2023/11/22 のログ
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にアルマースさんが現れました。
ご案内:「ヴァルケス武器防具店」にイーヴィアさんが現れました。
アルマース > そろそろ日暮れの迫る頃。
小春日和の今日という日も、平和に終えられそうだな――と思った矢先。

店員として働く女の、そんな心のゆるみを狙ったかのように、突如の怒声が響き渡る。
広い店内、獣じみた男の声の内容は聞き取れなかったけれど、只事で無いのはすぐに分かった。

「なになに、何だっての……?」

いつもなら店員の大男が仲裁――という名の鉄拳の時もある――に、のしのしと出てきてくれるところだけれど、あいにく今日はお休みである。
自分が踊り子の本業の合間に仕事をさせてもらっているように、雇われている店員が全員いつもいるとは限らない。

――ひとまずは。
ものすごく耳の悪い誰かが、大声で物を尋ねているだけかもしれないし、状況を確認しに行くことにした。
武具の並ぶ棚に隠れて警戒しつつ、声の出所の方へ。
同じように興味を惹かれた客が何人か移動するのを横目に――。

甲冑に隠れてこっそり覗いてみれば、店の中央あたりで怒鳴りあっているのは二人の男だった。

訛りなのか異国語なのか聞き取りにくいけれど、どっちが先だ、そっちが先に、謝れ、などと言い合っている。
それぞれ今にも得物に手を掛けそうなところ、せめて外でやってって言ったら移動してくれるかしら――と。
自分が出て行った場合の予測を素早く組み立てる。

こんな時、女が出て行って場が鎮まる場合と、逆に興奮させてしまう場合があって。
見誤ると痛い目を見るのは自分である。