2024/07/03 のログ
ご案内:「誰かの夢」にニーノさんが現れました。
ニーノ > 何かがあるようで何もなく。
何もないようで何かがある―――いつかの誰かの夢であるが為に。

そんな場所を、先端が矢じりのようになった細い尾を揺らしながら、小ぶりの蝙蝠羽をはためかせて揺蕩っていた。
自我や最低限の知識は持ち得ているものの、発生したばかりの――それこそ、生まれたてと言っても差し支えのない弱小魔族だ。
陶然、”外”に住処や後ろ盾がある訳もない。
魔力や生命力の消費が少ないこの場所こそが安全地帯だからこそ、発生してから暫く、時間を過ごしていたのだが。

「――――流石に、そろそろご飯は必要だよなあ。」

飢餓とは言わずとも薄っすらとした空腹感が徐々に付き纏い始めていた。
消費が少ないだけで、減りはする。
黒色の布地に覆われていない、露出した薄べったい腹を緩く撫で。

ニーノ > ふよふよ、漂いながらいずこへと―――。
ご案内:「誰かの夢」からニーノさんが去りました。