2023/09/11 のログ
魔王ダークロード >  
砕けた魔水晶
かつてその城の魔王が封じられていたそれが砕けた、成れの果て
そうして復活したはずの魔王は…実に中途半端な姿であった
かつての魔力や、姿はどこへやら……

つまり、この大きな欠片達の中にまだ自身の全盛期の力…ひいては魔力が残っている筈なのだ

「どうにかして封印を破り力を取り出せればなのだが…ぐぬぬ」

コンコン、と叩いてみても音がするだけ
これならばと掌に炎を灯し、投げつけてみてもウンともスンとも言わない

「ぬええい!」

そのうちに苛立ちが募り、思いっきりボロボロの絨毯の敷かれた床へと叩きつける
ガッッ、という硬質な音と共に大きな欠片が跳ね、少女の脛へと激突する

「ぐああああ!」

少女は一人、玉座の間でもんどり打っていた

魔王ダークロード >  
「いたたた…。むぅぅ、我の力…このナカにある筈なのだ……」

座り込み、欠片を拾い上げてゴツゴツ、と床に打ち付ける
…頑丈である。よくこんなものが砕けたモノだ
自分が封印されてより経過した時間を考えれば、封印に綻びが出てもおかしくない程の時間が流れてはいたようだが…

「やれやれ…なんとかして方法を見つけなければ…うぐぬぬっ、重い…っ」

両手で抱え、玉座の裏に隠れるように置いてある宝箱の中へと納めてゆく
欠片は全部で7個
この身に宿る力がゴミクズ同然であることを考えれば、一つにつき7分の1の魔力が復活する
………はず、である

全ての欠片を回収し終えれば、ぜえぜえと息を切らせ、玉座に突っ伏していた

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かつて自分がふんぞりかえっていた大きな玉座に突っ伏しながら、呼吸を落ち着けつつ考える…

これから、我がすべきこと
無論、魔王である以上は混乱と恐怖を振り撒いてやりたいところである
しかしそれには足りないものが決定的…
当面、やるべきことは大きく別けて、2つ

一つ、かつての力を取り戻すこと
全てとは言わぬまでも、全盛期の半分まで戻れば十分に力としては足る

二つ、かつて自身を封印した人間への復讐
経過した年月を考えれば当人は生きてはいないだろう
しかし人間は子孫を作る。必ず忌まわしき一族の子孫が残っているはず
その者達への復讐だけは成し遂げねば、魔王のプライドが赦さない

そして番外…今必要なもの
力が戻るかどうかは補償がない
ならば新たな力を得ることも考える必要がある
この魔王は意外に聡明であった
人間でも魔族でもかまわぬ、その心の臓を喰らえば多少なりの魔力を得ることが出来る
…それ以外にも得る方法は一応あるが、魔王としてのプライドが赦さない
意外に聡明ではあったがプライドを捨てられない愚かさも同時にあった

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そして、人間を恐怖のズンドコに陥れる軍を結成するのだ
そのためには新たな従者を得る必要もある…
かつての従者…全盛の我を知る、生き延びた魔族は…一応いる。いるが…
忠誠を誓っているようでいて、どうもその視線というか、目つきというか…が気になる
なんか(よこしま)なものを感じるような…いや、邪悪な者たちだから当然なのだがそうではなく
それに彼らが忠誠を誓っているのはかつての自分である
万が一、力が戻らぬと理解ってしまったら…離れてゆくかもしれない

「うむぅ…欲しいものが色々あるぞ……」

突っ伏すのをやめ、今の自分には大きすぎる玉座へと飛び乗る…のはできなかった、よじ登り、腰掛ける

「しかしまずは一人…良いように使える者を従える必要があるな…」

そのために必要なものは…やはり力か
そう、仮初めでもよい、人を引き付ける、縛り付けるはまず力である
嘘を吐いてでも、従えさえすれば…

「…よし、嘘をついてもバレなさそうなバカを探すぞ」

プライドは、とりあえず置いておく
妥協も肝心である

魔王ダークロード >  
バカを探す…
意外に難しいではなかろうか
しかし考える、魔王は意外に聡明であった
ただのバカでは使い物にならない…バカで、使えるヤツでなければ
たとえば、脳みそまで筋肉でできているやつ
いかにも力だけはありそうな…単純なやつ
これに限定すると案外そのへんにいそうではなかろうか?
ご褒美をちょっとちらつかせるだけで、ほいほいついてきそうなイメージ(偏見)がある

「となると街か、集落か……このような朽ちた城にいても始まらん。足を伸ばす必要があるのう」

ゆったりと脚を組み上げ、呟く
玉座の上でこうしていると、全盛期の自分を思い出し懐かしくなる
あの頃はこの景色に、数え切れぬ従者がずらりと並んだものだと

魔王ダークロード >  
「───Zzz」

過去を想っているうちに眠りにつく
ぽんこつのくせに少々頭を使いすぎたのだろうか
安らか…というにはやや残念な、涎を垂らした寝顔を晒しながら、微睡みに沈んでいた

ご案内:「地底城ネルゴル(過激描写注意)」から魔王ダークロードさんが去りました。