2025/05/07 のログ
ご案内:「王都富裕地区 貴族の屋敷・庭園」にアレンさんが現れました。
アレン > 依頼により、とある貴族の屋敷で行われている会合の警備を担って、二日目の夜。
初日の晩に、敷地外の建物から屋根を伝って、敷地内の厩の屋根に飛び移れると言う侵入経路を防ぎ、この日はそこに簡易的な櫓が敷かれ、もともとの屋敷の警備担当が数人、配置されている。

異国装束姿の青年は、チームで動くよりも臨機応変に怪しい箇所を探るように任されていたから、この夜は別の場所――昨日とは屋敷を挟んで逆方向、今は塀の上を音もなく歩いていた。

塀の上、すぐ内側に枝葉の生い茂る大きな樹が一本ある場所で立ち止まり。しゃがみ込むと、樹の上、根元、そして塀を挟んで外の路地を見下ろして。
ここで塀を登ろうとすれば、樹が陰になって屋敷側からは視線が通りにくい。かつ、そのまま樹と塀の間へ降りることで尚更目立たず敷地内へ入れてしまう。塀の外に足がかりになるようなものを配置しないのは当然だが、内側であってもこういうつくりはあまり褒められたものではない……防衛、と言う観点だけを優先するならば。

貴族の感覚などそういうものなのだろう、と割り切る、或いは諦めている部分もあるのか。懐から取り出した屋敷の大雑把な見取り図に、今いる場所を一応、印を付けておく。
少なくとも襲撃を企む輩は存在する、と言うのは昨夜の事で分かっているが、それを青年が撃退して、果たしてこの夜更にまたあるだろうか?
無い、と踏むのは油断でしかないし、敵対者が一つだけとも限らない。逆に、自身が知らされていないだけで味方側の雇われ者も他に居るのかもしれない。その辺の伝達は適当、と言うのも貴族のやることだ、ままあるものだ、とアテにはしていないのだ。

塀の上で屈んだまま、路地の左右を見渡し。今は誰も居ない様子だろうか――

アレン > 二日目は、平和であった。
新手の敵が現れることもなく、無事に会合終了の時刻を過ぎ。それ以降は、本来の屋敷内の警備隊のみで事足りるだろう。

魔物と戦うよりはよほど余裕がある。とは言え、魔物相手の方は容赦なく全力で構わないが、相手が敵とは言え人であると、初手で斬り捨てるわけにもいくまい、と思うのがひと手間ではあるのだが。

見回りの中で気になった箇所を一応は報告、それを改善するかどうかまではこちらの知る所ではない。同じ場所に永続で雇われるつもりはないし、依頼ぶんの仕事以上に関わる義理もないのだから。
報酬金を受け取った後、もしよければ次もまた――と声をかけようとする頃には、青年の姿はいつのまにかそこには無いのだ。

ご案内:「王都富裕地区 貴族の屋敷・庭園」からアレンさんが去りました。