2023/12/08 のログ
ご案内:「村近くの草原」にサウロさんが現れました。
■サウロ > (気温が下がる前兆のような冷たい風が草原の草花を撫でていく。
笊かごに薬草を摘み、それを泉の傍で軽く洗ってから、まだ陽が高いうちに陽に当てて乾かしている。
丁寧にやりたまえよという治癒師の、一応師匠にあたる相手から告げられ行う作業も慣れてきたもので、
木漏れ日の差す木陰に腰を下ろして少しばかり休憩と息を吐く。
村人たちからは、村で越冬すればいいと言われてはいるが、任務もあるのであまり長居は出来ない。
それでも良い経験をしていると思う。
体内に流れる魔力を感じながら、目を伏せて瞑想する。
金の髪を風が撫でていくのを感じながら、大地の温かみと、澄んだ泉の水面が陽を受けて輝くのが、瞼の裏を刺激するようだ。)
「……────」
(しばらくは目を伏せたまま、眠っているようにも見えるような瞑想を続ける。
が、人なり獣なり、それ以外の何かが近づくなら、その瞑想も途切れるだろう。)
■サウロ > (沈黙の瞑想から日がいくらか傾いた頃、碧い目を開いて息を吐く。
魔力の扱いに関しては相棒のようなミレー族ほどではないが、いくらかコツも掴めてきた。
遅くならないうちに戻らなければと体を起こし、水気も渇いた薬草類を確認してから笊かごを手に立ち会がある。)
「さて、遅くならないうちに戻らないと」
(日の暮れも早く空は蒼と赤が交じり合う。
遮るものもなく、村の建物の影が遠く見える方へ向かって歩き出した──。)
ご案内:「村近くの草原」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 柵で囲われた5m四方の空間。
相対しているのは上半身を露わにした二人の男。それぞれが拳に保護具めいた手袋をつけ、相手の出方を互いに窺っている。
赤い手袋をつけた褐色肌の男は若く、相手を見下すような視線を向けている。筋骨隆々の、まさに戦士といった風貌。
対する青手袋は頭一つ分低い。傷痕一つない生白い肌で、体つきも対戦相手と比較するとやや頼りない。
銀髪の壮年は顎を引き、睨みつけるような目つきをしている。奇妙な模様のバンダナが特徴的だ。
ここは平民地区のやや大きな酒場。柵で囲われた空間を中心として店が作られている。
普段は吟遊詩人が唄い、踊り子が魅せる舞台は、時にはこのように小さな戦場となる。
賭けでもやっているのか、周囲の客達はみな熱にうかされているかのようだ。「殺せー!」といった過激な掛け声すらあがる。
若者が腰を捻り、壮年の顔に真っ直ぐな左突きを放った時に勝負は決まった。
銀髪男は動きにあわせるように踏み込み、拳が頬を掠めるくらいで避けると同時に右拳を前に。
右拳は若者の左腕の上を外側から滑るように動き、顎を打ち抜いた。若者は膝から頽れ、目を見開く。
立とうとしているが身体が言う事をきかない。地に伏さずに手で床を抑えるのが精一杯のようだ。
男は残心を決めて、テンカウントを待った。多くの観客にとって予想外だったのか、ブーイングが室内を揺らす。
「さて……どうしたものかな」
もし客の誰かがこの男を気に入ったならば、席まで呼び寄せて酒を酌み交わすだろう。博打で儲けさせてくれた礼代わりだ。
落ち着いて飲みたい、あるいは独占したいのなら、階上の宿屋部分を借りればよい。
あるいは、血気盛んな者がいれば店員に声をかけ、対戦相手として名乗りをあげることもできる。
■ヴァン > 男がこの見世物に参加したのは事情がある。
もともと、この店には貸し付けた金の一部を回収しに来ただけだった。
店長があたふたしているので理由を聞いたところ、参加する筈だった者が怪我をして今夜の試合に出られなくなったという。
見世物が1つ潰れるだけで大幅な収入減になることは男でもわかったので、文字通り一肌脱いだという訳だ。
「……スタウトでも飲んで、帰るとするかな?」
賭けの方法は2つ。単純に勝敗を賭けるものと、決着がつくラウンドまで当てる、というもの。若者優勢のオッズとなっていた。
後者は1Rで瞬殺するのは大穴だが、店の稼ぎにならない。オッズが高く、それなりに盛り上がるであろう4Rで幕を引いた。
儲けた奴が酒の席に誘ってくれるかもしれないという下心もわずかにある。
さすがに男が手加減をしていると気付く者はこの中にはいないだろう。
いたとしても、証明は不可能に近い。賭けに負けた奴のいいがかりとして扱われるのが関の山か。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からヴァンさんが去りました。