2024/10/27 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──さーて、今日もブブイーンと張り切ってやりますか、ねぇッ……と」
その中の一室に腕をグリングリンと回しながらやってきたのは作務衣姿の金髪の男。
知り合いからの依頼という形で臨時のマッサージ師としてやってきている冒険者、という立場は今も変わらないのだが、
もうすっかりここの一員として馴染んでしまっていた。
そんな自分に時折疑問を持たないでもないが、男自身としてもなんやかんやこの仕事は
気に入っているのでまあいいか、とあまり深く考えないことにしたのだった。
「今日はどんなお客が来るかねぇ……」
ともかく、男は施術台の傍のスツールに腰掛け、腕組みしながら客待ちを始める。
出入り口のカーテンが開かれ客が現れるか、あるいは魔導機械の通信機を通して客室への
出張依頼が来るか。
いずれかの訪れが、今日の男の仕事の開始の合図となるのだろう。
もしかしたら、受付を経ずに紛れ込んで来てしまうような珍客が現れる、なんてこともあるかもしれないが。
■エレイ > やがてカーテンが開き、客が現れれば男は笑顔で迎え入れ──
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にスラッグさんが現れました。
■スラッグ > 分厚き雲が幾重にも折り重なる曇天の下。
煌々と篝火が焚かれた砦にて戦勝の鬨の声が響き渡る。
石造りの砦の鉄扉を潜り抜けて凱旋を果たしたのは、されど、人族に非ず。
ゴブリン、オーガ、人狼などの魔族の姿である。
そう、この日、王国北方タナール丘陵地帯にて行なわれた人魔会戦の結果は、魔族軍の圧勝で。
最早、何度目か分からぬ奪取を経て、砦は魔族の手に陥ちる事になった。
『スラッグだ!大将首獲りのオークヒーロー、スラッグの凱旋だ!』
一人、巨躯のオークが門を潜れば歓声が尚一層、大きく響き渡る。
オールバックの短めの黒髪、潰れた鼻、下顎から伸びる牙、尖った耳、オークと呼ばれる種族の巨躯。
オークヒーローの呼び名の通り、数々の戦場にて戦果を打ち立てた魔族内での英雄的存在。
腰に下げた王国軍を率いていた騎士の首を掲げると魔族達は歓喜の声と共に祝杯を挙げる。
飲酒は人族の専売特許ではなく、巨人や鬼が産み出したものを人族が盗んだというのが彼等の定説だ。
呑めや唄えやの戦勝の宴が始まる中、オークの英雄たる彼は、一人、砦内に用意された部屋へと足を運ぶ。
敷き詰められた藁の上に布が敷かれた部屋は、鉄格子に囲われて、戦で捕縛された騎士や傭兵、冒険者、
或いは、逃げ遅れたり、近隣から誘拐されたであろう女性が囚われている。
英雄とし次代に繋げる後継者を残す役割が彼には与えられており、それを果たす為に雌を求めて牢に足を踏み入れて――――。
ご案内:「タナール砦」からスラッグさんが去りました。