2024/07/18 のログ
ご案内:「リグレ村」にミュウさんが現れました。
■ミュウ > さびれた村の昼下がり。街道の結節点でもなく、主要産業らしいものもない、そんな寒村にも人は住んでいる。
午前中の農作業を終えて、自分や家族の食事も終えて、午後は暑さのために休息。
日が傾いた夕刻に残りの農作業を行うこととなる。
そんな特に変わり映えもしない毎日の中、村はずれの森の入り口、木陰に一人の娘は座っていた。
「……ふぅ」
ひどく疲れたような印象を与える娘は、木にもたれかかりながら目を閉じる。
家は弟妹がたくさんいるのでこの時期は暑い。
少しでも暑さを避けるための工夫としてこういう場所を何か所か知っている。
この村ではこの程度が『大人になる』ことなのだ。
「夕方からは、草取り……少しでも休んでおかないと。」
この後の予定を考えて、気鬱になるが、やらなければ生きていけないのだ。
ご案内:「リグレ村」にファルスィークさんが現れました。
■ファルスィーク > ここまで足を延ばしたのは、地図の詳細の確認と詳細な調査が目的ではあるが、それは暇潰しの物見遊山のついででもある。
地理は重要な情報であり、己自身で確認する事で把握できる部分も大きい。
その上、村より先には行きかう人がほぼないのであれば、一応の最終地点ともなる訳で……。
村の雰囲気はと言えば、分かり易いほど活気も少ないのは、地理的な理由も多そうではある。
と、一応通りを歩いて周囲を見渡しての感想ではあるが、フード付きの外套姿の男に対して向けられる村人の視線が一瞥するだけなのは、村の先へ赴くもの好きな旅人、もしくは冒険者と間違われているせいなのか。
地図を片手に村の中を進んで、森林地帯への入り口となるであろう場所までやってくる軽装の男が一人。
「ふむ……一応、道はあるのか」
それらしきものが、森の方へ続いているのを確認した後、佇んでいる少女に気付いた。
仕事の休憩中だろうか。年頃にしては疲労感が滲んでいるように見えるのは、村の雰囲気も手伝っているのかもしれないとも思えたが――。
「少々尋ねたいのだがいいだろうか?」
近付いていきながらかける声は、手に持った地図を示しつつ、この先の詳細な事を知りたい旨を伝えてみることにした。
■ミュウ > 木にもたれかかり、半分うとうとしていた時にかけられた声。
「…………はい?」
他所から人が来ることなどほとんどない寒村故に、
知り合いの誰かが声をかけてきたのだろうと勝手に考えて、
どこか不機嫌そうな声での返事を返して目を開き、
見たこともない相手……それも、仕立のよさそうな服を着ている、
どう見ても村外の人間と気づいて目を見開いて
「ご、ごめんなさい!誰か知り合いかとおもっちゃって……
は、はい。なんでしょう?」
立ち上がりまではしなかったものの、ちょっとばかりの冷や汗をかきつつ
多少居住まいを正して、応じたところ、地図とこの先のことを訪ねてきた様子。
「あ、はい。ここは……」
その質問に対しては過不足なく答えることが出来た。
ただし、せいぜいこの村から半日程度の範囲だけの話。
それがこの村の人間の生活圏であり、その先まで足を延ばすとその日に帰れなくなる範囲だから。
また、一部の話は伝聞調になるだろう。
たとえば、狩人のおじさんが、この辺りが鹿の狩場だと言っていた、とか。
■ファルスィーク > 不意に声をかけたせいだろうか。
分かり易いほど不機嫌そうな声色の後、驚きの表情を浮かべたのが可愛らしく、思わず少し噴き出しそうになるのを堪えつつ。
「いや、休憩中の所済まない」
見せる地図に関して、分かる範囲内だけでも十分な収穫である。
特に現地の住人の生活圏内であれば、間違いはないだろう。
少女が語る事を地図に書き加えていきつつも、猟場に関しては生活の糧にも関わる事なので、己のみが覚えておくことにした。
特に重要なのは水場であり、それも尋ねつつ。
「成程……できれば案内を頼みたい所ではあるが。
もちろん、報酬は出させてもらう。
それとは別に、村で何か変わった事等はあるだろうか?」
魔物を見かけた…であれば、大事なので村の方が騒がしくなっているだろうから、そんな事件は雰囲気から無いようだが。
懐から取り出すのは革製の財布。
そこから情報料として少女に手渡すのは、中流階級の平民が1日暮らすのに十分と言われる金額の2日分。
森の案内をしてもらえば、その分は別途でという交渉を持ち掛けてみるが。
■ミュウ > 水場については、自分の分かる範囲だけなので、他にあるかもしれないけれど、と付け加えつつも回答し、
一通りの説明を終えて、これで終了、と思っていれば、更なる注文。
報酬の下りで現れる財布と手渡される金額に目を丸くして、
その額と男性の顔を何度も行き来し見比べて
「えっと……別に案内するのはもんだいないんですが、
いいんですか?こんなにもらっちゃって……」
出して渡しているので良いに決まっているのだが、
流石に額が額なので念のため確認してしまうあたり
貧民の小市民なのだろう。
とはいえ、いただけるというのであればありがとうございます、と
何度も何度もお辞儀をしながら懐の貴重品入れにしまうのだが、
更に森の案内について別報酬とか。
何、この降ってわいたような幸運、と驚きが止まらずにいるが、
同時にこれから森の案内をしていたら夕方の作業に間に合わないかもしれない。
どうしよう、と男性と周囲をかわるがわる確認していたら、『偶然』知り合いが通りかかる。
「ちょ、ちょっと待っててくださいね!」
男性にそう告げれば、その知り合いに声をかけながら近づいて、
身振り手振りを交えながら、あの男性に頼まれて、
森の案内をしてくるから午後の作業に間に合わないかもって
父親に伝えてもらうように交渉し、その交渉がまとまれば戻ってくる。
「すみませんでした、はい。森の案内、承ります。」
よろしくお願いします、と頭を下げる。
外部の人間にここまで礼儀正しくしてもらえたことなど滅多にないので
大分好印象。表情も明るくなれば、疲れ切った表情のころには気づけなかった素材の良さが多少は見え隠れ。
■ファルスィーク > 地図製作にとって大体ではなく、正しい位置が明確に分かるのは実に有難い事であり、少女からの情報は実に有用である。
尋ねれば仔細な内容が返ってくるので、色々と聞いては見るが実際に現場に行くことは、記憶にも刻まれるので更に重要でもある事からの案内の依頼。
情報は些細な事でも欲しがる者にとっては価値がある。
ここまで足を延ばすものは少ないだろう。
故にここまで来る理由がある者にとっては、事前に手に入る情報は有益となる。
そんな考え方から、対価は当然であり詳しく教えてもらった礼も上乗せされた額。
「私にとっては、それだけの価値がある内容だったからな。
現地の人間に案内してもらえれば、迷う危険も減るだろう?」
休憩中であるのなら、少女にも仕事があるだろう。
ガイドの依頼は、それを中断させてしまう事になるので、報酬は多少上乗せするつもりではあったが……どうやら知り合いらしき村人に事情を説明しているのは、己の依頼を優先してくれるらしい。
「有難い。
では、早速で申し訳ないが頼む。
申し遅れた。私はファルスという。
それにしても……結構な美人だな」
表情が豊かな少女は、先程よりは表情も明るく感じられる。
取りあえずガイドの報酬は400ゴルダを提示し前金として半分の200ゴルダの金額を渡した。
そして、疲労のせいか陰りはある者の素材の良さ――磨けば結構な容姿になるのは改めて窺え、暫しじっと見詰めてみての感想。
■ミュウ > 自分の情報にそれだけの価値がある、と言われれば、
半信半疑ながらそう言うならそうなのだろうと思うことにした。
王都にものを売りに行くのに最低限の文字と計算は教わっているが、それ以上の学はない。
故に、情報の有用さなどというものは正直分かっていなかったのだ。
ただ、他の人がこの情報を知ることで迷う危険が減ると言われれば、
それはそうだなと納得して頷いた。
金額は、もう納得するレベルの金額なので、直ぐに同意。
前金を渡されれば、ありがとうございます、としまい込み、
名乗りを受ければこちらも名乗ろう。
「ファルスさん、ですね。アタシはミュウって言います。
…………はぁ!?アタシが、ですか?そんなそんな、山だしの田舎娘ですよ?
王都みたいな大きな町にはにはアタシ以上の娘さんなんて掃いて捨てるほどいるでしょ?」
見つめられてなんだろう?と首をかしげたが、
続いた言葉には、真っ赤にはにかんで、両手を前に突きだしながら何度も振って、
そんなことないない、と。
そんなやり取りをしながら森の奥の方へ、ファルスの見たいもの、知りたいものを聞けば、
そちらの方へと案内していく。つまり次第に森の奥へと。
■ファルスィーク > 生活圏内であれば、それは当たり前に存在しているものであるので、そんなものに価値を見出すことも無いだろう。
が、一歩その外に赴く事があれば未知の区域でもあるので、自らの手探り危険に遭遇したり苦労するよりは安心と安全を得る事が出来る。
例えば王都で物の売買をするとき、高く買い取ってくれたり安く仕入れたり出来る店や、相場価格を予め知っているのと知らないのとの違いだと、分かり易く説明をしてみたり。
報酬金額に不満が無いようであれば、交渉は成立とみなして礼を言い。
「ミュウか。可愛らしい名だ。
王都は広いが…掃いて捨てる程は居ないな。
街に出れば、男によく声を掛けられるのではないか?」
惜しむらくは育ち盛りであるのに、恐らく栄養不足であるのだろう。
そこが解消されれば、一層輝くであろうことは、今の段階でも十分窺える。
真っ赤になりながら否定の言葉を口に出す少女へ、街に出た時の反応を聞いてみたりしつつ――森の中へと足を踏み入れた。
取りあえずは地図を見ながら方角と道の確認。
生活圏内であれば危険は少ないだろうが、いつでも少女を守れるようにと周囲には気を配りつつ。
「……村の様子は一通り見てきたが、中々に厳しい土地ではあるようだな。
土地がもう少し肥えているのなら良いのだろうが…賊もそれなりに出るらしいし大変だろう?」
道すがら村で感じた率直な感想を述べつつ、暮らしぶりも決して裕福ではなく村.全体が貧しい部類にはいるのは珍しい事ではないのだろうが。
■ミュウ > 彼の説明はわかりやすかった。
自分たちには当たり前だから必要な情報とも思えなかったが、
逆に自分たちにとって未知の事であれば確かに有用な情報になる。
勉強になります、と礼を告げて。
「いやいやいや、そんなことないでしょ。
王都にものを売りに行ったりしたときなんて、
右を見ても左を見ても、綺麗な人ばっかりでしたよ。
……ん~…そう、なんですかね?
全く声をかけられないことはないですが……
そんなに多くはないですよ?」
男に声をかけられるについては、少し考えたけれどあまり心当たらない。
なぜなら、先ほどまでの疲れた仏頂面が常だから。
もちろん、そんなことに気付いているはずもないので、
心当たりはない、という回答になったのだった。
地図を見ながらのファルスの動きに合わせて、
己を守ってくれている様子に邪魔にならないようにと気を使いつつ。
「そうですね……あまりお金になる嗜好品は育たない痩せた土地ですし。
それでもみんな、食べてかなきゃいけないので……
まぁ、襲われたりはしますよね。
とはいえ、冒険者さんに常駐してもらうほど裕福でもないですし、
そういう時は多少とられても生き延びることを優先するって感じです。」
こうして生きてるだけでも儲けものですよ、と笑うさまは少し影が差すか。
流石に、慰み者にされたことがあるなどという話は自分からすることではないから口にはしないけれど、
記憶には残っているのでこのようになるのだ。
■ファルスィーク > 説明した内容を理解したのであれば、頭の回転も良いのだろう。
話の断片から行商をしているらしいので、計算が出来なければ話にならないのだが、故に勿体ないとも思ってしまうが、そんな境遇にある者が多いのはよくある話か。
「…ふむ…運が良いのかもしれないな。
区域によっては特に容姿のいい女子は、攫われたりするのも珍しくはない」
綺麗な者は居るが外見のみで毒を持つ者もそれなりに多い。
そして、外見に金銭を使える余裕がある者も多い。
それはそれで刺激的ではあるのだが――少女には華やかに見えるのか。
多くはないが声をかけられるのは、少女の容姿に対しての魅力を男が感じている結果だと告げ……己は先ほどの表情を見たせいか、少女の運が良いのだろうと。
「嗜好品か。
確かにそう言うものがあれば特産品となり得るだろう。
…根菜類や綿花は、瘦せた土地でもと聞いたことはあるが。
それにしても、収穫が少ないところを襲うとは……いや、だからこそ賊なのか」
地図と周囲を眺めながらの会話となるが、村の状態も少女の言葉から切実である事は窺える。
が、変えようのない現実もまた事実であり、生きることが優先事項となれば、他の事まで手が回らず…の繰り返しなのだろう。
振り返って表情を窺えば沈み気味なのを見て、何となくは察しはする。
「であれば、そうだな……見聞を広げる為に、留学してみるつもりはないか。
家族や村が大事だというのであれば、必要な知識を得る事が出来るかもしれない。
まあ…それ以上にミュウが求めるものが何かを見つけれるかもだが」
何か、色々と諦めているようにも見えたのでな。と言葉を付け加えた。
そんな提案は、何気ない気紛れでもあったのだが、一番は磨いた少女の姿を見てみたいといったところ。
二番目は学問を学べば、芽を出す可能性が感じられたから。
森の中に入ったので高い木々に日差しは遮られ、適度に涼しくなったので被っていたフードを外して新鮮な森の空気を深呼吸しつつ。
■ミュウ > 「あはは……そうかもしれませんね。
そんなこともあるんですね……」
あまり気にしたことはなかったが、王都の方から来た人の言葉だ、
次からはもっと気を付けようと心に誓った。
「やっぱり、嗜好品は強いですよ。
根菜類は育ちますが、珍しいモノはなかなかどうにも……
なので、価値も低く価格も安いものばかりで。
あぁ……綿花は昔にやってみてダメだったらしいです。
なので、この辺では自分たちの衣服にも麻を使っている感じです。」
言いながら自分の服の袖を見せる。麻布で作られた粗末な衣服だ。
そんな会話でも、外の人との会話は普通に楽しいもので、
自分にとっては良い刺激になっていたのだが、続いた彼の言葉。
「はぁ、留学ですか。そうですねぇ…………留学っ!?」
そこまでの会話の流れで普通に相槌を打って、リュウガクなどという作物あったっけ、と
暫く斜め向こうのことを考えていたのだが、言葉の意味と彼の意図がようやくつながれば、素っ頓狂な声が上がる。
留学という言葉に一瞬目が輝くが、直ぐに苦笑めいた笑顔になりつつ
「……まぁ、出来ればそれに越したことはないんですけどね……
ウチは、弟も妹も沢山いますし、アタシが働けないと家が立ちいかないんですよ。
ファルスさんと話をしてて、知識があれば色々変わるのかもしれないとは思うんですが……
でもほら、家族を置いてはいけないでしょ?」
そして、諦め交じりの苦笑めいた笑顔を浮かべ……まるでそのこと自体を読まれたかのように続いた言葉。
頬をしばらくぐいぐいとつまんでから、少しだけすっきりしたような笑顔を見せて。
言葉の中には留学自体への未練が籠るが、それでも家族は捨てられないと告げる言葉に生来の責任感の強さが見て取れただろう。
■ファルスィーク > 気を付けるに越したことはないとの言葉は受け取ってもらえたよう。
目が利く者が見れば、少女の容姿にも気付くだろうし、危険性がないとは言えない。
物が売買される場所は人の出入りが激しいので、居なくなっても気付く者は少ないのだから。
「色々と試してはいるのか。
…ふむ…価値の高い物を調べ、土地に合うものの栽培方法を学ぶ。
加えて土壌改善なども知れば、かなり違ってはくるだろうが」
村の現状を再認識するのも、わざわざここまで足を運んできた結果、得られたものではある。
己の領地でも参考にはなるので、その辺りについては詳しく聞いてみたいところではあり、話す内容は少女の住む村の話題に傾きつつあったり。
示してみせる麻の衣類を改めて見てみれば大事に使っているのは分かる。
つまりはそれだけ、物が大事であるという裏返しか。
提案してみた留学の件、すぐには呑み込めなかったようではあるが、表情の変化は実に感情をよく表しているようで。
「私としても、村の状況は他人事ではないのでな。
ミュウが学んで実績を作れば、それは寒村の改善例としてその知識と経験は大いに役に立つし価値を生むことになる。
家族か……では、君の家族の生活費は私が出そう」
話としては少々強引ではあるが案件を出した時点で、費用負担は己がするつもりではあった。
地域活性…特に辺境に近い場所で、何かしらの嗜好品なり産業が生まれれば、利益を生むのは当然の事。
そして、村への思いがある少女であれば、見せた責任感の強さから間違いなく努力はするだろう…などという計算もあるので綺麗ごとでの慈善というわけでもなく、先行投資に近い。
手を伸ばして引っ張ったことで赤くなった少女の頬を撫でてみようか。
「それに、私はミュウの事を気に入ったのも理由の一つだ。
まあ…応じてくれるのであれば、無論、衣食住は保証する。
学ぶ所は…主にラディスファーンと王都になるが」
そう言いつつ、場所は折り畳んで手に持った地図をさらに広げて場所を示して見せつつ。
■ミュウ > 色々な会話の中、飲み込みも察しも早く、頭の回転も結構速い。
そういう意味では素地の良さは彼が看破した通りだったのだろう。
そして、留学の話の続き。だいぶ破格な彼の提案。
彼の言うことは十分に筋が立っている。
自分が学んでこの村の改善が出来れば、それは価値になる。
ただ、にわかには信じられるものでもないほどの好待遇。
本当に信用していいのだろうか、と少し悩み、
それでもこんな機会があるはずもない。
「……このあと、村に戻ったら両親に会って改めてその話をさせてください。
話がとても大きいので、アタシ一人で今分かったとは言えません。
ただ、ファルスさんのお話はとても魅力的ですし、アタシもとてもやりたいと思ってます。」
暫しの沈黙の後、顔を上げた時の表情はとても真剣なものだった。
喜ぶのではなく、これから自分がやるべきことの大きさを理解したうえで、
それでも成し遂げようという責任感の表れか。
その後、森を一通り案内し、日が暮れた頃に村へと戻れば、両親を交えて改めての話。
同様にビックリした両親だったが、最終的には娘の熱意と好待遇の両方から留学を承諾したのだった。
この話がまとまった後、少女は程なくして村を離れることとなる。
その道すがらも、新しい生活に入ってからも、大恩ある彼に自分は何が出来るだろう、と
物思いにふけることが時折あったとか。
ご案内:「リグレ村」からミュウさんが去りました。
■ファルスィーク > 機会さえあれば才能を開花させる可能性がある人材は何物にも代えがたい。
それが、己の手元に来るのであれば尚更であり、その分の出費など散財にもならない訳で、結果が出ればお釣りの方が大きいだろう。
両者が利益を手にするのであれば、それに越したことはない。
「即決するには確かに大きい話なので構わない。
…では改めて、名乗り直すことにしようか。
ラディスファーン領主であるファルスィーク・フォン・エインウィスナーだ。
前向きに検討してもらえているようなので、私もこれを渡しておくことにする。
判断材料としては、丁度いいだろう」
留学の話について、条件を語った後に騙されているかもしれないという不安を払拭する為に、少女に対しては己の身分を明かしたうえで証明する為の紋章が刻まれたメダルを渡したうえで、羊皮紙なりに証文として直筆のサインもしたためるか。
こんな場所に単身で姿を見せること自体が疑わしいので、身分を怪しまれるのは当然の事ではあるが……王都で名を尋ねれば変わり者だとかいう評価が聞けるかもしれず。
森の案内を一通り終われば、約束した報酬を渡し、数日後に使いの者を派遣するので色よい返事を待っている。と告げて村を去る事になる。
さて、少女からの返事は―――そこから後は、また別の話となる。
ご案内:「リグレ村」からファルスィークさんが去りました。