設定自由部屋です。サイトの世界観に合う範囲で、自由に場所などを設定してお遊びいただけます。
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王国外、つまり外国なども舞台にして構いませんが、あくまでこのサイトのメインの舞台は王国内になります。
あくまで外国等の舞台は副ということでお願いします。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:17:52 更新
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
■エレイ > ともかく、男は客を迎え入れ。カーテンは再び閉ざされ──
■エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──はーいお疲れチャン。また来てくれたまへ」
そんな中の一室から、満足げに出ていく宿泊客を笑顔で見送る、スタッフ用の作務衣姿の金髪の男が一人。
今日も今日とて知り合いからの依頼で、臨時のマッサージ師として仕事に精を出しているのだった。
「ふぃー……こういう普通のマッサージも悪くはないのだが、そろそろ一発エロマッサージでもしたいところであるなぁ」
個室内に戻り、施術用のベッド脇の椅子に腰掛けながらそんな詮無い独り言を漏らす。
今日は現状、立て続けに男の『標的』にならない客の来訪が続いたため、男はごく普通のマッサージ師として
仕事をこなすばかりであった。
男としてはそれもそれでやりがいを感じなくはないのだが、やはり役得の一つぐらいは欲しいところであった。
「まああそれも時の運というヤツなのだが……──おっとと一息つく暇もなさそうだったな」
ボヤキを続けようとしたところで、閉じたばかりのカーテンが開く。
各個室は廊下に面しているため、稀に受付を経ていない誰かも紛れ込むこともあるようだが、それはさておいて。
現れたのは男の『標的』になりうる客か、それとも……。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 憩いの広場の隅」からイオリさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 憩いの広場の隅」からタマモさんが去りました。
■タマモ > 「あー…別に、その辺り、妾の前では気にする事はないぞ?
イオリはイオリ、妾と共に居る時は、そうであるだけで十分じゃ」
まぁ、少女は少女で、色々とあるのだろう。
自覚も無いみたいだし、そこを突いても仕方ない。
「そうそう、ちゃんと覚えておるようで、偉いぞぉ?
ならば、あっちの方にで向かうとしよう」
覚えている事を伝える少女に、褒めるように頭は撫で続けたまま。
抱える事に抵抗がないのならば、そのまま連れて、広場を後にするのだった。
■イオリ > 「ん……」
前回遭遇した時も、そうだった。
少女にとってはそれが最早日常だったのかもしれないが。
そして少女はそれを不思議に思うことすらなくなったが。
「うん……イオリね、イオリのこと、タマモおねえちゃんに、あげたの……」
前回この存在によって蕩けたから。啼いたから。
具体的な行為の記憶はなかったが、その甘美を
焼き付いた脳と魂が思い起こさせる。
頭を撫でられて小さく頷きながら、向けた宣言までも思い出したようで。
腰に手を回されると、抗う様子もなく。
縊れのない腰から尻にかけてのラインがひくん、と震え。
その身を相手のなすが儘にしようとした。
■タマモ > 「うむ、確か…前もそうじゃったな?」
少女の言葉に、思い出すように、ふむ、と頷き答える。
思い出すのに少し間が空くのは、大体は名前だけだ、それ以外は、大体は覚えている。
どこで会って、どこで何をしたのか、その辺りまでしっかりと。
…それなら、名前ぐらい覚えておけよ?いつもそうなのだから、仕方ない。
「ふむふむ…ふむ…ん?」
少女が思い出そうとしているようだから、とりあえず、待ってみるも。
そう経たず、軽く俯けば…その後、上げた顔に見えるのは、覚えのある表情、そして声。
「おや、思い出せたみたいじゃな?
いやはや、会うたびに色々と忘れてそうで、どうなるものかと思うたが…」
前回も、そして今回も、始まりは、どこか朧気な感じだったから。
その辺り、少し心配だったが、思い出せたのを見れば、よしよしと、頭を撫でる。
「思い出せたのならば、妾の散歩の続きにでも、付き合うてくれそうじゃのぅ?」
にっこりと、そんな少女へと笑顔を向ければ。
するりと伸びる手が、少女の腰へと回される。
頷き答えるならば、そのまま連れて行くし、まぁ…何かありそうなら、それはそれで。
■イオリ > 近づくにつれ、相手に自分が、自分に相手が認識できるようになる。
果たして互いが互いを認識しているか。
互いが互いを覚えているか。
少なくとも近づく存在の少女への記憶は若干希薄だったかもしれないが。
「……うん、あのね、起きたらね、ここにいたの」
それは普通ではないのだが。
慣れてしまったのか、はたまた。
少女は特別だというわけでもなく、返事を返す。
相手は気兼ねなく少女の横に座り、自分の名を呼ぶ。
「それでね……えっと……」
相手を思い出そうとする。
名を、遭遇の記憶を。
言葉を探すように途中でそれを切ると、少女は一旦俯いて、表情が見えなくなって。
「……イオリ、だよぉ……タマモ、おねえちゃぁ、ん……」
ぼんやりしただけだった声色。
顔を上げると同時にそれは艶を帯び吐息と共に。
その幼い外見に相応しくないような声は
蕩け呆けたかのような表情と共に向けられる。
記憶は、朧気。
けれどその魂にか、脳にかは刻まれていた。
あの夜のことが。
あの夜身に受けたものが。
あの夜、自分が何を宣言したかが。
■タマモ > 近付けば、その姿がはっきりと見えてくる。
うん、見覚えは…ちゃんとあるようだ。
もっとも、相手が己の事を、覚えているかどうか、との問題もあるのだが。
その辺りは、言葉でも交わせばすぐに分かるだろう。
「ふむ、誰かと思えば…えーっと…そう、イオリじゃったな。
今日もまた、気付かぬ内に、こんな場所に居ったのかのぅ?」
なんて、普通に会話を始めるのだが、名前を思い出すのに、少し間があったのは、勘弁願いたい。
実のところ、前回の出会いは、己が背後から驚かせたところから始まっている。
あれやこれやと、色々とあったのだが…その細かいところは、とりあえず、置いておき。
首を傾げ、こちらを見詰める少女、そんな少女の隣へと、遠慮せずに腰掛ける。
確か、色々と聞いてはいたのだが、結局のところ、分からない事が多いまま、だったはずだ。
…まぁ、正直、正体とかどうとか、そんなものはどうでも良いが。
■イオリ > それは追体験か、はたまた既視感か。
気配のなかった場所に、気配が二つ生じたのは。
間違いなく、少女がここで目を覚ましたのは初めてだっただろうけど。
その状況に至ったのが初めてかどうかは―――少女自体覚えているかも定かではない。
ともあれ、近づいてくる姿に怯えた様子も見せずに。
さっきとは逆の方向に首をコクン、と傾げて見つめていた。
■タマモ > 時の気紛れと、己の気紛れと、そうしたものが重なるのは、偶然なのか、必然なのか?
そこに居る事に、特に疑問も抱いていないだろう、そんな少女と言った感じか。
そして、そこに姿を現わすのは、特に目的もなくふらりと立ち寄った、己である。
…いや、目的が無い訳でもないが、これと言った探し物、と言う訳でなければ、似たようなものだろう。
「今日も今日とて、なかなかに…まぁ、そうしたものも、運次第。
見付かるも良し、見付からぬも良し、さてはて、今日はどちらじゃろうかn…ん?」
別にそちらを見るつもりで、視線を向けた訳でもない。
それでも、適当に周囲を探るように見渡していれば、視線に入るのは当然なのか。
流れるように動く景色の中、ぽつん、とベンチに見える人影に、言葉を止め。
何だか覚えのあるような状況に、かくん?と首を傾げながら、そちらへと歩み寄って行くのだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 憩いの広場の隅」にタマモさんが現れました。
■イオリ > 「んぅ……」
夜も深まり、民たちは食事から酒に移行し始める頃。
少女は今日も目を覚ます。
場所は平民地区のどこかであり、何処にでもある広場。
土を踏みしめられた地面に木製のベンチがぽつんと置かれている。
昼には付近の老人たちや主婦たちが取り留めのない会話を続け
交友の場としても用いているだろうが。
夜である今は人気もほぼない。
少女は少し眠たげに瞬きすると、身を起こす。
少し首を傾げ、辺りを見渡す。
見知らぬ場所。
だというのに、怯えることも動揺することもなく、少しぼんやりと。
―――ただ寝ぼけているだけなのかもしれないが。