2024/12/01 のログ
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ご案内:「街道沿いにある寂れた社」に淫堕仙人さんが現れました。
淫堕仙人 > 街から少し離れた場所にある社。名もなき神か名のある神なのか定かではない存在が祀られている社に一人の老人が腰を下ろしていた。
朽ち果てた朱鳥居は根元から折れている。
信仰心の薄さをのぞかせるように注連縄も何もかもが朽ち果てた様子。
だが、最近は誰かが手入れをしているのか古木で作られた社の本堂だけはかろうじて維持出来ていた。
狭いながら、大人なら一人二人が入る事の出来るお社の中は薄暗く、けれど埃っぽさはない。
古木の香りは不潔感もない、人を安心させるような香りに満ちている。

「ふぅ、と。年寄りには矢張り座っての酒が一番じゃわい。」

その社の本堂の中に腰を下ろしている老人は恨めし気に外の天候――わずかな雨を降らせている鼠色の空を見て嘆息を。
神様の像といったものは昔はあったのかもしれないが、今はそんなものもない。
持ち去られたか、破壊されたか。それとも信心深いモノが持ち帰ったかは分からないが。

「のう、神様や。肉のない世界で生きるのはどんなモンじゃろうなぁ。」

自分は神ではなくむしろ真逆に近いモノ。
理解していればこその問いかけ、答える存在はないだろうが、暇つぶしみたいなものだ。
独り言ちた後で鼻から伸びる煙管を通し、ぷかり、と煙を吐き出していた

淫堕仙人 > 肉があるからの楽しみ
肉を捨てたからの楽しみ
享受できるのは片方だけである。今煙を吸い込み、気分を酩酊させる煙草も。腰に下げている小さな徳利に入っている酒も肉があってこその楽しみ。
何より、肉の快楽や征服欲といった物は解脱してなお自分の心を昂らせてくれる。

「そっち側の快楽や楽しみと言うのも味わっては見たいが。
一方通行でしかないのがネックじゃわい。」

淫堕仙人 > 社のひと時の後、仙人がどこへ行くのか
雲の流れよりも複雑な好奇心に駆られてまた山中に戻るのか。
人里に向かうのかは足の気分次第だった

ご案内:「街道沿いにある寂れた社」から淫堕仙人さんが去りました。