道(過激描写注意)」にノールさんが現れました。
ノール > 遠くに街がうっすらと見える距離。丘が視界を遮り見通しが悪い街道は賊達の絶好のポイントだ

「…………。」

勿論、モンスターにも言える。猿臂で猫背の姿勢、頭は大きく顎がシルエットでも判別できる。
狼という程洗練されていない、野犬じみた顔立ちの獣の頭が汚い歯並びをむき出しにしてあくびを漏らした。
肩に微妙に歪んだ柄の斧を担ぎ、普通ならば人が佇むのも苦労する急斜面の丘に生えた木立に寄りかかっている。
街道から見た時、獣人の姿は見えないだろう。
耳だけがパタパタと動いた。
顔出しもせず、匂いと音で近寄る獲物を探っているのはまさしく獣だった。

ノール > 日が落ちて、月が高く上った

「くああああ」

人染みた声を漏らして、伸びをする。
長い、腕と猿臂がぞろり、と立ち上がり人のような人ではありえない長い、影を落とす。
担いだ斧をどすん、と地面に突き刺すと獣の頭が改めて周囲を見回す。
だが、眼よりも距離を稼いで感知できる耳も鼻も獲物を知らせては居ない。
だから、それは諦めるための儀式だ。

鼻先から、ふん。と息を吐くと獣人は背中を丸めて斧を片手で地面から引き抜いた。
ひょう、と長柄斧は宙を半転して肩に担がれる。
獣人はとぼとぼと歩き始めた。
今日の狩はもうおしまいだ。

ご案内:「◆町外れの街道(過激描写注意)」からノールさんが去りました。