2023/08/30 のログ
ご案内:「平民地区 早朝の緑林公園」にイェンさんが現れました。
イェン > (星の煌めきの残る群青の夜空が、東の彼方を染め始めた暁の橙光との間に美しいグラデーションを作り出す。俗にマジックアワーと呼ばれる早朝のひとときを、北方帝国からの留学生は一人黙々と舞い過ごしていた。ゆるりとしたその動きは遅々として、けれども指先一つ、毛先の一本にまで意識を巡らせる少女は全身汗みずく。中空に優美な大円を描く緩やかな動きは白肌を濡らす珠汗を振り散らす事も無く、持ち上げた細腕を伝い落ちる雫は動きに拉げて柔皺を刻む腋下を濡らした後、ノースリーブの縁へと滲み入る。素人目には舞踏の鍛錬、スローダンスにしても余りに鈍い退屈な物に見えるだろう。にも関わらず、一度目を向けてしまえばどうにも目が離せなくなる。その踊り手が年の頃なら16、7の花の盛りで、しっとりと汗濡れたポニーテイルの黒色と、切れ長の双眸の端を鮮やかに彩る朱化性が目を引く美少女である事もその一因としてあるのだろう。完成された動きの美しさにただただ目を奪われる者も居よう。しかし、見る目を持つものはまた違った意味で少女から意識を外せなくなる。何故ならば一見何の脅威にもならなさそうな緩慢な舞が、その実は闘いの要訣を抑えた実戦的な武術の型であり、『軽々に刃圏に近付けば斬られる』という畏れを生物としての本能に抱かせるからだ。)

「――――――ふぅぅぅ…………」

(そんな少女の動きが欠片の隙も存在せぬ残心によって締めくくられる。熱帯び紅潮した白頬を伝い、形良い顎先から落ちた汗雫が黒色の短袍の胸元に膨らむ双丘を濡らす。充溢した氣の如く細身から立ち上る白靄は、本人からすれば汗臭さいばかり。しかし、他者からすれば青林檎を思わせる特徴的な体臭に若い娘のフェロモンを多分に含めたブレンドアロマは媚香めいて蠱惑的な物にも思えよう。)

ご案内:「平民地区 早朝の緑林公園」にファイネアさんが現れました。
ご案内:「平民地区 早朝の緑林公園」からファイネアさんが去りました。
ご案内:「平民地区 早朝の緑林公園」からイェンさんが去りました。