2023/12/24 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──はーいお疲れチャン。また来てくれたまへ」
そんな中の一室から、満足げに出ていく宿泊客を笑顔で見送る、スタッフ用の作務衣姿の金髪の男が一人。
今日も今日とて知り合いからの依頼で、臨時のマッサージ師として仕事に精を出しているのだった。
「ふぃー……こういう普通のマッサージも悪くはないのだが、そろそろ一発エロマッサージでもしたいところであるなぁ」
個室内に戻り、施術用のベッド脇の椅子に腰掛けながらそんな詮無い独り言を漏らす。
今日は現状、立て続けに男の『標的』にならない客の来訪が続いたため、男はごく普通のマッサージ師として
仕事をこなすばかりであった。
男としてはそれもそれでやりがいを感じなくはないのだが、やはり役得の一つぐらいは欲しいところであった。
「まああそれも時の運というヤツなのだが……──おっとと一息つく暇もなさそうだったな」
ボヤキを続けようとしたところで、閉じたばかりのカーテンが開く。
各個室は廊下に面しているため、稀に受付を経ていない誰かも紛れ込むこともあるようだが、それはさておいて。
現れたのは男の『標的』になりうる客か、それとも……。
■エレイ > ともかく、男は客を迎え入れ。カーテンは再び閉ざされて──
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「平民地区 何処かの店舗」にグルエルさんが現れました。
■グルエル > どこかのとある店舗の前。
ガラガラと車輪が立てる音をさせながら王国の徴税官の紋章を掲げた馬車がゆっくりとした速度で向かってくる。
そして店舗の前で馬車は止まり、御者席から従者が下りてドアを開ける。
中から現れたのは王城勤めの徴税官が着る官服を身に纏った背が高く、やせ気味の男。
つかつかと店舗の入り口へと向かえば、従者が先んじて店のドアを開き、男は店内へと入っていきおもむろに懐から丸められた一枚の紙を開く。
「私は王城勤務の徴税官、グルエル・リカーフォートである。
この店は未納の税金があり、その徴税及び税を納めなかったことによる追徴課税金を回収に来た。
大人しく払うなら良し、もし払わぬなら店主の身柄を拘束させて頂く。
これは王城より発行された徴税命令書である」
従者は徴税官を名乗った男の背後に立ち、護衛であるかのように店内へと鋭い眼差しを向けていく。
男が広げた命令書は確かに王城から発行される書式であり、押された印もまた徴税の為に発行される書類に押される正式なもの。
しかし、店主、もしくは店にいる者には未納の税金、と言うのは寝耳に水であるかも知れない。
■グルエル > そんなはずは、そう言い訳をする女店主へと書類を見せる。
正式な書式で作られた書類であることは、店を経営している店主にも分かり、ぐうの音も出なくなってしまう。
そして税金を未納した、ということで付される追徴課税金の余りの高額さにこんな大金は払えない、と言う女店主に男はいやらしい笑みを浮かべ、待ってやる代わりに……と取引を持ちかける。
取引を断るなら、この店の営業許可を取消しになる上に身柄を拘束させて貰う、そういえば女店主はなくなく取引に応じるしかなく。
従者に入り口を閉じさせ誰も入らないように指示をしてから、自分は女店主と店の奥に入っていき、しばらくすれば響くのは女のすすり泣く声、いつしかそれは女の嬌声に変わり、また一人、無実の民が不正の毒牙にかかったのであった…………。
ご案内:「平民地区 何処かの店舗」からグルエルさんが去りました。