2024/11/04 のログ
■エレイ > その後先客との間にどのようなやり取りがあり、何があったかは当人たちだけが知ることで──
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」からエレイさんが去りました。
ご案内:「薬屋テント開店中」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > その日の王都平民地区の空き地に展開されたテントには、「花と薬と」と書かれた看板の移動式薬屋がちょこんと営業中で、
甘酸っぱい果実を煮詰めた、ジャムかお菓子を製造中のような香りが天幕の出入り口の隙間から、外界に漏れ出している。
店内は六畳間ほどの広さに2mを超える天井に、商品を並べる薬棚や商品棚のほか、
ベッドに食器にというなかなかの生活空間で、中央には鍋でくつくつと何かの素材が調合され煮込まれ、
これが魅惑的な香りをテント内外に漂わせている。
「ふんふふんふふーんっ♪ さくっ … …ん~~~~っ!!」
適当な鼻歌交じりに、煮込まれていく薬鍋の面倒を見ながら片手間で、
平民地区でも上モノの、今朝買いたてのふわふわのパンに、しぼりたて牛乳からとりだしたバターを塗り、
適度に熱して香ばしくなったそれに、自家製のベリージャムをたっぷり塗りつけて頬張れば、
サクッとしたパンの外側と、内部のふわふわの味わいが口いっぱいに広がり、幸せな味わいが口中に広がる。
薬屋営業中の片手間のお昼ごはんとしては、量・質ともに少年の生活水準からすれば最高ランクの味わいがもたらすひとときに、
椅子に座る足をぱたぱたさせながらごきげんな時間を過ごしていく。
ご案内:「薬屋テント開店中」からタン・フィールさんが去りました。