2024/03/11 のログ
■シャーニィ >
「……つまらぬ。ああ、つまらぬ。
実に、つまらぬ結果であったな。
これで吾が、吾として完成するかと思ったのだが。」
黒のシャーニィは、眉をひそめ心底面白くなさそうに言葉を紡いだ。
赤のシャーニィは、いつもの思慮深い顔をして佇んでいた。
「ァネルサゥ ァヘラゥ シャーニィ ゥライノモトゥ
ァベクノゥイク ァタム ォズルク」
黒のシャーニィはそれだけを言い残すと、霧のように消え去った。
あとに残ったのは、真紅のドレスを纏ったシャーニィのみ。
「……まったく。
シロナは愚かだ、本当に。
それでよかったのか?」
珍しく、どこか困ったような顔をして紅いシャーニィは問いかける。
「あれで決裂するかと思ったのだが……
本当に、困ったやつだ。アレもすっかりと呆れたようだ。」
吐息が漏れる。
「では、吾として決を伝えよう。
吾は、どうやらシロナと並び立って共にありたい、と思っているようだ。
そして、そんなシロナと共にあるためにシロナを欲している。
思い返せば、”シロナには敵わない”といっていたのも。
シロナと同じ視座でありたい、という吾の表れであったのだろう。」
まったくもって度し難い、と息をつく。
「……吾からは、以上だ。
これが、愛、と呼べるものなのか……吾にはわからないが。
これが答え、で……よいか?」
表情を伺うように、シロナを見つめた。
■シロナ > 片親から、邪竜ファフニールの因子、もう片親から、淫魔の因子。
そして、それを取り持つ人としての因子。
それがシロナを構成する、因子の全てであり、魔に特に偏っている、双子の姉も同じ、だ。
姉の方は淫魔の因子の方が強いが、それは、今はいないので気にしないことにしておこう。
もし、それを邪神が取り込むことが出来たのならば―――彼女は本当の意味で、邪神としての覚醒を、復活の一歩を踏み出したのだろう。
その可能性が、断たれた、という訳ではない。
なぜなら、シロナは共に在る事選択しているのだから。
黒い彼女が消えて、真剣なままの彼女の表情のシャーニィは、其処に居るのだ。
「邪神に粉を掛けるんだもの、半端な覚悟でしてられないと思うけど、ね?」
ぱちり、と軽くウインクを零して見せる。
別に、邪神を御しようと思って居る訳でもないし、邪心を持って付き合っている積りもない。
彼女は、彼女であり、シロナの良き友人であり、彼女候補。
力を失った神、だからこそ、考えられえるのだ、いつかの彼女を、全盛期を取り戻したいという感情。
それを、要求する事。
それは今だったし、未来も、それを求められることが無いとも言えない。
「人間って、神や悪魔を呆れさせるほどに、欲深い生き物、だから。」
屹度、これが、答なのだろう。
彼女が欲しい、ただそれだけ。
そして、彼女の最終的な、返答を聞いて、シロナは頷いて見せる。
「良いも悪いも、ないと思うよ。
愛を知らないなら、これから覚えれば良い。
あと、これは、答のあるモノじゃないんだ。
一緒に居て、時間をかけて、想い出とかいろいろ蓄積して。
後になって、ああ、良かった、悪かった、と遠い先で、思い出せるようなもの、だからさ。」
アタシ達には、その時間があるんだから、と。
ウインクを一つ。
「シャーニィ。好きよ。」
臆面もなく、彼女に好意をぶつける。
■シャーニィ >
邪神は淡々と真の復活を願う。
今更戻ったところで求めるものはないというのに。
そのためには、己自身を打ち砕いてもいいとさえ思ったが。
あてが外れた。
二兎を追い、どちらも得ることは出来なかった。
残ったのは……
「そう、だな。そうだった。
……シロナを信じられていないとはな。
愚かなのは吾の方だったか。」
邪神であろうと、なんだろうと。
ただただ、シャーニィ自身を。今のヒトの身に宿る自分を求める。
そういうシロナだからこそ、此処に至ったのだ。
今更、その決意の程を測るなど浅慮にもほどがあったか。
紅いシャーニィは、安堵と戒めを心に抱いた。
「……ああ、そうだな。
これから、愛、を覚えればいい。いや、改めて。
シロナと共に、学ばせて欲しい、と思う。」
いつもの思慮深い顔が、少しだけほぐれる。
わずかに、笑みが浮かぶ。
「ああ、そうだ。今なら、その言葉も吾に響く。
シロナ、感謝する。吾に好意を抱いてくれてありがとう。」
素直な好意をぶつけられ、シャーニィは感謝を告げる。
■シロナ > 「信じるに足る存在でなかった、というだけ、だと思うんだ。
それに、無償で信じる事が出来るのは、聖人だと、思うよ。
愚か、とかそう言うモノじゃ、ないよ。」
彼女が、邪神だから粉を掛けたわけでは無い、でも。
邪神だとしても、彼女の性格、性質が好ましいから声を掛けた。
仲良くしようと思ったのだ。
「ふふ、黒い方も―――時には、遊んで欲しいなって、伝えといて。ね?」
紅、黒、そんなの一面でしかないのだ。
シロナだって、邪竜の、淫魔の、人間の、と有るのだ。
だから、時には一緒に遊ぼう、悪い事もしよう、なんて誘いかける。
「うん、これからも、よろしく、ね?
愛を一緒に覚えて行こうね。
それと、好意も……いっぱい、向けていくよ。
……エッチな気分とか、お誘いも向けて、良い?」
感謝を告げてくれる彼女に。
シロナは、頬を染めて問いかけてみる。
そう言う目でも、見たいんだよね、と。
紅い方も、黒い方も、両方とも―――抱きたいな、とも。
■シャーニィ >
「いや、それは……信じるに足らなかったなどとは……う、むむ……いや、うむ。
その、おそらく、だが……不安、だったのだろう、な。
吾の内のアレを知って、見限られることを、な。
……アレも、ソレがわかってて出てきたのだろう。」
どちらに転んでも、黒のシャーニィにとっては得しかなかった、はずなのだ。
結局、第三の選択をされたせいで思惑は全て吹き飛んでしまったのだが。
「い、いやまて。アレを……いや、うむ。
欲深、なのであったな。いっそ、アレを御してもらったほうがいいかもしれないな。」
黒の方も、と言われて珍しく慌てるカノジョ。
しかし、一転して。或いはシロナなら、と思い直した。
なにしろ、結果的にかもしれないが出し抜いたのだ。
「……ああ。そういう話、でもあったな。
うん。そういうことは、吾は経験がない。
それで、よいのであれば……いや、きっとよいのであろうな?」
頬を染めて問いかけてくる相手に、肯く。
答えはもう決まっているだろう?とばかりに。
■シロナ > 「色々あるというなら、そう言う不安もあると思うよ。
それに、驚いたもの、黒い方のシャーニィが出てくる、なんて。
でも、さっきも話したけど。シャーニィはシャーニィだよ。」
どちらに、というのは、屹度。
赤か、黒かという意味なのだろう、両方を選んだので、驚いている、との事なのだと、思った。
「あは。
寧ろ、引かれたかなって、思ったのよね。
御するとか、考えてないけど、今も。」
慌てている彼女、でも、きっとこの会話も、黒い方は聞いているのだろう。
先ほど出て来た時も、シロナの事を知っているようだったし。
だから、シロナは、お任せ、なんてウインクもして見せて。
「ふふ、あのね。
シャーニィ、これは、アタシの欲望でもあるの。
シャーニィの初めてを奪って、アタシを刻み付けたいなって。
孕ませて、貴女と、子孫という名の絆を作りたいなって。
それも、アタシの愛の形の一つ。
先程の、黒い方、も……ね?」
決まっているだろうという彼女に頷いて見せて。
そっと、手を差し出す。
「奥の部屋に、行こう♡」
その誘いは、そう言う積りだ。
手を取るならば、交わる積りだ、と。
■シャーニィ >
「アレは、吾の奥の吾の核でもあってな。
今は吾が主導しているが、自分が主導することを企んでいるフシがある。
だから、今回はそれも狙って出てくることを承知したのだろうな」
あわよくばシロナを取り込み。
それが叶わなけくとも、逆に離れたならば……と。
多重に得があったはずなのだ。
「まあ、引いてはいるだろうな。
アレもあの答えは予想していなかったようだしな。
吾も少々溜飲が下がったというものだ。」
御する事は考えていない、などというが。
きっとカノジョが関われば、アレも変わるのではないか、などとシャーニィは思う。
「……いや、今度ばかりは吾も呆れる。
本当に欲の深いことだな」
黒も、赤も。どちらも愛する対象にしようなどという。
その愛も、とても欲にまみれて、いっそ清々しい。
わかってはいたが、実に贅沢だ。
呆れてしまう。と、同時に。
自分でも不思議なほど、愉快に思ってしまう。
だから。
差し出された手を取った。
■シロナ > シロナの意思を知ったうえで、呆れを認識していた。
それでも、と彼女は、シロナの手を取った。
だから、彼女の手を握り、マスターに追加料金を支払い、鍵を預かる。
「じゃあ、行こう。」
シロナ達は、奥へと、移動していく―――!
■シロナ > 【部屋移動します】
ご案内:「平民地区 カフェ」からシロナさんが去りました。
ご案内:「平民地区 カフェ」からシャーニィさんが去りました。