2025/03/06 のログ
ご案内:「平民地区 宿屋街」にカストルさんが現れました。
■カストル > 遠い地から訪れる者たちが王都に滞在する間、どこで寝泊りをするかと言えば大抵は宿屋だろう。
その宿屋がさまざまな看板を掲げて軒を連ねる宿屋街が、王都でも大きな繁華街からすぐ近くにある。
石造りの舗装された地面から伸びる先、大小さまざまな宿屋が看板を下げて、宿泊客を招いている。
その中でも比較的小さな造りである宿屋『赤の暖炉亭』は、若い店主と未成年の少年の兄弟が経営している。
エプロンをつけた少年がその宿屋から扉を開けて外に出た。
「うう……雪の名残のせいか風がまだつめてーなぁ」
変声期もまだ訪れていない、少しばかり高めの声。扉の近くにかかっている看板をよいしょ、と持ち上げる。
食道というほどではないが、カウンターで提供している飲食物もある。
軽食に飲み物がかかれているそれは店主である兄手製のものだが、この時間になれば新規の客も入ってこないので、片付けてしまうのだ。
「……うん?」
それは音だったか、あるいは視界に過る何かだったか、ともあれ少年は動きを止めて振り向いた。
繁華街へ赴き夜通し遊ぼうとしているのか、近所の酒場付きの宿屋の賑わいを聞いたのか、人の行き交う中で何かを見つけたように、視線はそちらへと吸い込まれていき。
そこに映る何か、あるいは誰かを見た。
■カストル > 通りかかっていく猫。目を輝かせて屈んで手を伸ばしたが、警戒心の強い野良猫はびゃっと逃げてしまった。
あー、と残念そうに肩を竦めると、看板を持って宿屋の中へと入っていった。
ご案内:「平民地区 宿屋街」からカストルさんが去りました。