2024/08/12 のログ
ご案内:「冒険者ギルド」にメアリさんが現れました。
■メアリ > 平民地区にある冒険者ギルドにて先日の討伐依頼の報告を終えた後、女は受け取った報酬を懐にしまってから
依頼掲示板の前へと移動して他の冒険者たちと混じり、先日から増えた新規の依頼をひとつひとつ確認しはじめる。
良い内容があれば受けて行こうかとそんなつもりではあったが、見たところどれもこれもパーティ向けのもの
ばかりで、ソロで活動している女にとっては少し面倒なものがほとんど。
「んん、どうしましょうねぇ……」
しかし無理な内容でもなく報酬も悪くないことから、妥協すべきかはたまた日を改めて別の新規依頼が
張り出されるのを待つべきか、頬に手を当てながら悩まし気な様子で声を零していて。
ご案内:「冒険者ギルド」にクレイさんが現れました。
■クレイ >
「邪魔するぜ」
扉を両方押し放って堂々と入ってくる男。パッと見は冒険者に近いが纏う雰囲気は明らかに違うそれ。
そして明らかに違和感があるのはその手にある分厚い依頼の紙だ。
「ほら、これ。マスターに渡せ、その後清算。さっさとしろよ」
なんて受付に紙を渡す。チラと見ていると。
「んー? ……おうおう、珍しいのがいるじゃんか」
噂はいくつか聞いている。凄腕の女傭兵とかなんとか。まさか冒険者ギルドで傭兵同士が出会うとは思っておらず思わずそっちに歩いていく。
「よう、メアリだったな。噂は聞いてるぜ。中々良い腕してるんだって?」
なんて言いながら話しかけに来る。
同じ傭兵ならばいくつか逸話は聞いた事あるかもしれない。とはいえ尾ひれがついた話も多いので全部が全部真実とは限らないが。
■メアリ > 「……あら、同業の方かしら。」
女の視線は掲示板に注がれていた為男の存在に気が付いたのはすぐ傍で声を掛けられてから。
掲示板から声の主の方向へ視線の先を移すと同時に相手が同業と察すると、穏やかな笑みを向ける。
「良い腕なんてそんな……。
それにしてもよく私だと気付きましたね。どこかで顔を合わせた事があったかしら……」
謙遜するように小さく困ったように笑いながら男の顔を見つめるも、顔を合わせた記憶はなくはじめて見る相手に
不思議そうに首を傾げた。
もしかすると話したことは無くとも同じ仕事で顔を見た事くらいならあるかもしれないが。
「それにしても冒険者ギルドで同業の方に会うのは久しぶりで少し驚いてしまいました。
貴方もギルドの依頼を請けていたのですか?」
■クレイ >
「知られてねぇか。まだまだだな俺も」
なんてハハハと笑って。
軽く手をヒラヒラと振るう。
「ガッツリ同業者だ。銀鷲って名前でやらせてもらってる傭兵。クレイだ。男がどうしても多い界隈だからな。凄腕女傭兵となれば噂は広まるさ」
そりゃわかると。どうしても男が多い、というか女は食い物にされやすい業界ではある。だから女というだけで噂は広まりやすい。と自分は思っている。わけで。
ギルドの依頼と言われると少しだけ悩んで。
「うーん、ギルドの依頼っちゃ依頼なんだが……こういうのじゃねぇんだよな」
と貼られている依頼を見て答える。
そして適当に1枚取る。
「例えばこうして選ばれる依頼と選ばれない依頼がある……でもギルドとしては沢山依頼こなしてます! って箔が欲しいだろ。だからそういう選ばれなかった依頼をまとめて俺が引き受けて、別ルートで流すんだ。それで全部達成したって事にして報酬を俺が受け取る」
ギルドからクレイへ、クレイ側から報酬を払う形で他の傭兵や知り合いへ。そして達成した事にしてギルドへからクレイへ報酬が支払われる。こんな構図だ。
少し笑って。
「ああ、一応マスター”は”了承済だからな。あくどい事でも何でもないぜ?」
実際は所属してる冒険者という事になっているクレイが1人で処理した扱いだから当然だ。書類上では何一つ不備はない。
■メアリ > 「銀鷲……」
その名前にぴくり、と反応を見せてはポツリと覚えのある通り名を呟き繰り返す。
女は一瞬僅かに目を細めると、目の前で笑っている男の顔を確かめるようにじ、と見つめた後
何事もなかったかのように再び穏やかな雰囲気を取り戻した。
「えぇ、仰る通り女傭兵は男性に比べて浮いてしまう事も多いですから、そうかもしれませんね。
……クレイ様ですね、覚えました。同業同士どうぞよろしくお願いいたします。」
貼られている紙を手に取って説明を続ける男の話を一通り聞いてから、なるほど、と女は声を上げ。
「あら、最近あまり手を付けられていない様な依頼が以前と比べて無いなぁとは思っておりましたが
そういう事だったのですね。」
あくどい事、などとは思っていない。
裏事情というのは何処にでもあるようなものだろうし、女はそれを聞いてもいちいち深く追求する様子はない。
「それで上手い事回っているのならば問題ありませんね。
……あら。」
そういっている内、掲示板の依頼書に手が伸びていたのを見て女は男から視線を外して小さく声を上げた。
視線の先には先程まで悩んでいた依頼書を手にする冒険者、それが別の冒険者に持っていかれてしまった様子で。
■クレイ >
「ま、裏取引の一種だな。冒険者になれないような犯罪者もくいっぱぐれ無い、マスターは依頼の達成率の高いギルドを維持できる。俺も稼げる。全員ハッピーってわけだ」
そう、黙ってさえいれば誰一人として損をしない契約。勿論依頼した人も達成してもらえるわけだから本当に誰も損をしないのだ。
声を上げたのを見て去って行く冒険者の手を見た。依頼書を持っているのを見て。
「あー、なるほど話してる内に取られたって奴か」
丁度清算が終わったと受付からの声がして。
少しだけ考えて。
「俺のせいで仕事が無くなったってのも癪だ。今日の飯代と宿代くらいは持ってやる。丁度報酬も貰った事だしな」
そういえば受付に行ってお金の詰まった袋を受け取る。
一応枚数はしっかりと確認をして袋の口を堅く縛る。
「これでも宿屋巡りは実益を兼ねた趣味でな。良い宿いくつか知ってるぜ。どうするよ」
■メアリ > 「宿代だなんて、そんな気にせずとも良いのですよ。
アレは元々請けるかどうか悩んでいたものですから。」
女自身も特にあの依頼に執着している様子もなく、むしろ悩む時間が省けたと言って冗談ぽく笑って見せる。
「それにまた明日になれば新しい依頼も入ってくるでしょうし……。
あぁ、でもそうねぇ……」
顎に手を添えてふむ、と少し考える仕草を見せる。
「もし癪だと思うのでしたら、この後少しお付き合いいただけないかしら。
同業というのもありますけど、色々と"銀鷲"としての貴方のお話を聞かせていただきたいのですよね。
本当に噂通りの方なのか、とか。」
にこりと変わらず穏やかな笑みを浮かべる女の言葉が、男の顔は知らずとも名前や話は知っているのだと示唆している。
「それならばどうですか?」
男の瞳を見つめながら、選択権はあくまでそちらにゆだねている様子。
■クレイ >
「同業者相手に僅かでも弱み残すかよ」
同業者ならば完全にイコールの立場でなければならない。ある意味で仕事として割り切った鉄則とも言える。
しかしその後の提案を聞いて。
「へぇ、どの噂を聞いてるやら。いくつかはデマだけどな」
実際は実話だとしてもそういう事にしてある話もいくつかある。
壮大すぎる話をホントにするとそれはそれで嘘くさくなるからだ。しかし相手がそう提案するなら。
「良いぜ、じゃあそれで。ならまずは飯だな。近くに良い酒場があるんだ。丁度個室だし、話すならそういう場所の方がいいだろ」
傭兵の話など血なまぐさい話も当然多くなる。だからそこで話そうかと歩きだす。
■メアリ > 「しっかり徹底されているのねぇ……」
感心した様子で呟きながら代替案を出し、それに付き合って貰えるとなれば女は嬉し気に両手を合わせる。
「ふふ、なんでも言ってみるものですね。今日は良い日かもしれません。
ではそのおすすめの酒場に向かいましょうか。
色々と気になる話はあったのですが、さてさて、何から聞かせていただこうかしら……」
嬉々としながら、男が歩き始めるとその隣を歩いて案内される酒場へとついていく。
穏やかで如何にも単純そうにも見えるこの女の姿が、男の知っているメアリの噂通りに見えるのか果たして。
ご案内:「冒険者ギルド」からクレイさんが去りました。
ご案内:「冒険者ギルド」からメアリさんが去りました。