2024/08/31 のログ
ご案内:「王都近郊 農村」にシアンさんが現れました。
シアン > 討伐対象の危険度や数を低くまたは少なく見積もって依頼金を低く設定する。当然、討伐する側は、当初の提示内容とは違うものを相手にする事になるわけだが……提示した側は『はて、あなた様が来られる前に増えたのでは? こちらと致しましても不測の事態ゆえこれ以上の金額は出せません』云々といって安く済ませる。よくある話ではないが偶にある悪辣な値切り。

「まいったね。もう何日かはここに居らにゃならんか……」

此度がそれだ。只、此度は殊に悪辣だった。
小鬼(ゴブリン)の小さな巣があるので駆除して欲しいとのことだったが、
新米やら一人前になりたてやらが数度討伐に出掛けて帰ってこない。
おかしいな? と思って見に来てみたら小さな巣どころか大群が巣食っていた。
討伐しにきた者やら近くの者やらとかく女を拐かしては増えに増えて更に巨大化して……
大鬼(オーガ)になっているものやら魔法使い(ゴブリンロード)までいる始末である。
始末? 勿論付けてきた。村長含め計った長老衆? 死ぬかってぐらいボコり倒してふん縛った。

攫われて犯された女を保護せにゃならんし、ど突き倒した長老衆を連行せにゃならんし、数もやる事も一人じゃとても手が回らない。
冒険者ギルドや王国治安隊やらに文を早馬で出して一先ず待機が現状。

「まったくよぉ……」

既に何人かは応援に来てくれているのだが、まだまだまだ、引き継ぎには時間が掛かる。
村長宅から適当にかっぱらってきた酒瓶を片手に近くの小川で夕涼み、と軽い月見でもしながら愚痴を垂れた。

シアン > 明日にはまた巣のほうへと行ってきて見逃しがないかの確認をしなければならない。
子鬼も大鬼も魔法使いも、目につく限りは叩き潰してきた。
暴行された女たちも、目につく限りは背負って村と巣を何十往復してきたし、
哀れにも亡骸となってしまったものも目につく限りは埋葬したものの……
見落としがないとは言い切れない。
面倒臭いし割に合わないし今直ぐにでも投げ出して王都に帰りたい、ところだが。

「……くそぉ~~~……」

女を見捨てるのは後ろ髪を引かれるし依頼の途中放棄は評判に響く。二重苦。

「……はあ……」

おまけに、寝床らしい寝床は全~部要救助者に割り当てられて自分は野宿ときた。
普段からそう酒をがぶがぶ飲る類ではないがここ数日は流石に酒の量も増えた。煙草の量も増えた。
瓶をぐいと煽れば一息で三分の一ほども飲んで飲み干して、次の瓶を手に取り封を空けて、煽る。

シアン > 幾つか救いがあるとするなら、村長宅には結構な酒が蓄えられていたこと、飯はそれなりに美味いこと、最近は雨風がやたらと激しいせいか気温が落ち着いて野宿でも小川近くであればそれなりに涼しく寝れること。悪い事が多すぎてあんまり慰めにはならないが無いよりはずうっとましな慰めのうち酒を数本空けてから、カンテラの灯りはそのまま寝袋の上に寝っ転がる。『明日明後日にはカタつきますように』と結構真剣に、丁度星空を過っていった流れ星へとお願いしてから、眠りに着くことに。
ご案内:「王都近郊 農村」からシアンさんが去りました。