2023/12/29 のログ
ミタマ > 「あはー。そうですねぇ……難しいものですよ?
 特にこの王都だと、様々なお店があるじゃないですか? 埋もれないようにするっていうのも大事なようですからね。
 なのでこのように、自分にしか出来ないお店をしているわけですねっ!

 ……大まかにはそんな感じですね! あ、別に隠された秘境とかじゃなく。
 そういった変なことはないのでご安心を!門外不出の!とか無いので!まったくもって!」

つらつらと言葉を述べる彼女の言葉を聞き取りつつ、商人目線で色々と抱いている考えを述べ。
ついでに、自分の立ち位置もある程度教えてみる。
……単なる、そこそこ長生きの化け狐。それが自分。勿論隠してないので、特に突っ込まれても問題ない。

「いやいやー。面白そうって思ってもらえるのは、嬉しいものですよ?
 それはつまり、私達の文化に興味を持ってくれたってことですからね?
 ……あはー。そうなんですよねぇ。そもそも施術室にはベッドが一つしかないので。しかも、眠りに誘う都合上、つきっきりになるので!……どうやっても、一日に施術出来るのは数名程度になっちゃうんですよねぇ~。」

それがこのお店の難点。それに夜にやってきたお客様に関しては、だいたい朝までコースで添い寝したり、術を施したりする。
そもそも早い時間には眠りに来るお客様はいないし。かなり時間にルーズなお店なのは、もしかしたらある程度推測できるかも。

「もふもふお好きですか。……ふーむ、そういうのもありですねぇ。
 夢の中で獣になっていただいて、自分の尻尾を枕にしてゆっくり休む。夢の中で眠るっていうちょっとした矛盾かもですけど?」

勿論出来ます。と頷いて、肯定。
夢への干渉。さらに術を拡大解釈することで現実にまで影響を及ぼすぐらいの力を持つ子狐だからこそ、その程度は余裕なのです。

「そうそう。そもそも安眠に大事なのは脱力なんですよー? そういう意味で、まずはほら、そういったマッサージなんです。
 むしろそれで眠ってくれたら、身体を綺麗にしてお布団に連れていきますし?
 ……まぁ、その辺りは問題なく。こう見えて、力仕事も出来るのでっ!
 ……おやおや? クロエさん。マッサージコースがお気に召します?……安眠にお誘いするためのコースなので、別に肩こり腰痛その他もろもろ、悩まされて無くてもコース選択可能ですよ?」

予想以上に彼女はこのコースにくいついているように見えたので。
そっと首をまた傾げて問いかけてみたり。
ただし、ここの店で行われるマッサージ。勿論、本当に相手の身体を解すという役割はあれど――。
時々、好みの少年少女がいたら貪ってしまう悪戯狐なため。どうなるかは、きっとクロエさんの選択次第。

「やはー。いえいえ、そんな大したものではないですよ?
 まぁ、たしかに。狐としてはそこそこ長く生きているのは事実ですが、まだまだ……ほら、教科書等に乗っている九尾などと比べたら、まだまだでしょう?
 ので!まだまだ狐生を謳歌中の子狐ですともー♪」

実は既に実年齢は1000を超え、神格化している【天狐】と呼ばれる存在だけれど、別に主張するつもりもないので、ふわふわぼかし中。
その代わりと言ってはなんですけれど、その伸びている両手をふわふわと撫でるいつつの尻尾。
それは間違いなく、強い妖力を秘めた証。それと毛の絡みも汚れも何一つ無い極上の狐毛。
きっと、さわると、ここちよい。

クロエ > 「ん?そう?いやはは、興味でるとついついさー。
 秘密とかじゃなかったんならよかったよ

 にしても、売りにできるものがあるのはシンプルに強いよねー。
 そういう意味じゃ、北方の術、みたいなのも強みじゃん。
 いっそ、北方仕込み、なーんていうのもつけたらいいかもね!
 そしたら文化に興味を持つヒトも増えるかもだし、よくない?」

多分そういうことではないのだろうが、なんとなく思いつきのwin-win?を口にする。
頭の回転だけは早いが、空回りも多かったりするので泡沫な考えがとても多い。

「ベッド増やす、くらいまでならいけそうだけど、術ばっかりはヒト増やせないもんねー。
 そも、寝るってなったら朝ってわけにもいかな……あれ?昼にちょっとだけ寝る、とかもアリ?
 いや、朝からぐっすり、も余裕があればアリだけど難しそうか。
 やっば、色々思いつきそうで難し!
 
 ん、んー……そういえば、夢のアイデア、とかもあるの?
 ほら、あたしみたいに決めきれない!みたいなヒトとかいたりしない?
 なんかいい感じの夢、よろ!とかそんな感じでさ」

相変わらず、思いつきを垂れ流し続ける少女。
それにあわせて、表情もコロコロとかわり続けていくのである。

「んー……マッサージも面白そうだけどねー。夢も面白そうだし。
 ごめん、面白そう、で入ってきたから、これ!っていうのがなくてさ。
 タマちゃんオススメとかあるの?」

ノリと勢いの代償は、ノープラン、ということである。
店にとっては大迷惑であるが、そこを反省しつつもあまり悪びれなかったりする。
図太くなければ、微妙に浮いた突撃体質は維持できない。

「そ? でもすごそうなんだけど……
 って、あれ? もしやタマちゃんあたしより年上だったりする?
 タマちゃんさんとか呼んだほうが良さげ?
 って、わー、もふもふう……マジさいこう……」

ふと、何かに気づいてしまう。気づいても出てくる言葉がツッコミどころ満載なのが彼女らしさだろうか。
しかし、それと同時にもふもふが手に触れて思わずとろけてしまうのであった。

ミタマ > 「やー、そんな簡単に秘密なんて出来ませんから!
 そもそも秘密にするなら、こんな王都になんてやってこないわけですし?

 ふふー。其処まで褒めてもらえるのは嬉しさ半分、恥ずかしさ半分!
 ……なるほど。時々、露天に並んでいる産地直送!とか、生産者表示的な感じで!面白いですね、メモメモ……。」

なお、メモメモ。のタイミングで筆を滑らせたのは、受付に使っている名簿のはじっこ。
後々見返して、アレ?これなんだっけ……ってなるまでが1セット。

「やはー。そういうことなんですよ。
 そもそも、この能力を持っているのは私だけですしね? 他の従業員を雇う!というのもできないわけで……。
 ……あ、はい? 大丈夫ですよー? 授業がそれこそ午後休とかなら、こちらに来ていただいても問題ないですし?

 んー……夢のアイデアですかっ! 改めて言われるとなかなかに悩みますね~!
 ……むしろ、どんな夢を見るか!よりも、ゆっくりと眠りたい。悪夢を見たくない。なんてふわっとしたお悩みが多かったりするんですよ?
 なので、逆に……誰にも邪魔されず、ゆっくりと眠って、気持ちいい夢を見てみたい!――――その後、朝起きたら、私にどんな夢を見たのかを語ってくれる。
 そんなプランなんていかがでしょう?

 あ、勿論。寝落ちするまでマッサージをしてのものもよいですねっ!
 ……全身に脱力してもらっての睡眠。きっと心地よいですし、頭も身体もリフレッシュできますので。私としてはどちらかを提案したいところかも?」

こちらから提案出来るプランはこういったものだった。
どっちを選ぶか。はたまた、新しいプランをお客様が提案するかは、やっぱり流れ次第。
取り敢えず、ずっと受付でどうこうお話するのもなんなので、会話の合間に「あ、尻尾を撫でつつ、こちらにどうぞー?」と施術室……という名前の寝室にご案内。

その部屋は夜空に似た配色がされた、プラネタリウムのような薄暗い部屋。
其処に大きなクイーンベッドや、寝転がるための機械や冷蔵庫。なんなら小さなキッチンとかまである、一見したら住居スペースにも見える場所。

そんな、冷えた指先をあっためるようなもふもふと、眠りに誘う薄暗いお部屋で……。

「やはー。とりあえず、人間の方とは別種族となるので、年齢的にはおそらく年上かと?
 あ、呼び方はお気軽にどうぞ~♪ 呼びやすいのが一番ですし! あ、ちなみに添い寝コースやマッサージコースには、尻尾でのご奉仕もついてきますよー?」

クロエ > 「あー、そっか午後休ね。そういう使い方もあるかー。
 あれ、色々実は便利……?

 はー、なるほどなー……」

説明もプランも少女の好奇心を満足させる。
どれもこれも楽しそうである。

そんなことを思いながら、素直に誘導に従って施術室へと入っていく。
そこは居住スペースにも見えるが、配色などは考慮され一工夫が凝らされた場であった。

「ほえー……お部屋ーって感じだけど、なんか夜空ーって感じもするね。
 んー……寝るって考えたら、これだけでも気持ちよーく眠れそう!
 お店ならではだね。流石に自分の部屋をこうはできないしなー。」

当然のごとく、感心をする。
当たり前の話ではあるが、自室を睡眠専用にしてしまえば何処で居住するのか、ということになるのだ。
安眠の道は険しいものだ。

「ま、ほんとのとこ歳とか関係なくタマちゃんはソンケーするし、愛でるんだけどさ。
 ほら、一応礼儀として、っていうかまあ、ね?」

微妙な歯切れの悪さは説明のしづらさ。
実際、年上だろうがなんだろうがフランクに話すのは変わらない。
ただ、知っててそうするのか知らずにそうするのか。
その辺の微妙な差異は、やはりなんだかちょっと違うのだ。

「んー……夢とマッサージの贅沢セット、いいねー……って、まってまってまって。
 タマちゃん添い寝コースとかあるの?マジで?もはや犯罪級じゃない?
 あいや、反則級? ともかく幸せいっぱいじゃん、そんなの!やばくない?!」

なんとなく、選ぶべきコースを選んだところで聞き捨てならない言葉が耳に入ってきてしまった。
こんな可愛くてもふもふな生き物と添い寝ができるとか、あっていいことだろうか。
思わず不穏当な言葉もでる、というものである。

まあただ、小動物と一緒に寝る、みたいな感覚でいるのはある意味失礼ではあるが……
ともあれ、妙にテンションが上ってしまったのであった。

ミタマ > 「ま!勿論、施術中でなければのお話なのですけどねっ!
 ……もし、気になる場合はご連絡を? なんなら、学院でお声を掛けてもらえれば!

 ……こう見えて私も、学院に在籍していますのでー!」

此処でネタバラシ。彼女が学院の人だと分かったのは、その服が良く見かけるものだったからこそ。
もしかしたら、少し後の話。
施術室という名前の寝室に入った後、部屋の隅にある衣装掛けの中に、殆ど袖を通していないように見えるぴっちりした制服があったかもしれない。――なんて。

色々な意味でクロエさんの知的好奇心を刺激出来ている模様。
そんな寝室に入った後は、ふかふかの――勿論、布団乾燥機で温められたクイーンベッドのお布団の上に腰掛け、お相手様も手招き。
腰掛ければ、安眠のために調節された熱と、ふわっふわの羽毛布団の感触がこれまた眠気と安心を誘う。

「やはり眠るのに一番最適なのは、適度に薄暗く、それでいて落ち着く背景でこそですのでー?
 ふふー、でしょう? ……こうやって上を見上げて、ふかふかのお布団に入っているだけでも、ころっと眠っちゃうお客様もいるほどですのでー!

 ……やは。気にせずですよ?
 そもそも、ここはプライベートではなく、お客様と、お店の従業員なんですから。
 年齢などは特に気にせずっ。お話しやすいように!
 後、ほら? 先程私、学院の生徒ということも告げたでしょう? ……つまり、同じ学校の友人……ということにもなりますしっ?」

ならば。と、先程伝えた情報を重ねて、あんまりその辺りを深く気にしないで欲しい。ということを示したり。
この言葉を聞いて、彼女がこれまで通りに対応するか。はたまた、目上の人として見るかは……やっぱりクロエさん次第なのでして。

「そうですよー? とはいえ……今日は遅いですし、流石にマッサージコースはちょこっと難しそうですね。
 ……なので、先程言っていたお昼から来られる時は、これまで告げたプランをするとして……。

 本日は、添い寝して……良い夢を見ていきませんか?」

そのままゆっくりと、掛け布団をめくって、純白のベッドシーツを晒してから、ころんと寝転がり。
ふわふわのいつつの尻尾を抱き締めるようにして、そのまま両手を伸ばし……。ハグを求めるような姿勢。
抱き締めてくれたなら、その身体を羽毛の掛け布団が。蛇のようにゆるく揺れる尻尾がその身体を抱き包み、極上の毛並みとベッドの熱を伝える――そんな幸せな時間をご提供。

「……そうですねー。私の添い寝コースならきっと、クロエさんの夢は……ふわふわもふもふの雲に包まれながら、空から絶景を見下ろす夢……になったりするのではないかと?」

――――そんな言葉を、告げてみたりして。

クロエ > 「そういえば、さっきも学院の話ししてたね。そっか、タマちゃんも学生なんだ。
 あたしが学生なのは……まあ最初にも話したし、そもそも見りゃ判るっもんだよねー。
 あ、一応混成クラスの所属ね。」

別に隠すことでもないので、ある程度の素性も話してしまう。
そもそも学生である、名前も教えている、のでその気になれば調べはつくだろう。

「うわ、このベッドふっかふかだ。ここまでいい感じのは初めてかも!
 いい素材使ってるのかな……うわーうわー、流石の設備だなあ……
 いや、これはマジで寝るって瞬だよ、瞬!目を離したら見逃すレベルだって!
 はぁ~、一生此処に寝てたい……マジすご……」

誘われてベッドに座り込めば、布団の柔らかさに思わず感嘆の声を漏らす。
なお、本気で一生寝よう、などとは思うわけもないが、半分本気であるのも確かであった。
それほどに、気持ちの良いベッドは魔性なのである。

「ん、まあさっきもいったけどホントのとこ別にいいっちゃいいんだよね。
 気持ちの問題っていうかね。
 ほら、自分で言うのもナンだけどあたしってこんなじゃん?
 だからかしこまった時でもなきゃ、かしこまんないんだけどさー。
 ま、でもいっか。タマちゃんの方もそうなら、あたしらトモダチってことで!」

その辺り、貴族という生まれの縛りが影響しているのだろうか。
ともあれ、フリーダムな少女でも一応気にするときは気にしたりもする。
ただ、相手があんまり気にしてほしくない素振りをするのであれば、考えないことにする。
それくらいの空気は読めるのだ。

「あー、ごめん。話しすぎちゃったかな。
 タマちゃん、話し上手だしさー。
 あ、でもそれで添い寝できるんなら怪我の功名って感じラッキーかなー。
 じゃあ、それで!」

布団が開かれて、お誘いされるのであれば迷うことなく入り込んでいく。
無駄に、失礼しまーす、なんて言葉もかけながら。

そして、中にはいればふわふわの布団が外から包み込み、中はベッドの熱と獣人の少女と尻尾の温かみ。
おお、刮目せよ。瞠目せよ。そして称えるが良い。
これ以上の幸せ空間がこの世にあると、誰が言えようか!

「ん、どんな夢かは、そうだねー、楽しみだ!」

求められれば、勿論、躊躇なくハグをする。
これは合法、合法なのです。合法的に可愛いもふもふちゃんを抱きしめられるのです。
どうだやったぜ、などと謎の思考がクロエの脳裏を駆け巡る。

そのまま、ミタマに身を委ね……

ミタマ > 「ええ!なので、今日のそれはトモダチ価格で!
 ……良い夢が見られるよう、目の前で……しっかりと、見守っておりますのでー……。

 おやすみなさい、クロエさん……♪ ―――良い夢を。」

色々なものを省略してしまいますが……。

そうして、お布団の中にクロエさんが入ってきて、その身体を委ねたのならば……。
子供特有の体温。ふわふわの羽毛布団。狐尻尾。そして、甘く囁く吐息の熱。
様々な要素を以て、合法的なハグをぎゅうっと返しつつ……お客様が安眠出来るように、ゆっくりと、その意識を眠りにつかせていく。

きっと、今宵見る夢は空を飛び、ふわふわの白い雲に包まれつつ、鮮やかな景色を見る絶景の夢。
そして、連日。彼女が望む"素敵な夢"――獣になって自分をモフったり。かっこいい冒険譚を刻んだり。
彼女のクラスが冬休みがあるのかは兎も角として……数日間は、きっと、良い夢を見て、良い朝を迎え、健康的に過ごせたに違いない――はずです。

ご案内:「王都マグメール 平民地区【眠らせ屋】」からミタマさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区【眠らせ屋】」からクロエさんが去りました。