2025/02/14 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

「──さーて、今日もブブイーンと張り切ってやりますか、ねぇッ……と」

その中の一室に腕をグリングリンと回しながらやってきたのは作務衣姿の金髪の男。
知り合いからの依頼という形で臨時のマッサージ師としてやってきている冒険者、という立場は今も変わらないのだが、
もうすっかりここの一員として馴染んでしまっていた。
そんな自分に時折疑問を持たないでもないが、男自身としてもなんやかんやこの仕事は
気に入っているのでまあいいか、とあまり深く考えないことにしたのだった。

「今日はどんなお客が来るかねぇ……」

ともかく、男は施術台の傍のスツールに腰掛け、腕組みしながら客待ちを始める。
出入り口のカーテンが開かれ客が現れるか、あるいは魔導機械の通信機を通して客室への
出張依頼が来るか。
いずれかの訪れが、今日の男の仕事の開始の合図となるのだろう。
もしかしたら、受付を経ずに紛れ込んで来てしまうような珍客が現れる、なんてこともあるかもしれないが。

ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にアイリースさんが現れました。
アイリース >  出入り口のカーテンが静かに開かれる。
 くぐる様に中に入ってきたのは艶やかな長い黒髪と鮮やかな紫の瞳が特徴的な女性だ。
 以前ここのマッサージを利用し、ぼんやりと記憶が定かではないところがありながらも気持ちよかったこと、調子が良くなったことだけははっきりと覚えていたので再び活用しようと訪れてきた。

「あ、エレイさん……」

 以前担当してくれた人だと安心したように声を漏らしながら入室する。
 鼻腔を擽るアロマの香りがどこか懐かしく、どこか体が疼くような感覚があったが気のせいだろうとあっさりと意識から外してしまう。

 凹凸のはっきりとした体をバスローブで包んだ姿で施術台の近くまで歩く。

エレイ > カーテンを控えめに開く音が耳に届き、男はぴくりと眉を持ち上げる。
そしてその向こうから現れたのは、以前利用客としてここを訪れた少女の姿。
軽く瞬きをした後、名前を呼ばれればにへ、と相好を崩し。

「やあやあアイリースちゃんではないか、この前はどーもだぜッ。
今日もマッサージ受けに来てくれた……ってことでエエのかな?」

のそりと立ち上がりながら、施術台の近く──すなわち男の側までやってくる彼女を諸手を上げて歓迎の意を示す。
彼女の様子から、アロマの『効果』はちゃんと発揮されているようだと内心でほくそ笑みつつ。

閉ざされたカーテンの奥で、今宵は何が起こるのか──