2025/04/01 のログ
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ご案内:「平民地区 酒場」にエアさんが現れました。
エア > とある貴族に招かれた社交パーティーの帰り道。
唐突に雨に降られて駆け込んだのは何時もの酒場である。
店名のひとつでも覚えた方がいいとは思うが、いつも店に入る前に看板を見損ねる酒場。

この店は冒険者や様々な職業の人間が利用する酒場だが、
気に入っているのは店の雰囲気ではなく、ここのお店がだすチョコレート。

富裕地区で購入できるチョコレートとは違う、一流のパティシエとは違う、雑で適当で甘ったるい、この店自慢のチョコレートが好きなのだ。

今夜は少し雨水を吸った服装なので、店が汚れぬようにと出入り口に近いテーブル席を借りて、
温かいココアとチョコレートの盛り合わせを注文する。
特にチョコレートには黒胡椒を少しかけてくれと、一般的ではない注文を加えつつ、
両手をすり合わせて暖を取りながら、注文の到着を待つのだ。

「唐突に降ってきたもんなぁー………。」

出入り口に近しい席なので視線を店内より外せば、窓から外を眺める。

切れ込みのないのっぺらとした真っ白な仮面の奥で瞳を細めて、シトシトと雨の降る平民地区通りを眺めるのであった。

エア > しばらくして陶器のマグカップに注がれたココアと、
白いお皿いっぱいのチョコレートが届く。
運んできた給仕さんに幾らかのチップを渡すと、冷えた体にココアを、乾いた口には甘いチョコレートを。

今夜は雨が止むまでゆっくりとした時間を過ごす。
寮母や寮の友人用に贈答用のチョコレートを忘れずに注文しようと心に決めると、後は自分がチョコレートを楽しむだけで。

ご案内:「平民地区 酒場」からエアさんが去りました。