2023/11/05 のログ
ご案内:「◆街道から外れた山道(過激描写注意)」にノールさんが現れました。
ノール > 錆びた血臭が漂う。
それほど濃くはない。たかが、人二匹分ではそう多くはない。
横転した二頭立ての馬車の近くにウロウロと動く大柄の獣のシルエットが月光下に蠢く。

一見、ブサイクな狼かと見えるそれがすい、と直立した。
極端な猫背が歪だ。底光りする獣の眼が周囲を睥睨する。

「グルルウルル……ゥ」

低い唸りが不機嫌そうに流れる。
獣人は失敗した、と思っていた。一番の食いでがある馬を逃した事だ。
せめて、酒でもと思ったが積み荷は良く分からない食器や絵画だ。
こういうのが、金になるのは知っているがどうすれば金になるかは知らないし興味もない。
飯酒牝。
獣人の嗜好は単純極まりなかった。

ノール > 獣人の姿が横転した馬車に潜り込み姿を消す。

暫くして、斧を腰に下げて両手にビンを掲げた獣人が顔を出した。
酷く何かを毒づくように数回、小さく吠えてから馬車から這い出て伸びをする。

肩越しにちらりと血溜まりを一瞥するが、もはや興味を失ったように背を向けて歩き去った。

ご案内:「◆街道から外れた山道(過激描写注意)」からノールさんが去りました。