2025/02/24 のログ
:: [一覧へ] :: :: ::

ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > そろそろ春の息吹が聞こえようか、いやいや待った騙し打ちだ!
…というような、冷え込みが厳しい王都の夜。
日中の営業時間はとうに過ぎ、食事処兼酒場としての業態に近しくなっている冒険者ギルドの端っこに。
ちょこんっと、小さな小さな依頼人が腰を掛け、壁に貼り出された依頼書を見るでもなく見て。
オペラグラスでもないと文字を識別できそうにない距離だが、”妖の眼”のお陰ですらすらと。
正直な所、依頼の数は多くない。
それは、ここが冒険者ギルドの中でも小ぢんまりとした出張所だからか。
無計画に拡張を続ける一国の都に、拠点が一つきりというのは効率が悪かろうと。
これまた、無計画に出張所を建てたせいともいえる。

「むぅ、流石に喰い付きが悪いかのぅ。」

木製テーブルの上、ワンプレートで豚肉の塩漬け、ジャガイモの香草揚げ焼き、キャベツを乳酸発酵させた付け合わせが並び。
木匙で、丸っこい芋をころころころり。
実は、壁にピン留めされている羊皮紙の一つは、このちっこい商人の依頼だ。
本来なら依頼人本人が出張ってくるのは非効率なのだけれど、気まぐれに夕餉のついでと足を運んだようで。
内容はご多分に漏れず、隊商の人足もしくは護衛の募集。

ちょっとでも興味を示す者が居れば、ヘッドハンティングという名の長広舌による”説得”を目論んでいるらしい。

ホウセン > 「空振りかのう。」

という声は、誰彼かの鼓膜を揺らすことは無く。
代金の支払いを終え、小さな商人は外へ――

ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」からホウセンさんが去りました。