2024/05/24 のログ
ご案内:「路地裏『薬師通り』」にエウヘニアさんが現れました。
■エウヘニア > 平民地区と貧民地区の境目の路地裏。
地代や、賃料の安さ、多少の騒音や異臭があってもさほど気にならないことからか、薬師やそれに類する魔術師や錬金術師の工房が軒を連ねる通りの一角。
他の例に漏れずにそこも錬金術師が一人自宅兼工房として看板を出していた。
今日は爆発音は響かず、煙も出てない静かな日。
とりあえず棚に並べた薬類の整理を終えて、おとなしく店番などしつつ、干し終えた薬草の分類整理をもぞり。
出来に合わせて保存容器に収めてラベリング。
薬師みたいだなあ、なんて暢気に考え。とは言え職分としてかぶるところも多いといえば多いのかなあ、なんて考えながら。
それらは素材用の棚にあとでしまおうと考えながらやっているせいで、作業台代わりにしているカウンターの上に徐々に溜まっていっている。
■エウヘニア > それとは別に、抽出中の薬剤がゆっくりとガラス容器の中へ滴り落ちてゆく。
様々な秤に、大小、規模もさまざまな時計り。
薬師としては不要な部類のものも棚に収められているのは、女の生業が正確には錬金術師としてのそれだからだ。
商品棚には大瓶に詰められた何かの膏薬、粉薬類。
そういったものに囲まれて薬草の選別をする女は魔女ともいえるのだろう。
多分そのどれもが間違ってはない。
カップに入ってる怪しげな色のお茶が余計にそれを増長させるのだろう。
ちら、とそれに一瞥を向けて。美味しいと思ってるわけじゃないのか若干眉が下がる。
冷めたせいで余計にまずそう、と微妙な視線を送ってからそれを取り上げると、ぐいーと一息に呷った。
「…………ぐぇ」
潰れたような吐息が、その味のすべてを物語る。
■エウヘニア > 「────~~~~」
無言のままポケットから小さな紙包みを取り出すと、包装を解いて口の中に放り込んだ
固めた蜂蜜の甘い味わいが、薬の苦みを押し流してくれるのを待ちながら、小さく吐息する。
舐め終えたら、抽出途中の薬を見て。
それから────。
今日は比較的静かだけれど、変化がないわけじゃない。
変わらない日常も、一日一日小さな変化を経てゆくものだ。
どんな道筋を自分がたどるかで、それらもまた純化されてゆくのだろう。
「…………」
分類を終えて、カウンターの上に並んだ便を、戸棚にしまう為にひとまずは腰を上げて。
時間を刻む音が静寂を揺らすなかを、小柄な錬金術師は小さな積み上げを行ってゆく。
ご案内:「路地裏『薬師通り』」からエウヘニアさんが去りました。